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大人が意外と分からない「行き40km/h、帰り60km/hの平均の速さは?」《小学生でもわかる問題》

  • 2023.10.5
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「速さ」や「平均」という単元は、小学校の算数で習い、日常生活でもとてもよく使う考え方です。

それぞれの考え方を知っていても、そのふたつを組み合わせると難しくなるということはよくあります。

今回は「平均の速さ」に関する問題です。

問題

A地とB地を自動車で往復しました。行きは時速40km、帰りは時速60kmでした。往復の平均の速さを求めなさい。

多くの人がしてしまう間違いは、「(40+60)÷2=50」なので、時速50kmというもの。

これは間違いです。

平均だから「足して2で割る」という計算ではないのか、と思われますが、実は「速さの平均」はそうならないのです。

きちんと「速さ」というものが、なんだったかを考えましょう。

 

さて、答えは「時速48km」です。

解説

「速さ」というのは、単位時間あたりに進んだ距離のことです。時速の場合は「1時間あたりにどれだけの距離を進んだか」を表したものになります。

時速40kmということは、1時間に40km進んだということですね。

算数の問題では「時速40kmで進みました」と書かれますが、これは何も常に一定の速度で進んでいたわけではありません。

道中に信号で止まることもあれば、高速道路で走っている区間があるかもしれません。速度は常に変化しているのですが、「何時間のあいだに何km進んだか」というトータルの時間と距離から速さを計算しています。

今回の「往復の平均の速さ」も同様に、往復するのに何時間かかったのか、そして何km進んだのかを考える必要があります。

今回は特に距離が指定されていませんが、120kmの道のりを進んだと仮定してみましょう。

(この120kmという数字は、計算しやすい数字を選んでいます。その他の数字を適当に設定しても同じ結果を導くことができます。)

つまり、行きは120kmの道のりを時速40km、帰りは120kmの道のりを時速60kmで進んだということです。

まず往復の距離については、簡単に求まります。往復なので120km×2=240kmの道のりですね。

次に時間を考えましょう。

行きにかかった時間は、120km÷時速40km=3時間、
帰りにかかった時間は、120km÷時速60km=2時間。

よって、往復にかかった時間は5時間ということになります。

したがって、往復では240kmの道のりを5時間かけて進んだということです。

その速さは、240km÷5時間=時速48kmです。

まとめ

平均と言われると、足して2で割るという計算をしたくなりますが、実は「平均の速さ」ではそのようになりません。

「速さ」とはどのような考え方だったのか、基本をしっかりと押さえていないと間違えてしまう問題でした。


文・監修:SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。

編集:TRILLニュース