確率の問題としてよく出題されるのが「じゃんけん」。公平なゲームとして、日常でも行うことが多いでしょう。
じゃんけんが強い人、弱い人というのもいますが、みなさんは連続で何回くらい勝ったことがあるでしょうか。
今回は、じゃんけんに関する確率の問題です。
問題
2人でじゃんけんして5回連続で勝つ確率は?
ここで言う「5回連続勝つ」というのは、途中であいこを1度も挟まずにということになります。
これはとても確率が低くなりそうですね。
さて、計算はできたでしょうか。
答えは「1/243」。約0.4%となります。
解説
そもそも、じゃんけんは公平なゲームなのか、というところから考えてみましょう。
まずは1回のじゃんけんでの勝ち・負け・あいこの確率を求めます。
Aさん、Bさんの2人でじゃんけんしたとき、その手の出し方の組み合わせは全部で何通りでしょうか。
Aさんは、グー・チョキ・パーの3通り。Bさんも同じく、グー・チョキ・パーの3通りの出し方ができるので、3×3=9通りですね。
3+3=6通りではありません。以下のようにすべての場合を書き出してみると分かりやすいです。
(A、B)として出した手を表します。
(例)(グ、パ)は、Aさんがグー、Bさんがパーを出した
2人でじゃんけんしたとき、手の出し方の組み合わせ
(グ、グ)(グ、チ)(グ、パ)
(チ、グ)(チ、チ)(チ、パ)
(パ、グ)(パ、チ)(パ、パ)
このうち、Aさんが勝つのは(グ、チ)(チ、パ)(パ、グ)の3通り。つまり、Aさんが勝つ確率は3/9=1/3。
Bさんが勝つのは(グ、パ)(チ、グ)(パ、チ)の3通り。つまり、Bさんが勝つ確率も3/9=1/3。
そして、あいこになるのは(グ、グ)(チ、チ)(パ、パ)の3通り。よって、あいこの確率も3/9=1/3。
Aさんが勝つのも、Bさんが勝つのも、あいこになるのもすべて同じ確率1/3です。
このように確認すると、じゃんけんというゲームが公平なゲームということが分かりますね。
では、1回のじゃんけんで勝つのは1/3の確率ですが、5回連続となるとどうでしょうか。これは、次のような計算で求めることができます。
(1/3)×(1/3)×(1/3)×(1/3)×(1/3)=1/243
同じことを繰り返す確率は、それを掛け合わせると求めることができます。
1/243というのは、かなり低い確率ですね。
まとめ
「1回あたりの確率」が分かれば「◯回連続の確率」は、今回と同じように掛け合わせることで求めることができます。
かけ算をするので、もちろんその確率はどんどん低くなっていきますね。
みなさんは、何回連続でじゃんけんに勝ったことがありますか!?
文・監修:SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。
編集:TRILLニュース