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【おどる】心が躍る?心が踊る?「おどる」は使い分けたらいいの?

  • 2023.9.6

「おどる」という言葉には、「躍る」と「踊る」という2種類の漢字表記があります。 どちらも音楽に合わせて勢い良く動くといった意味で用いられますが、「踊る」は音楽のリズムに合わせて体を揺れ動かすこと、「躍る」はとんだりはねたりして勢いよく動くことというような意味があり、意味合いが異なります。

そこでここでは、近いようで意外と異なる「躍る」と「踊る」の違いについて解説します。

2つの「おどる」の意味

 

まずは、「踊る」と「躍る」2つの「おどる」の基本的な意味を見ていきましょう。

「踊る」の意味

「踊る」は、音楽のリズムに合わせて体を揺れ動かすことをあらわしています。 「舞踊」という熟語に用いられるように、音楽や歌に合わせて手足や身体を動かして、リズムに合わせて動作をすることというような意味合いで使われます。

「躍る」の意味

「躍る」は、とんだりはねたりして勢いよく動くさまを指しています。 「踊る」のように音に合わせて動くわけではなく、「小躍りして喜ぶ」「身を躍らせて飛び込む」といった用い方をし、はねあがる様子に対して用いられます。

心が「おどる」はどちらを使う?

 

嬉しいことがあった時などに使う「心がおどる」という言葉。 このような場合は、どちらの「おどる」を用いるのが正解となるのでしょうか?

心は「躍る」!

「心がおどる」は、「躍る」を用います

「心がおどる」は喜びや楽しみといった期待に対してたかぶる心情をあらわしています。 そして、「躍る」のはねあがる様子は、喜びや驚き、緊張などで胸がドキドキする、動悸が激しくなるというような様子も対象となります。

逆に、リズムに合わせて体を動かすといった要素はありません。 心臓もバクバク高まりますので、リズミカルにというよりはねあがるといった方が近しいものがあります。

そのため「心がおどる」の際は「躍る」を使用し、「心が躍る」となるわけです。

「躍」と「踊」の成り立ち

 

読み方こそ同じですが、意外と意味が異なる「躍」と「踊」。 これは、それぞれの漢字の成り立ちに由来するとされています。

「躍」の成り立ち

「躍」の左側にあたる「足」は、上の「口」が体を、「止」は立ち止まる脚部を意味しています。 対して右側の「翟」は、両翼と鳥を表現しています。

ここでの鳥は、昔話の桃太郎にも出てくる「キジ」だとされています。 キジが速く高く動くイメージから、勢いよく動くさまといった意味合いになりました。

「踊」の成り立ち

「踊」の場合も、左側は「足」を意味します。 また、右側の「甬」は「甬鐘(ようしょう)」という筒状の柄のついた鐘をあらわしています。

この「甬(よう)」が、持ち上げるという意味の「用(ヨウ)」に通じることから、足を持ち上げておどるという意味合いで使われるようになりました。

まとめ

 

「おどる」という言葉には「踊る」と「躍る」という2種類の漢字表記があります。 同様の意味合いで使う場合も多いですが、「踊る」は音楽のリズムに合わせて体を揺れ動かすこと、「躍る」はとんだりはねたりして勢いよく動くことを意味します。

心や胸、心臓などは「躍る」ものとされています。 心がダンスを踊っているようで表現にも思われますが、実は少しニュアンスが異なり、期待から心臓が跳ね上がるようにバクバク高鳴っていることをあらわしているのです。

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