計算の工夫をうまく使うと、一瞬でできてしまう。
しかし、その計算の工夫もいろいろなパターンがあって、どのやり方を用いればいいのかを迷ってしまう方もいそうですね。
今回紹介する、「計算の裏技」は、複雑なパターン分けが必要なく、また日常生活でも比較的よく使う計算になります。
問題
次の計算をしなさい。(制限時間5秒)
1342÷5
シンプルなわり算の計算です。
もちろん筆算の計算をしてもいいのですが、少し桁が多く、割り切れないので、計算が大変そうな気がします。
実は「÷5」の計算はコツさえ知っていれば、暗算で、そして一瞬で答えを出すことができます。
まずは、自分自身で答えを求めてみましょう。
さて、落ち着いて計算すれば、答えは出るはずです。
答えは「268.4」です。
解説
今回の計算の工夫のポイントは、「計算の順番を入れ替えてもよい」ということです。
例えば、次のような計算のとき、
3.14×2×5
前から順に計算すると、少し大変です。
後ろの2×5=10を先にすると、とても簡単になりますね。
3.14×2×5
=3.14×10
=31.4
ただし、わり算では、計算の順番を入れ替える際、注意が必要です。
90÷2×5
先ほどと同じように「2×5を先に計算すると簡単になるのでは?」と思われた方は、間違いです。
▼間違えた計算(後ろから計算)
90÷2×5
=90÷10
=9
▼正しい計算(前から順に計算)
90÷2×5
=45×5
=225
では、わり算では順番を入れ替えることができないのか、と言うと、そういうわけではありません。
演算記号(+-÷×)も一緒に入れ替えると、良いのです。
(分かりやすくするために「/」をいれています)
90/÷2/×5
=90/×5/÷2
=450/÷2
=225
このように、計算の順番を入れ替える際は、少し注意が必要になります。
さて、では今回の問題を見てみましょう。
1342÷5
これはわり算の計算がひとつしかないので、入れ替える部分がありません。
そこで、「÷5」の計算を次のように考えてみましょう。
1342/÷5
=1342/×2/÷10
実は、「5で割る」というのは「2倍して10で割る」というのと同じなのです。
2倍の計算、そして10で割るという計算の方が、暗算でできそうですよね。
ということで、次のように計算をすることができます。
1342÷5
=1342×2÷10
=2684
=268.4
まとめ
「5で割る」を「2倍して10で割る」と計算し直すのは、日常でも使える計算の工夫のひとつです。
同様に、「5をかける」を「半分にして(2で割って)10倍する」ということもできます。
計算の順を入れ替えるのは、注意が必要ですが、ぜひ活用してみてください!
文・監修:SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。
編集:TRILLニュース