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語る音楽家、語られる音楽家:坂東祐大→ジョルディ・サヴァール

  • 2023.9.5
ジョルディ・サヴァール_イラスト

坂東祐大が語る、ジョルディ・サヴァール

古楽界を半世紀近くにわたって牽引してきたヴィオラ・ダ・ガンバ奏者、指揮者のジョルディ・サヴァールの来日公演が決まりました。ガンバとは脚という意味でヴィオラ・ダ・ガンバというのは直訳すると脚のヴィオラという意味(サッカーチームのガンバ大阪と同じ意味)。

名前の通り、脚に挟んで弾く弦楽器です。見た目はヴィオラよりもチェロに似ていますが、歴史はチェロより古く、楽器の系統も厳密には違って、弦の本数なども違います。ルネサンス~バロック期にヨーロッパ全土に普及し、主に祭事や歌の伴奏に使われ、優雅な響きを持つ楽器として、宮廷やサロンで演奏されたようです。

サヴァールは最初、チェロを勉強していたそうですが、ヴィオラ・ダ・ガンバに転向。スイスのバーゼルにあるスコラ・カントルムという古楽の総本山となる学校で研鑽を積みます。パリやロンドンやブリュッセルなどヨーロッパ各地の図書館で古い文献を漁り、手書きの楽譜を頼りに奏法の研究に没頭されていたそうです(またその資料は今現在もスコラに残っているとのこと)。

ジョルディ・サヴァール_イラスト

ガンバ奏者としても素晴らしい演奏を繰り広げる一方で、知られざる作品の発掘、キュレーションも積極的にされていて、エルサレムをテーマにしたブックCDを聴いた時は、思わず「こういう音楽もやるの⁉」と、あまりの音楽的な幅広さに、衝撃を受けました。

フランシスコ・ザビエルの生涯を音楽で辿る『東洋への道』プロジェクトでは日本の音楽もキュレーションし、尺八や琵琶とも共演される一方で、指揮者としてモーツァルトやベートーヴェンも演奏するほどレパートリーが幅広い。サヴァールの音楽への底知れない探究心を今回の来日公演でも存分に堪能することができるのでは、と今から楽しみです。

坂東祐大が選ぶ3枚

音楽による平和を希求した『エルサレム~2つの平和の都市:天上の平和と地上の平和』。
音楽による平和を希求した『エルサレム~2つの平和の都市:天上の平和と地上の平和』。
『東洋−西洋2〜シリアへのオマージュ』。
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『東洋への道〜フランシスコ・ザビエル』。歴史上の人物を題材に。
『東洋への道〜フランシスコ・ザビエル』。歴史上の人物を題材に。

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坂東祐大

ばんどう・ゆうた/作曲家。6月には新作となる『ギター協奏曲』が指揮・太田弦、ギター・朴葵姫によって初演され好評を博す。

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ジョルディ・サヴァール

1941年スペイン・バルセロナ生まれ。バーゼル・スコラ・カントルムでヴィオラ・ダ・ガンバを専攻。また、指揮者の顔も。10月28日神奈川県立音楽堂でジョルディ・サヴァール&エスペリオンXXIの公演を予定。

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