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採用担当者に使い回しが一発でバレる…コピペした「志望動機」に残った恥ずかしすぎる単純ミス

  • 2023.9.7

求人に応募する際、紙の書類を郵送したりメールに添付して送ったりするのではなく、Webフォームでエントリーするケースも多い。キャリアカウンセラーの中谷充宏さんは「Webフォームだと、複数企業に応募する時もコピペができるので効率的で便利だ。しかし、『使い回し』のミスが生まれやすく、注意が必要だ」という――。(第2回/全3回)

※本稿は、中谷充宏『20代~30代前半のための 転職「書類」受かる書き方』(秀和システム)の一部を再編集したものです。

人事部長は、履歴書をオンラインでチェックし、自分のビジネスに最適な従業員を選択します
※写真はイメージです
「Webフォーム」を前提に対策する

現在の転職活動の本流である、Web上で求人情報を探して会社にエントリーする場合、Webフォームの登録が必須になっています。

Webフォームに入力したことがある人はご存知でしょうが、紙面の応募書類と違って、項目も量も圧倒的に多いです。

たとえば、ある大手転職サイトにおける、職歴の「具体的な業務内容」の項目では、「担当業務、役割と実績を具体的に記載してください」とあり、2000字まで入力できます。

これは応募者の全ての職歴ではなく、1つの勤務先(1社)の情報量です。

勤務先が変わる毎に入力します。3社の勤務経験があれば6000字まで可能ということになります。

参考までに、紙面版の職務経歴書(A4サイズ1枚)は、項目見出しや改行などを無視して文字だけ埋めると、ちょうど1000字くらいになります。1つの勤務先でこの2倍の量が記入できるのですから、大変なボリュームであることがわかります。

入力作業で挫折する人が多かったこともあり、ある大手転職サイトでは項目数を減らす、必須項目を限定する(ガイダンス機能など)といった工夫をしています。とはいえ、きちんと入力して完成させないと何も始まりません。

記号や改行で読みやすくする

もう一つの特徴は、紙面の応募書類と違って、表現方法が非常に限定されることです。次のような表現が使えません。

中谷充宏『20代~30代前半のための 転職「書類」受かる書き方』(秀和システム)より

この場合、改行やかっこ(<>、「」など)、記号(■、・、※、◎、◇など)をフル活用して見やすさ、読みやすさも意識して入力しなければなりません。

せっかくたくさん書いても、文字だけがぎっしり詰まっているのでは、読み手の心理的ハードルをわざわざ上げて読みにくくしているようなものです。

面倒くさがらず、項目ごとの情報量をきちんとキープした上で、適度に記号や改行を盛り込んで見やすく、読みやすくするのが大原則です。

見栄えを良くする工夫

1行の長さは全角30~35文字以内が一般的なWebフォーム上のルールです。これを目安に、適宜改行を入れてください。

実は最も頻出するのが、この改行ミスです。改行する字数を間違えると、次の例のようにおかしな文書になり、読み手に無用なストレスを与えます。

NG! 最頻出! 改行ミス

[業務概要]
主に大阪近郊エリアに納入した自社生産の制御機器の据付、
導入、保守、修理、操作指導業
務に従事。

Webレジュメを、プリントアウトして紙面でチェックする採用人事もいます。

「必要な情報はきちんと書いたから、まぁ大丈夫でしょ」という甘い見通しでは書類選考の通過は難しくなりますので、ここは心してください。

「書きすぎ」はNG、400文字が目安

既述の通り、転職サイト等の職歴欄には、1つの勤務先で2000文字も書けます。しかしギリギリまで埋める人は皆無でしょう。

とはいえ、仮に在職期間が2年と短くても、「スカスカなのもどうなの?」と悩む人も多いと思います。

適正字数は、在職期間や社内での異動回数などで変わってくるため一概には言えませんが、筆者の経験では、一つの目安は400文字です。

採用人事にとっても、読みやすい文字数だからです。

テンプレートを活用する

Webレジュメを完成できず途中で挫折する人が多いため、メジャーな転職サイトなどは工夫を施していると、前に触れました。

中でも職種ごとの「テンプレート」が用意されているのは、大変心強いでしょう。「テンプレート」とは下記のようなものです。

[直近の企業での経験職務]
業種:製造業(XXX系)、雇用形態:契約社員
└ 在庫管理、XXXX作業(20XX年4月~現在)
└ 生産管理報告書作成、XXXXX(20XX年4月~20XX年3月)

[ポイント(取り組みと工夫、実績、評価など)]
××年間にわたり、生産効率向上の担当として生産管理全般に携わる。また、新生産管理システムの開発プロジェクトにサブリーダーとして参加し、社内データベースの整理や関係部門との調整を行いプロジェクト推進に貢献。

何を書けば良いか、皆目わからない人にとっては、「直近の企業での経験職務」や「ポイント(取り組みと工夫、実績、評価など)」といったように項目が出されていると、大変書きやすいと思います。

ただし、他の転職希望者もこの「テンプレート」を使って書くので、内容が似るというデメリットは理解しておいてください。

なお、これで224文字です。2000文字がいかに多いか、お分かりになると思います。

文字数を減らす表現の工夫

文字数も注意点の一つですが、文書の書き方にも注意が必要です。

たとえば「テンプレート」の内容ですが、「在庫管理」とありますよね。

このように箇条書き、体言止めを駆使する方が読みやすくなります。

「1日約100件の原料が搬入されてくるため、その1件、1件にタグシールを貼り付けた後に、第2倉庫に保管します。タグシールと在庫管理システムとが連動しているため、退勤前に本日の入庫状況と共に原料使用状況を突き合わせ、アンマッチがあったら倉庫で現物を目視確認しています」などと、ついこの「在庫管理」の詳細まで書いてしまう人がいますが、ここまでの記述はいらないということです。

また「ポイント(取り組みと工夫、実績、評価など)」も、文字数を増やしてしまう箇所です。

タイトル通りだと、「こうした課題・問題点があったので改善する取り組みを実施したことで、こうした実績が残せて社内外からもこうした評価を受けた」と書くことになりますが、筆者はお勧めしていません。

オンライン求人応募、キャリアまたは雇用提出フォーム
※写真はイメージです
「使い回し」は秒殺

紙面版もWeb版もレジュメを作成するのは一苦労です。ただし、「コピペ」を駆使すれば効率的に作成できるので、筆者は強く推奨しています。

コピペは有効な方法ですが、1点だけ陥りやすい大きなワナがあります。

それは「使い回し」です。

たとえば同業他社に応募する際に、「志望動機」を「コピペ」して使ってしまうケース。

「貴社は業界でトップシェアを誇るリーディングカンパニーで~」と、業界3位の会社に送ると「使い回し」と見切られるということです。

特に応募会社の数が多くなってくると管理も煩雑になり、こういったミスを犯しやすくなります。

「使い回し」は、大目に見てくれない

筆者は、社会保険労務士(社労士)事務所を経営しています。

中谷充宏『20代~30代前半のための 転職「書類」受かる書き方』(秀和システム)

職員を募集すると、志望動機に「簿記3級の資格と会計の実務経験を活かして~」といった、税理士事務所の職員向けの内容が入っているものを送ってくる実務経験者が結構います。おそらく税理士事務所の職員になることを希望している人が、共通点や類似性があることから社労士の求人にも応募してくるのでしょう。

40代のベテランでもこういったミスを犯すのですから、若手は特に要注意です。

こうしたミスは、厳しいようですが、ただの怠慢です。送信する前に、応募する会社に合った内容になっているかをチェックすれば絶対に防げるミスです。

応募要件をクリアしているにもかかわらず、こうした単純なミスで秒殺されてしまうのは、あまりにももったいない。送信してしまったら取り消せません。事前に細心の注意を払うべきです。

「腹落ち」する内容でないとマイナス評価に

採用人事というのは疑い深いものです。

「腹落ち」、つまり心から納得するような内容でないと、マイナス評価や心証を悪くしてしまうことがあります。

たとえば志望動機。

「未経験ですが経理職に就きたい思いが強く、前職在職中に簿記2級の資格を取得しました。私の強みである、最後まであきらめない忍耐力を発揮し、貴社の戦力になりたいと考え志望しました」

と書いたとしましょう。これ、良い例でしょうか、それとも?

未経験でもOKな会社ならどこでも通用する内容ですね。

応募先の会社への思いが、まったく書かれていません。明らかに的外れというレベルではありませんが、「しょせん使い回しだろうな」と見られる危険性は高いです。

「志望動機」は要注意

職歴は原則、応募先の会社によって変えることはありません。なので「使い回し」になっても大丈夫です。

一方、志望動機は応募先の会社を意識し、それぞれにオリジナルの内容を書く必要があります。ついそこを怠り、秒殺される人が後を絶ちません。

「使い回し」と断定されたり推測されないよう、腹落ちする内容を書くことが必須だということを覚えておいてください。

中谷 充宏(なかや・みつひろ)
キャリアカウンセラー(キャリアコンサルタント)、社会保険労務士
同志社大学法学部法律学科卒。新卒入社したNTT(日本電信電話株式会社)勤務後、1社転職を経て2004年にキャリアカウンセラーとして独立。マンツーマンで依頼者の転職を支援する「就職&転職のパーソナルキャリアコーチ」。米国MBAホルダーや代表取締役といったエグゼクティブ層から、転職回数が多い等のハンデを背負った層まで、幅広い方々の転職支援の実績がある。また社会保険労務士として人事採用コンサルティングの経験も豊富で、人事部長として企業人事を一任されるケースもあり、生々しい採用現場や面接シーンも熟知。 著書に『20代~30代前半のための転職「面接」受かる答え方』、『30代後半~40代のための 転職「書類」受かる書き方』『30代後半~40代のための 転職「面接」受かる答え方』(秀和システム)等多数。M&Nコンサルティング

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