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「今日はサイゼリヤでもいいかな?」への対応でわかる婚活がうまくいく女性とそうでない女性の決定的違い

  • 2023.9.5

デートで「サイゼリヤ」に行くのがありかなしかは、SNSでも定期的に議論が巻き起こるテーマだ。アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラーの伊藤友美さんは「アラフォー・アラフィフ世代の女性は、自分でしっかりと稼ぎ、さまざまな趣味や学びなどを大事にしている人が多い。しかし、同じ40歳以上でも、婚活の場にいる男性でレストラン選びに長けている人は多くない。収入が高い=エスコートが得意なわけではない」という――。

「婚活に沼ル女性」には共通点アリ

婚活沼とは、結婚すると決断しないままずるずると婚活し続け、異性との間に起こる現実に一喜一憂する状況を指す。

婚活沼にハマっている40~50代の婚活女性は多い。

婚活沼にはいろんな種類があり、ハマってしまう理由はさまざまだが、全員に共通しているのが「自己否定が根底にあること」である(自覚しているか無自覚かは人による)。

ここでは「デートの場所として提案されるレストランの価値=自分の価値」としてしまう無自覚の自己否定についての事例を紹介する。

※プライバシーに考慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください。

20代からモテてきて、気づけば40代に

小柄で可愛らしい雰囲気の大手企業に勤めるM子さん(42歳)は、人当たりも良く、学生時代から数人の男性とお付き合いしてきた。しかし結婚にはいたらず、気づけば30代後半に。その頃から身近での良い出会いが減ったと感じたため、結婚相手を探すためにマッチングアプリでの婚活を開始した。

マッチングアプリを利用する人
※写真はイメージです

登録してすぐは登録バブルでたくさんの「イイね」がきたが、メッセージのやりとりをしても会いたいと思える人はわずかで、なかなかデートに繋がらない。仕事の繁忙期には婚活に時間を割けないこともあり、思うように結婚相手に出会えないまま40歳を迎えた。

そこで、焦りを感じたM子さんは思い切ってアプリを変え、プロ撮影によるプロフィール写真に変更。結果、3歳年下の会社員とマッチ。映画鑑賞と旅行という趣味が同じで話が合い、メッセージでも会話が弾んだので、リアルで会うことになった。

初対面は駅近のカフェで1時間ほどおしゃべり。

メッセージをやり取りしていたときの印象と変わらず話しやすく好印象。彼の外見は写真よりも素敵で、2度目のデートの約束もできて満足な顔合わせとなった。

しかし、次回のデート日程と待ち合わせ場所を決めるやり取りをするうち、彼からの返信が減ったことに不安を感じ始めた。本当は食事をする店の予約をお願いしたかったが、わざわざ言わなくてもふつうはやってくれるだろうという期待もあり、こちらからは何も伝えなかった。

デート当日、待ち合わせ場所に向かうと、約束の20時をすこし過ぎた頃に彼がやってきてひとこと。

「お待たせしました~。お腹すいたね! あ、あそこにサイゼリヤがある! 今日はサイゼリヤでもいいかな?」

彼の言葉にM子さんは愕然としてしまう。

「え、サイゼリヤ? 2回目で、初めて夜ご飯デートなのに……? 仕事が忙しかったとしても、お店は当然予約してくれていると思ってた……」と内心半泣きになってしまった。

「なぜあのとき結婚しなかったんだろう」

なんとか笑顔を保ちつつ、その日はガヤガヤと賑やかなサイゼリヤで軽い食事をしたが、1時間ほどで限界を感じたM子さん。「気分が悪くなった」と伝えて帰宅した。

ちなみに飲食代金は遅刻したお詫びとして彼が出してくれたそうだ。

「2度目のデートがサイゼリヤなんて、大学生カップルのようで悲しくなりました。本当は注文せずにすぐ帰りたかったのですが、さすがにそれはできず……。でも、デートのお店も選べず、行き当たりばったりでサイゼリヤなんて、大切にされていないと感じました。もう彼には会いたくないと思い、彼からはその後一度メッセージをもらいましたが、返信していません。ひさしぶりに素敵な人に出会えたと思ったのですが、こんなことになって残念です。そして、またイチから婚活をやり直さなければいけないことにもぐったりで、なんだか疲れてしまいました……」(M子さん)

顔を覆って落ち込む女性
※写真はイメージです

M子さんはこうも言う。

「気づいたら42歳になっていて。想像ではとっくに結婚して子育てしているはずだったのに、なぜ私はいまだに婚活しているんでしょう。今さらながら、20代当時に熱烈プロポーズしてくれた人と結婚しなかった自分を悔いています」

若い頃にモテていろんな人とお付き合いしてきた人ほど、M子さんと同じく「なぜあのとき結婚しなかったのだろう」と今独身である自分を悔やんでいる人が少なくない。

わからなくはないが、この思考を生んでいるものこそが無自覚の自己否定なのだ。

40・50代の婚活市場では「エスコート経験がない」男性が多数

では、実際にM子さんに起きたことはなんだったのか。M子さんの視点から一度離れ、事実を客観的に見ていこう。

今回の出来事
・マッチングアプリで出会った彼との1回目のデートが楽しかったから2度目の約束をした
・2度目のデートはサイゼリヤだった。

起きたのは、これだけだ。しかしM子さんはこう解釈した。

「私にはお店を予約してもらったり、雰囲気の良い店を選んでもらえる価値がないの? 大切にされていないと感じ悲しくなった」

大切にされていないと感じたこと自体は悪いことではない。感情は個々人が自由に持つもので、大事にしたほうがいい。しかし、自分の価値=レストランの価格帯と受け取るのはいささか極端すぎないだろうか。これこそが、自己否定の視点である。

そもそも、アラフォー・アラフィフ世代の女性は、自分でしっかりと稼ぎ、さまざまな趣味や学びなどを大事にしている人が多い。身体のメンテナンスや美容にも力を入れ、美しくあろうと努力している人もたくさんいる。食そのものや、場の雰囲気も、生活の上で大事にしているもののひとつだろう。

しかし、同じ40歳以上でも、婚活の場にいる男性でレストラン選びに長けている人は多くない。収入が高い=エスコートが得意なわけではなく、この市場だとむしろ少ないのが実情だ(離婚経験者であれば上手な場合もありうる)。

この違いをふまえた上で、考えられる理由はさまざまだ。

深い意味はなく、目についた「自分がよく知っている店」を指差しただけかもしれない。その場合、ただ知らないだけなので「~~のようなお店が好き」や「~~に行ってみたい」など、素直に望みを伝えればいい話であり、そんなに深刻に悩む事態ではない。

もしくは、仕事が忙しく、お店について考える余裕がなかった結果なのかもしれない。待たせては失礼だから、約束の時間に間に合うように仕事を終わらせよう! という精一杯の気持ちで来たのかもしれない。

そう考えると、2回目以降のデートを重ねてみれば、真面目に勤務していて、結婚相手として魅力的な人だったかもしれない。

客観的に見ると、彼が店とM子さんそのものの価値を結びつけたとは考えにくい。

自己への低評価が一番の原因

今回の心的負担と出会いの損失を引き起こしたのは、実は相手の男性ではなく「気づいたら42歳になっていて。想像ではとっくに結婚して子育てしているはずだったのに、なぜ私はいまだに婚活しているんでしょう。今さらながら、20代当時に熱烈プロポーズしてくれた人と結婚しなかった自分を悔いています」(前出のM子さん発言)というMさんのこの思考に他ならない。

M子さんは、過去の栄光を回想しては自分の選択を悔いている。

未だ結婚していない自分をかわいそうに感じ、残念に思っている。

M子さんは言葉にしていないが、「こんな年齢の自分には価値がない」と、長い間自分を低く評価しているのだ。

しかし、M子さん自身はそのことに気づいていない。成婚したければ、自分で自分を傷つけ続けること(自己否定)を真っ先にやめること。これが何よりも最初にすべきことなのだ。

自分に非礼を詫びると(心で自分に謝ることを数日間繰り返す)自分に力が戻ってくる。そうすると、過去に思いを馳せて後悔し続けることがつまらなくなってくる。これだけで、出会いがガラッと変わったり、身近な良縁に気づけるようになったりし、最高のパートナーとの出会いが近づいているはずだ。

嘘だと思うかもしれないが、このようにセルフワークを行うことで、表情や雰囲気がやわらかく・にこやかに変わり、成婚していった40代以上の女性を、これまでに何人も見てきた。50代の成婚者も少なくない。まずは騙されたと思い、実践してみてほしい。

おすすめのワークをひとつ紹介する。

「ごめんねワーク」のやり方
1.自分の胸に手を当てる
2.自分で自分を否定してきたこと、自分で自分を傷つけてきたこと、自分の本心を無視し続けてきたことなどを「ごめんなさい」と謝る。
※これを今日から3週間、毎晩(もしくは毎朝)やってみよう。

湯船やスキンケアをしながらなど、好きなタイミングでOK。自己否定をしてきた自覚がない人にもぜひ試してほしい。

「幸せにしてほしい」は40代以上の成婚を遠ざける

もうひとつ、耳が痛いかもしれないが、婚活女性にお伝えしておきたい事実がある。

筆者はこれまで数多の婚活女性とお会いしたが、「男性が女性を幸せにするべき」という考えが強い人で成婚した40代以上の女性を拝見したことがない。M子さんは自分では気づいていないようだったが、「男性が女性を幸せにするべき」「私を幸せにしてほしい」という意識が強かったと言える。これも成婚を遠ざける思考のひとつなのだ。

花瓶に花を挿す女性
※写真はイメージです

M子さんがレストランのレベルを気にするなら、相手が予約してくれることを期待せず、自分で検索して「良さそうなお店がありますよ」と予算とともに彼に伝えておくこともできたはずだ。もしくは、咄嗟の判断は簡単ではないと思うが、サイゼリヤと言われたときに「にぎやかで話しづらいから、あちらのお店にしませんか?」などと提案しても良かったのではないか。

他の誰でもなく、自分が自分を幸せにしたい! と決めることで、弱みを見せたくないというプライドが薄れ、肩の力もふっと抜け、「こんな歳だからもう結婚できないかも」という不確かな妄想にも取り憑かれなくなっていく。

出会う相手を決めるのは、いつだって“今”の自分の思考だということを、婚活女性には覚えておいていただきたい。

伊藤 友美(いとう・ともみ)
アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラー
1970年生まれ、東京在住。約9年間の婚活中には、条件を下げたり、妥協を重ねることで「婚活ウツ」を発症。そこから研究を重ね、数々のワークを生み出し、実践。39歳から再開した婚活では、出会いから2カ月でプロポーズに至るスピード婚を果たす。自身の経験を通じて構築した〈最短最速で理想通りの男性と結婚する方法〉を伝える「3ヶ月で全員婚活卒業!婚活塾」は全国から参加の受講生で毎回即満席となる。受講生の成婚年齢は40代が一番多く、平均44歳。50代の成婚者も少なくない。結婚相談所Lulu Spacesの代表も務める。近著は『結局、理想を下げない女ひとが選ばれる』(フォレスト出版)。

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