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まるで絵画のような絶景も!世界最古の砂漠が覆う「ナミビア」ってどんな国?

  • 2023.8.28
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大西洋の海岸に沿って南北に1,300kmも続くナミブ砂漠がある「ナミビア」は、乾燥していて、光が少ないため、美しい星空が見えます。「星空保護区」に指定されているところも。また、世界で一番美しい民族といわれる「ヒンバ族」が暮らしていることでも有名です。今回は、そんなナミビアに注目。基本情報のほか、観光スポットや世界遺産、人気のスポーツをご紹介します。

 

 

ナミビアの基本情報

正式名称は「ナミビア共和国」で、旧称は「南西アフリカ」です。北はアンゴラ、東はボツワナ、南は南アフリカ、北東部でザンビアと接し、西は大西洋に面しています。1920年から南アフリカ連邦の国際連盟委任統治領でしたが、1990年、正式に南アフリカ共和国から独立しました。面積は82.4万平方キロメートルで日本の約2.2倍の大きさです。

海岸砂漠、中央高原、内陸砂漠の3部分からなり、北部国境にクネネ川、南部国境にオレンジ川が流れています。気候は乾燥気候で、昼夜の温度差が大きいのが特徴です。

ヒンバ族の女性

人口は257万人(2022年)で、オバンボ族、カバンゴ族、ダマラ族、ヘレロ族、白人などが暮らしています。公用語は、英語ですが、アフリカーンス語、ドイツ語、部族語も使われています。宗教はキリスト教や伝統宗教です。

ナミビアの国旗の太陽は「生命力」を、12の光芒は「主な12種族の協調と統一」を象徴。また、青は「空と大西洋」を、緑は「森林や農業」を、赤は「独立闘争で流された血と犠牲」を、白は「平和と協調性」を表しています。独立時に、国旗のデザインが公募され、835の案の中から採用されました。

国名は国土を占めるナミブ砂漠に由来。ナミブは先住民の言葉で「なにもない」という意味です。

ナミビアに行くには?

日本からナミビアへは直行便が就航していません。行き帰り最低1カ所で乗り換える必要があります。日本から首都ウィントフックへ行く場合、ドイツのフランクフルトやアラブ首長国連邦のドバイなどで乗り継ぎが可能です。

ナミビアに入国するためには、ビザの取得は不要(90日以内の滞在の場合)です。2023年8月現在、パスポート残存有効期限は、入国時に6カ月以上、余白が3ページ以上必要になります。

 

アフリカとヨーロッパの文化が融合した首都「ウィントフック」

ナミビアのほぼ中央に位置する「ウィントフック」は、標高約1,650mの高地に位置します。アフリカ文化と、ドイツなどのヨーロッパの文化が融合した街並みが魅力です。

街のシンボルとなっているのは「クリストゥス教会」。20世紀はじめにゴシックリバイバルとアールヌーヴォーを組み合わせた様式で建造されました。高さ24mの鐘楼が特徴で、その美しい佇まいは青空に映えます。

©️Kristof Kovacs / Shutterstock.com

この教会の隣にあるモダンな建物は「 ナミビア国立博物館」です。ナミビア最古の博物館で、人々の暮らしや文化を伝える展示が行われています。

ウィントフック東部にある「ナミビア国立植物園」も見逃せないスポット。広大な園内には遊歩道が多数あり、その大部分は手入れされておらず、地元の学生の研究・学習エリアになっています。とはいえ、ナミビアの多肉植物が豊富にあり、その多くは希少で絶滅の危機に瀕しているもので見応えがあります。

©️Grobler du Preez / Shutterstock.com

お土産探しなら街の中心部に位置する「ナミビア・クラフトセンター」がベスト。手作りの工芸品や骨董品などを扱うショップがあり、ジュエリーから木の根の彫刻に至るまで多彩なお土産を購入することができます。

また、ナミビア料理に挑戦するのも楽しそうです。ナミビアには穀物の粉をお湯で練って作った「オシフィマ(パップ)」と呼ばれる主食のほか、ソーセージアンドチップス、フレイスアンドチップス(ステーキとフライドポテト)などがあります。勇気を出して、大きな「マオンゴ(イモムシ)」を味わってみるのもいいかもしれませんね。見た目とは異なり、意外と食べやすいとか。

ウィントフック

ナミブ砂漠に侵食された悲しくも美しい廃墟「コールマンスコップのゴーストタウン」

「コールマンスコップ」は、1908年にダイヤモンドが発見されて以来、続々とドイツ系の坑夫たちがやってきて、ゴールドラッシュのような賑わいを見せました。しかし、10年ほどして採掘量が減少したことに加え、ダイアモンドの価値も低下。徐々に人々がこの町を離れ始めて、1954年には無人に。

かつて人々が住んでいた家は砂に埋もれ、不思議な雰囲気が漂っています。この特異な風景が人気になり、多くの観光客が訪れています。

この町はいつか完全に砂に埋もれてしまうかもしれません。今のうちに見ておきたいですね。コールマンスコップは最寄りの街「リューデリッツ」から車で15分の場所にあります。リューデリッツ発の日帰りツアーに参加して、ゆっくり砂に埋もれゆく町を見学するのがおすすめです。

また、ヨーロッパ人として初めて喜望峰に到達したポルトガル人、バルトロメウ・ディアスが上陸した「ディアス・ポイント」もぜひ行きたい場所。リューデリッツから車で約25分です。彼が降り立った大きな岩礁の上には、上陸記念のレプリカの十字架(本物はベルリンの歴史博物館に保存されている)が建てられています。近くに1915年に設立された赤と白の縞模様の灯台もありますよ。

ウィントフックからリューデリッツへは飛行機で約1時間です。

コールマンスコップ

まさに絶景! 世界最古の砂漠のひとつ「ナミブ砂海」

ナミビアの2つの世界遺産のうちのひとつが、2013年に世界自然遺産に登録された「ナミブ砂海」です。ナミビアの大西洋岸に広がり、霧に覆われた広大な砂漠や砂丘が見られる世界で唯一の海岸砂漠で、今も川の流れや海流、風を介してアフリカ大陸内部から砂が運ばれ続けています。世界でも例を見ない巨大なデューン(砂丘)の連なりや平原、底の平らな窪地といったさまざまな地形が見られ、美しいのも特徴。

また、砂は鉄分を多量に含み、アプリコット色(赤紫色)をしているため、日の出や夕日にデューンが染まり、時間とともに変化していく様は圧巻です。

ウェルウィッチア

さらに、砂漠環境に適応した特殊な固有の動植物が生息・生育。砂と風と霧によって変化が激しい極限状態の環境下での生物進化は無類なものだといえます。固有植物のウェルウィッチアは、水脈のある地下深くまで根を下ろし、1000年以上生き続けているそうです。

ナミブ砂海

2000点以上にもおよぶ岩線刻画群「トゥウェイフルフォンテーン」

ナミビア北西部に位置する「トゥウェイフルフォンテーン」は、2000年以上前の岩刻画がアフリカ全土で最も見られる場所のひとつです。2007年に世界文化遺産に登録されました。現在までに、2075もの岩刻画が発見されています。

モチーフは動物や人間、動物の足跡などで、なかには5本指のライオンといった珍しいものも! また、6つの洞窟からは、儀式で踊る人間を黄土で描いた岩絵も発見されています。いずれも保存状態が良好です。

一帯からは新石器時代の石の工芸品、ダチョウの卵で作ったビーズ、片岩のペンダントなども発見されており、これらは遊牧民が急増する紀元前10世紀以前に、この地を支配していた狩猟採集民の生活や信仰を知ることができる貴重なものになっています。

トゥウェイフルフォンテーン

ナミビアで人気のスポーツは?

©︎Grobler du Preez / Shutterstock.com

ナミビアで人気なスポーツは、ラグビー、サッカー、クリケットです。特にラグビーはワールドカップに7大会連続出場しており、国内リーグも大変活発。2023年8月21日の直近ワールドラグビーランキングは21位、アフリカ大陸では南アフリカに次いで2位の実力です。

2023年9月8日(金)から10月28日(土)までフランスで開催される「ラグビーワールドカップ2023」では、「ナミビア×イタリア」9月9日(土)、「ナミビア×ニュージーランド」9月16日(土)、「ナミビア×フランス」9月22日(金)、「ナミビア×ウルグアイ」9月28日(木)の試合が予定されています。ぜひチェックしてみてくださいね。

[All photos by Shutterstock.com]

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