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100万円を年利5%運用すると10年後にはいくら? 知っておくと役立つ高校数学

  • 2023.9.20

かのアインシュタインは「複利は人類最大の発明である」と言いました。

「複利法」というのは、利息の計算方法のひとつです。銀行の利息はもちろん、投資や株、そして借金の利子なども複利法によって計算されます。

大人になると誰もが考えないといけないお金の話。今回は複利法について学びましょう。

問題

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100万円を元手にして、年利回り5%で資産運用しました。10年後にはいくらになっているでしょう?
(正確な計算は大変なので、およそどれくらいになっているかを概算しましょう)

「年利回り5%」というのは、1年で5%の利息が増えていくということです。

100万円の5%は5万円です。それが10年ということは150万円!?

 

実は答えは150万円ではありません。

答えはおよそ162万円です。(正確には1,628,895円になります)

解説

1年の利息が5%、だから5万円×10年=50万円増える、という考え方は「単利法」と言います。

単利法では、元金となる100万円にだけ利息がつくという考え方です。

しかし、単利法で利息が計算されると言う場面は少ないです。(もちろん、そのような金融商品がないわけではありません)

一般的には「複利法」で利息計算をします。

複利法というのは、「利息にもさらに利息がつく」と言うことです。

具体的に計算をしてみましょう。

元金は100万円です。
1年後は5%の利息(5万円)がついて105万円になります。(ここまでは単利法と同じ)

さらに1年後は、この105万円の5%が利息として入ってきます。つまり5万2500円が利息になります。1年目の利息より少し多くなりましたね。
これで、合計110万2500円です。

この1年後は、110万2500円の5%が利息です。これは5万5125円です。
合計115万6725円です。

単利法は毎年5万円の利息と考えていたのに対して、複利法は5万円よりも少し多い利息となっていますね。

10年後の合計金額は以下のように計算されます。

100万円×(1.05)^10

単利法と複利法で資産運用した場合、10年で約12万円の差が出てきました。

この複利法、さらに長期で運用すると、その威力を発揮します。20年後には約65万円、30年後には180万円の差が出てきます。
(元金、年利などによって変わってきます。今回は元金100万円、年利5%で計算しています)

かなり大きく変わってきますね。

これは、複利法が「指数の計算」をしているからです。今回の計算で言うと(1.05)^10という計算です。

「指数的に増える」という表現があるように、指数の計算ではある点で爆発的に増加していくことになります。

まとめ

このような利息計算は、アプリなどで簡単に計算ができてしまうかもしれません。

しかし、大事なお金の計算なので、どのような仕組みで計算されているのかを、しっかり知っている方がいいですよね。


文・監修:SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。

編集:TRILLニュース