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福地桃子「稽古は毎日が驚きの連続です」 初舞台『橋からの眺め』に挑む

  • 2023.9.5

NYに暮らす一家が、違法移民の親戚を受け入れたことから起こる悲劇を描いた『橋からの眺め』。社会や家族の難解さや、人間の幸福や生きる意味を問うアメリカ人作家、アーサー・ミラー作の本作で初舞台を踏む福地桃子さん。「普段から、初めての挑戦に対して苦手意識を持つのはやめようと思っていた」と言う。

毎日違った感情が生まれるし、学びもとても多い稽古場です。

「稽古は毎日が驚きの連続です。共演のみなさんも、こんな稽古の仕方は初めてだとおっしゃるので、初舞台だからというわけでもないようですが、楽しんでやれています」

演出は英国内外で活躍するジョー・ヒル=ギビンズさん。ジョーさんにとってもこれが日本での初演出。

「ジョーさんはまず、台本の中で感情が変化するごとにセクション分けをするんです。そのうえでみんなで台本を読み解いてタイトルをつけるんですが、まるで国語の授業みたいです。稽古も毎回発見があり、段取りを重視する日もあれば、セリフを言う立ち位置を決める日もあれば、ほぼ何も決めずに自由にやる日もあって。その中で、全員が無理なく役としていられるものが採用されていく。毎日違った感情になるし、学びもとても多くて、ジョーさんをはじめ全員で少しずつ作り上げていっている感じが楽しいです」

演じるのは、伊藤英明さん扮する主人公・エディに溺愛される姪のキャサリン。彼女が、違法移民のロドルフォ(松島庄汰さん)と恋に落ちたことから物語が動いていく。

「作品について調べていくと、エディのキャサリンへの歪んだ愛情が起こした悲劇だと捉えられることが多いんですけれど、今、役としてはエディからまっすぐな愛情を感じるんです。親は子供のことが心配で仕方ないけれど、子供は新しい世界への興味や好奇心の方に目が向いていて、そこですれ違ってしまうって経験ありますよね。ジョーさんからは、エディ自身もいろんな気持ちが混ざり合って混乱していて、キャサリンとしてそれを受け止めていかなきゃいけないと言われました。たぶんいろんな解釈や表現の仕方があると思いますが、私はその瞬間瞬間を役としてピュアに生きようと決めました」

柔らかな空気感を持つ人だけれど、ゆっくり考えながら紡ぎ出される言葉からは芯の強さを感じる。

「どんな作品でも共通して気になるのは、演じる人がどんな服装をしているか。流行に敏感か、そうじゃないかとか。今回の衣装からも受け取れるものがあると思うので、大切にしています」

PARCO PRODUCE 2023『橋からの眺め』 NYで妻(坂井)と姪・キャサリン(福地)と3人で暮らすエディ(伊藤)。ある日、彼らの元に妻の従兄弟が転がり込み、そのひとり・ロドルフォ(松島)とキャサリンが恋に落ちて…。9月2日(土)~24日(日) 池袋・東京芸術劇場 プレイハウス 作/アーサー・ミラー 翻訳/広田敦郎 演出/ジョー・ヒル=ギビンズ 出演/伊藤英明、坂井真紀、福地桃子、松島庄汰、和田正人、高橋克実 S席1万1000円 A席9000円ほか パルコステージ TEL:03・3477・5858 北九州、広島、京都公演あり。

ふくち・ももこ 1997年10月26日生まれ、東京都出身。2016年に俳優デビュー。’19年にNHK連続テレビ小説『なつぞら』出演で話題に。近作にドラマ『舞妓さんちのまかないさん』など。

ドレス 参考価格¥73,700(GANNI customerservice@ganni.com) ピアス¥14,300(Jouete TEL:0120・10・6616) その他はスタイリスト私物

※『anan』2023年9月6日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・ゴトウカナエ ヘア&メイク・曳田萌恵 インタビュー、文・望月リサ

(by anan編集部)

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