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編集後記「心地よい住まいを、考えてみた」:住まいの“情緒”を考える。

  • 2023.9.5
東京と、海での二拠点生活を決めた友人宅。ほぼフルリフォームした部屋は、広くはないけれど2面が海に面して開け、清潔で快適で仔犬もくつろぎます。
賃貸の我が家も、狭いながら古道具屋で選んだ家具やラグを入れて、どうにかこうにか心地よさを追求。こちらでも犬は気持ち良さそうに伸びています。

住まいの“情緒”を考える。

子どもの頃は自分の家が快適かどうかなんて考えるまでもなく、当然のようにあって、遊び疲れれば帰ってお風呂に入りごはんを食べて眠る、まさにホームでした。一人暮らしをするようになってからは、ちょっとした料理が出来るキッチンがあり、お風呂とトイレが別々で、防犯上も心配なくて、という機能面ばかりを優先した部屋選びをしていました。いつからでしょうか、自分の「ねぐら」にある種の情緒を求めるようになったのは。広さや間取りや日当たりなど条件も大切だけど、どんな家具を置いて、部屋でどんなふうに過ごすかを考えるほうがより重要案件になったり、通勤の便利さと、周辺環境の好ましさを天秤にかけて、自分にとって優先すべきはどちらなのかを深く考察してみたり。大人になるにつれて、部屋づくりは生き方を表すのだなぁと、しみじみ思います。「インテリアの相談にのって」という友人宅にお邪魔して、「うわーこいつ、暮らしに興味ないんだなー」と思ったり、「ちょっと寄っていく?」という友だちの部屋が、狭いのにめちゃくちゃ居心地が良くてビックリしたり。人生においてONの時間が少なくなってくると、住まいの情緒について、真剣に考え直したりするものなのかもしれません。何となくですけど。

(岩下祐子/本誌編集部)

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