くじ引きが好きという方も多いのではないでしょうか。当たるかはずれるかのドキドキした気持ちが楽しいですよね。
この数年で「当たりガチャ」というのも増えてきて、レアやスーパーレアなんていうお目当てのものが出るまで繰り返してしまう人もいるでしょう。
ガチャも確率によって、当たりが決まっています。今回はそんなガチャに関するクイズです。
問題
確率10%の当たりガチャ。10回引いたら必ず当たる。正しい?正しくない?
実際のガチャは、レア度に応じて確率も変わりますが、今回は当たりはひとつ、10%の確率で当たります。
確率10%というのは、10回に1回は当たる割合です。
ということは、10回引けば必ず当たるということでしょうか。
実は、答えは正しくないです。
10回引いたからと言って、必ず当たりが出るわけではありません。
解説
確率10%が、10回に1回は当たる割合、というのは正しいです。ではなぜ、10回引いても当たりが出ない場合があるのでしょうか。
実際にくじ引きをイメージすると分かりやすいでしょう。
10本のくじのうち、1本だけ当たりです。このくじ引きをやってみましょう。これで当たりの確率は10%ですよね。
1回目にくじを引くとき、もちろん10本から引くわけなので、まさに確率10%。当たることもあればはずれることもあります。
ここでハズレを引いたとしましょう。ポイントは、このハズレくじをどうするかです。
一般的にガチャと呼ばれる確率機では、誰かがハズレを引いたら、そのハズレくじをくじ引きの中に戻すという作業をしています。
(実物を動かしているわけではなく、そのようなプログラムになっているということです)
つまり、2回目にくじを引くときは、またハズレ9本、当たり1本の計10本から引くことになります。
3回目、4回目、5回目と、ハズレを引き続けても、くじを引くときは常に計10本から引くのです。
このように考えると、10回連続ではずれを引くこともありそうだと思えてきますよね。
では、次にこのような問題を考えてみましょう。
確率10%の当たりガチャ。10回引いたときに、少なくとも1回は当たりを引く確率は?
これを求めるには「10回すべてハズレを引く確率」を求めましょう。
1回くじを引いてハズレの確率は90%です。それを10回繰り返すので、
0.9×0.9×0.9×0.9×0.9×0.9×0.9×0.9×0.9×0.9
(0.9の10乗)
これは、およそ0.35になります。つまり確率は約35%。
10回すべてハズレを引く確率が約35%なので、少なくとも1回は当たりを引く確率は100ー35=約65%ということになります。
まとめ
確率10%の当たりガチャを10回引いても、当たりを引けるのは約65%です。
意外と低い確率になりましたね。10回に1回は当たると思っていると損をしてしまうかもしれません!?
きちんと数式で確認すると、意外と我々の確率感覚というのは正しくないということが分かります。
数学をしっかりと理解して、正しい知識を身につけましょう。
文・監修:SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。
編集:TRILLニュース