割引の計算は日常生活でもよく使います。その一方で「なんとなく割引の計算は苦手」という方も多いのではないでしょうか。
買い物で損をしないためにも、割合の計算はしっかりと復習しておきましょう。
今回の問題は、よく間違える問題のひとつです。
問題
定価10,000円の商品が3割引きで売られています。ある日、特別セールが行われ、その価格からさらに2割引きの値段が付けられました。この商品の値段はいくらでしょうか。
「3割引きをさらに2割引きしているんだから、合計5割引き(半額)だ!」と考えた方もいるでしょうか。
実はこれは5割引き(半額)にはなりません。半額よりも少し高い値段になってしまいますよ。
さて、答えは「5600円」です。
半額だと思ってレジに行ったら、実は違かったということのないように、解説もしっかり読んでみてください!
解説
まずは、そもそも割引の計算をどのようにするのかを確認してみましょう。
よく間違えるのが以下の2つの違いです。
▼10,000円の3割
▼10,000円の3割引き
3割を小数で表すと0.3です。
なので、「10,000円の3割」は、10,000×0.3=3,000円という計算を行います。
一方、「3割引き」というのは、基準となる1から、3割の0.3を引いた分ということになります。つまり1ー0.3=0.7です。
「10,000円の3割引き」を計算すると、10,000×0.7=7,000円ということになります。
ということで、今回の問題の「定価10,000円の商品が3割引きで売られてた」というのは、7,000円ということが分かりました。
次に、この金額からさらに2割引きです。
ここで「2割引き」の計算を適応するのは、「7,000円に対して2割引き」ということに注意が必要です。
先ほどと同じように考えると、2割引きは1ー0.2=0.8なので、「7,000円の2割引き」は7,000×0.8=5,600円となります。
したがって、最終的な金額は5,600円です。半額である5,000円よりも少し高い金額になりましたね。
1ー0.7×0.8=1ー0.56=0.44なので、44%OFFになっています。
まとめ
このように、割引されたものをさらに割引する場合、「◯割」というのをそのまま足し算した計算にはなりません。
思っていた値段と違う!ということにならないよう、割合の計算は習得しておきたいですね!
文・監修:SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。
編集:TRILLニュース