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大人が意外と間違える算数「2⁰はいくつ?」覚えていたらスゴい

  • 2023.9.24

同じものを何回もかけ算をする際は「指数」を使って数を表現します。

例えば2×2×2=2³ですね。この右上に小さく書く数字のことを「指数」、そして、指数を用いて表した数のことを「累乗」と言います。

これは中学校の数学で習う単元なので、知っている方も多いでしょう。

今回は累乗に関する、よく間違える問題です。

問題

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2⁰(2の0乗)はいくつ?

2の2乗は、2を2回かけ算(2×2)、
2の3乗は、2を3回かけ算(2×2×2)、
2の4乗は、2を4回かけ算(2×2×2×2)。

ということは、2の0乗は、2を0回かけ算です。

「0回かけ算って結局何もないから0だ!」と考えた方もいるでしょうか。

実は2の0乗は0ではありません!

 

答えは、1です。

解説

2⁰=1(0回のかけ算なのに1になる)ということに納得できるでしょうか。

なぜこのような計算になるのかと言うと、理由は「そういう定義だから」です。定義というのは決め事です。2⁰=1と決めたのです。

そう決めたと言われても納得できない方もいるでしょう。

数学の「定義」には、なぜそのような決め方をしたのか、論理的な理由がある場合があります。

(少し話はそれますが)
「3つの角がある図形を三角形という名前にします」というのも定義のひとつです。この定義に異論はないはずです。
しかし、「2⁰=1」というのは反論が出てきそうですが、「こう決めた方が都合がいいから」という理由で定義がされています。

なぜ、「2⁰=1」になったのか、というのを知るために、累乗の計算を確認してみましょう。

先ほども計算しましたが2⁴=2×2×2×2です。これを計算すると2⁴=16ですね。同じように計算すると以下の通りです。

2⁴=16
2³= 8
2²= 4
2¹= 2

何か法則がないでしょうか。

指数部分が4→3→2→1と1ずつ小さくなるにつれて、右辺は16→8→4→2と半分になっています。

なので、指数を1→0とさらに小さくすると、2の半分の1となる。つまり2⁰=1というわけです。

また、2⁰=1と決めたことによって、以下の指数法則も成り立ちます。もし2⁰=0としていたら、0乗の場合はこのような計算ができなくなってしまいます。

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「2を0回かけ算」というのは、おかしな感じがしますが、他の計算法則と同じように計算がするためには、2⁰=1としなければいけなかったわけです。

まとめ

今回は2⁰(2の0乗)を扱いましたが、どんな数でも0乗をすれば1になります。3⁰も4⁰も、100⁰も1です。

これらもすべて、定義によって決められたのですが、そのように決められたのには理由があったのです。

このように「なぜ」を考えるのが、数学の面白いところです。


文・監修:SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。

編集:TRILLニュース