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ギネス世界記録の「ギネス」って何?

  • 2023.9.2

2023年8月29日、山下直子さんの著書『絶景とファンタジーの島 アイルランドへ 最新版』(イカロス出版)が発売された。

本書は、アイルランド在住23年、公認ツアーガイドでもある著者が、多彩な切り口でその魅力を解説するもの。今回はその中から、ギネスビールの歴史について紹介しよう。

ギネス世界記録を作った黒ビール

テレビやネットで度々話題になるギネス世界記録。この「ギネス」はもともと、1759年、ダブリンの下町リバティ地区の醸造所で生まれた「スタウト」という種類の黒ビールのことを指す。国が貧しかった時代から、滋養ある健康ドリンクとしても親しまれてきた。

醸造所の創業者アーサー・ギネスは、イギリス支配のもと不利な税率を強いられていた醸造業者の権利を法的に奪回し、国内のビール産業を発展させた人物。アーサー以来、ギネス家とギネス社は代々、聖パトリック大聖堂の修復、市民公園として愛されるセントスティーブンズ・グリーンの公共化など、街の発展に寄与してきた。

ギネスブックはその一環として、1950年代のギネス社社長サー・ヒュー・ビーバーの発案で生まれた。狩りに出かけ、ある鳥を射止め損ねたことから、「世界いち速く飛ぶ鳥は何か」をめぐり仲間と盛り上がり、世界記録を集めた本をつくることになったのがきっかけだったという。

ちなみに、1955年に出版されたギネスブックに掲載された最初の記録は、世界一高い山エベレスト。ギネスブックは現在「ギネスワールドレコーズ」の名に改められ、世界100か国以上 20言語で売られている。

本書にはこうしたトリビアのほか、「エメラルドの島」と呼ばれるアイルランドの美しい自然や、活気にあふれた首都ダブリン、全長2,500kmにもおよぶ世界最長の海岸道路ワイルド・アトランティック・ウェイなど、魅力をたっぷり紹介している。おすすめのスポット、ショップ、レストラン&カフェ、ホテルなど、旅に役立つ情報も満載だ。

■目次

はじめに
アイルランドの歴史、基本情報、MAP

●古くて新しいエネルギッシュな街 ダブリン
レストラン&カフェ/ホテル/ダブリン郊外~ホウス、アヴォカ、タラの丘

●素朴でワイルドな西海岸エリア ワイルド・アトランティック・ウェイ
スライゴ・タウン/イェイツ・カントリー/マラグモア岬/ストランドヒル/アーダラ/スリーヴ・リーグ
グレンベイ国立公園/ゴールウェイ・タウン/アラン諸島/モハーの断崖とバレン/ウェストポート
ダウンパトリック岬/ディングル・タウン/ディングル半島/スケリッグ・マイケル/ベラ半島
コーク・シティ/キンセール

●神秘の物語の世界が広がる 北アイルランド
ベルファースト/コーズウェイ・コースト/モーン山脈

●さまざまなコラム
アイルランド花図鑑/アイルランドの妖精のお話/アイルランドの5大遺跡図鑑
「ケルトの島」と呼ばれる所以/ダブリン文学街歩き/ジョージアン・ドアの街を散策
ダブリン市民の元気の源 ギネス/パブは社交と会話の場/おすすめのクラフトビール&サイダー
アイルランドの素敵なデザイン/緑の島のユニークな聖人たち
アイルランドのおいしい食材と伝統料理/アイルランドの音楽シーンが熱い
不思議な線上に並ぶ4つの巨石古墳/アランニットに込めた想い/アイルランドで出会う動物たち
アイルランドには双子が多い? ほか

■山下直子さんプロフィール
やました・なおこ/長野県上田市出身。早稲田大学第一文学部卒業。(株)ユーラシア旅行社添乗員として世界60数か国をまわり、2000年よりアイルランド在住。アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドとしてグループツアーから個人旅行まで全土を案内するほか、TV・雑誌のコーディネート業も行う。趣味はサーフィン、バラ栽培、子どもの頃からのライフワーク「赤毛のアン」研究。

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