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「段ボールはそのまま出すと再利用できません!」資源回収員の兄を持つ主婦が驚愕した「目ウロコの“ゴミの捨て方”」

  • 2023.8.30

女性たちが実際にやっている、身近なエコ活動をご紹介。105回目は、ecocoメンバーの平野朱里さん。今回はおうちで出るゴミの正しい捨て方についてご紹介します。

おうちでの正しいゴミの捨て方

【最近やってるecoなこと】vol. 105

おうちで出るゴミ。どうやって捨てようか迷ったことはありませんか。朱里さんのお兄さんは資源回収のお仕事をされているので、ゴミの分別もただ「ゴミを捨てる」ということではなく、「大切な人に渡す」という意識でされているとのこと。朱里さんがやっている、おうちでのゴミの出し方などを教えていただきました。

プラスチックトレー

朱里さん 汚れがついているものは拭いたり洗ってから、⾷品トレーはスーパーの回収ボックスに1~2週間に1回まとめて持ち込んでいます。プラスチック製の包装などは、地域の「容器包装プラスチック」の回収⽇に出します。

回収は週に1回ありますが、ごみ袋がもったいないため45Lのごみ袋が満タンになってからまとめて出してるので、⽉に2〜3回出しています。洗ってからごみ箱に⼊れているので、⻑期間置いていても臭いはまったくありません。

ペットボトル

朱里さん ラベルはプラに分別し、容器とキャップを洗って乾かし、スーパー「ライフ」のペットボトル粉砕機に持ち込んでいます。

機械に⼊れると瞬時に粉砕してくれるので、回収スペースも最⼩限になりすごく効率的な機械だなと思います。なによりクシャクシャっと潰れる⾳が気持ちよくてハマっています。

私は10年以上マイボトルの習慣があるうえ我が家は炭酸メーカーもあるので、ペットボトル飲料をあまり購⼊しないのですが、夫は仕事の⽇にペットボトルを購⼊するので、そのゴミを毎週末まとめて持って⾏きます。
夫は日頃から分別はしていますが、いずれはマイボトルも持ってほしいと思っています。

スーパー「ライフ」は20年以上前からリサイクルに取り組んでいて、他のスーパーよりも⽔平リサイクル(※1)が進展しているので、引っ越す際は「ライフ」がある街を選びがちです。

「ライフ」はBIORAL(ビオラル)(※2)というナチュラル&オーガニックフードのブランドも展開していて、実際に回収された容器が⼀部の⾷品の容器に⽣まれ変わって販売されています。なので「ライフ」がある街は循環してる気がして、住んでいて気分が良いです。

⾷⽤油の⼊った空きボトル・使⽤済み食用油

朱里さん 私が住んでいる地域では、使⽤済みの⾷⽤油を冷ましてペットボトルに⼊れて指定の場所に持ち込むと、資源ごみとして再利⽤されます。

⾷⽤油を購⼊したら、空きボトルの処分に困りますよね。このような油がついたものは、リサイクルできません。私は洗わずそのまま保管しておき、その容器に使⽤済みの油を⼊れて満タンになったら、⽉に1回の⾷⽤油回収⽇に持ち込んでいます。

私の住んでいる地域は⾷⽤油のなかでも植物由来の油しか回収できないため、私はオリーブ油やごま油、なたね油、こめ油しか購⼊しないようになりました。

⾷⽤油は⽯けんなどに⽣まれ変わる貴重な資源なので、燃えるごみとして捨てず、ぜひお住まいの地域でも回収できるか調べてみてくださいね。植物油は環境にもカラダにもいいと思います。

段ボール

朱里さん 家具家電を購⼊した際によく困るシチュエーションなのですが、段ボールに⾦属製の留め⾦が付いていることがあります。⼯具を使って外さなければならないので、⼥性ひとりでは⼤変な作業です。

実際に私はがんばって外そうとしてケガしてしまいました。これは私の使っている回収所に⾦属を取り外す専⽤機械があるので、無理に外さなくても⼤丈夫でした。

段ボールに付いているシールについては、すべて剥がしてから! 理由は「宛名シールで住所を知られたくない」だけでなく「段ボールだけの状態でないと紙に⽣まれ変われない」から、ガムテープもワレモノ識別シールなどもすべて剥がします。

段ボールは住宅から回収されたあと、回収員の⽅により仕分けられ、紙の古紙問屋に収集され、そこから製紙⼯場にて溶かして再利⽤されます。ペットボトルは洗って乾かしてから出すということは⼀般的になってきていると思いますが、段ボールも同じくラベルは剥がしてまっさらな状態でないと、再利⽤されにくいんです。

無理せず、できる範囲で分別を心がけましょう

朱里さん 先述した、夫に分別を協⼒してもらうお話に戻りますが、どのおうちでも「家族が協⼒してくれなくて⾃分だけ頑張っている」状況はあるあるかと思います。

⼈が出したゴミまで分別するのはとてもしんどいですし、最近サスティナブルな⽣活を意識しはじめた⽅は「⾃分だけが頑張っている無⼒感」を誰もが感じると思います。

究極な話、夫に対しても「分別しないならゴミ出すな! モノ買うな!」と⾔いたいところですが(⾔ったこともあります…笑)、我が家の場合は私の兄が資源回収の仕事をしていることを伝えてから協⼒してくれるようになりました。今では⼤切な⼈に資源を引き渡す気持ちでいてくれていると思います。

また、洗ったプラスチック容器をどこに置くか決めるまで苦労しました。シンクの傍に⽴てかけていたら、汚れたお⽫の上に落ちてしまったりしてストレスだったので、今は引っ掛けるためにニトリのポリ袋スタンドを購⼊しました。

我が家の⼀次置き場はこのスタンドで、乾いてから回収に出すまでの⼆次置き場は冷蔵庫の上のカゴです。これで夫も動線を意識して分別するようになりました! ぜひご家族で話し合ってみてくださいね。

私の兄は、資源回収の仕事をしています。ごみは出して終わりではなく、その先で必ず誰かが回収してくれています。⾃分が⼿放してスッキリしたその先を考えて、⼤切な⼈に資源を引き渡す気持ちで⽣活していただけると嬉しいです!

※ごみの捨て⽅のルールは⾃治体によって異なります。お住まいの地域のルールをご確認ください。

<教えてくれた人>

平野朱⾥さん
化粧品メーカー勤務。2015年よりナチュラルコスメ業界に⼊り、先輩に勧められスタートした"布ナプキン"から、エシカルライフがもたらす好循環に興味を持つ。現在は保護⽝と夫の3⼈暮らし。

<筆者情報>

ecoco代表 平野絢子
エコをテーマとし全国の女性を集めた団体「ecoco」を立ち上げ、身近にできるエコ活動、エコを通した地域活性とウーマンエンパワーメントを推進している。
また岡山県の観光特使として東京を拠点に行き来するデュアルライフを行いながら、せとうちの農園や市場、工場などに自ら足を運び、創り手の‟想い”を伝えるため、商品開発、営業、PRなどを企業と一緒に行っている。

※1 使⽤済製品を原料として⽤いて同⼀種の製品を製造するリサイクルのこと。 使⽤済ペットボトルを原料として再びペットボトルを製造するなど。

(C)Csondy/Getty Images

文・平野絢子 イラスト・宮本志保

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