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天然クーラーでECOに癒やされたい!猛暑の夏におすすめ、全国の涼感スポット旅

  • 2023.8.25

記録的な猛暑日が続く沸騰・ニッポン。うだる暑さについ、エアコンの効いた部屋にこもりがちですよね。

夏らしく海やプールもいいけれど日焼けも泳ぐのもちょっと苦手……といった方におすすめなのが「涼感スポット」。要するに、自然の恵みがもたらす天然クーラーの効いたスポットです。

天然クーラースポットは、涼しいだけでなく電気代も節約できてエコで省エネ、運動不足解消にもなりますし、マイナスイオンで気分もリフレッシュ!

ということで、今回は全国の涼感スポットを7種類に分け、おすすめのスポットをご紹介します。

①湧き水スポット

まずは湧き水スポット。山に降った雨や雪解け水が地層というフィルターを通して濾過され、地中深くから地表に湧き出た地下水が「湧き水」です。

外気の影響を受けない、 地中深くで冷やされた地下水がこんこんと湧く場所は、空気もひんやり、マイナスイオンあふれる癒やしのスポットです。

北海道|京極町ふきだし公園

Photo by Mayumi

「蝦夷富士」の異名を持つ羊蹄山(ようていざん)。その伏流水が湧き出すスポットが「ふきだし公園」です。

一年を通じて水温は約6.5℃に保たれ、毎日約8万トンもの水が噴き出る、羊蹄山の伏流水。ミネラルを豊富に含んだ天然水は「名水百選」「北海道遺産」にも指定され、 超軟水の天然ミネラル水で炊いたごはんや蕎麦、水出しコーヒーなどは格別です。

おすすめは夜が明けて間もない早朝の時間帯。湧水口や池一帯に気嵐が立ち込め、神秘的な光景が見られることも。

栃木県|尚仁沢湧水

Photo by Mayumi

栃木県が誇る「尚仁沢湧水(しょうじんざわゆうすい)」もまた「名水百選」に選ばれた日本有数の湧き水スポット。

塩谷町と矢板市にまたがる高原山(たかはらやま)の中腹(標高590m)に水源があり、一年を通じて11℃を保ち、一日約6万5,000トンもの水が湧き出ています。

麓から水源までは30分ほど軽い登山をする必要がありますが、周囲はイヌブナなどの広葉樹による原生林に囲まれ、気持ちのいい森林浴が楽しめます。水源周辺は苔むす森で清涼感たっぷり、心身ともに癒やされますよ。

②渓流スポット

2つ目は渓流スポットです。心地よい緑と木陰に包まれた渓谷・渓流もまた涼感スポットのひとつ。

冷たい地下水を水源とし、絶えず流れる沢や渓流は、水温が上がりにくいという性質を持っています。マイナスイオンもたっぷりで、こちらも癒やしのスポットです。

青森県|奥入瀬渓流

Photo by 青森県及び公益社団法人青森県観光国際交流機構

青森県と秋田県にまたがる十和田湖。その北東湖畔に位置する「子ノ口(ねのくち)」から「焼山(やけやま)」までの約14kmの流れが奥入瀬渓流です。

「特別名勝および天然記念物」に指定された奥入瀬渓流は日本屈指の景勝地。大小さまざまな滝や岩、清流が織りなす水の瀬や淵、さらに緑の木々に囲まれたトンネルは、まさに天然クールで癒やしの空間です。

渓流に沿って遊歩道が整備され、新鮮な空気とマイナスイオンを全身で浴びながら、森林浴が楽しめます。

鳥取県|木谷沢渓流

Photo by Mayumi

鳥取県の霊峰・大山(だいせん)。その南麓、標高920mのブナの原生林に囲まれた高原地帯が「奥大山(おくだいせん)」です。

その奥大山のブナの森によって育まれた森の天然水は、あの「サントリー天然水」の水源・採水地のひとつに選ばれるほど。 その名水の流れる沢が「木谷沢渓流」です。

渓流内には全長約1㎞の散策路が設けられ、 ひんやりした空気とやわらかな木漏れ日、川のせせらぎに小鳥のさえずり、木々のにおいなど、五感が研ぎ澄まされる体験が楽しめます。

③渓谷スポット

3つ目は渓谷スポット。渓谷スポットも渓流スポットと同様、ひんやり感が楽しめるスポットです。

秋田県|抱返り渓谷

Photo by Mayumi

田沢湖と角館(かくのだて)間を流れる玉川の中流域にかかる全長約10㎞の「抱返り(だきがえり)渓谷」。かつては、山道のあまりの狭さに、すれ違う際、互いを抱きかかえるように返さなければならなかったことからこの名がついたとされています。

急峻な崖を覆う緑の原生林、伝説の奇岩や滝、水の瀬や淵の表情、何よりこの目の覚めるようなターコイズブルーの美しさに心癒やされます。

片道約1.5㎞の遊歩道の折り返し地点にある「回顧の滝」は落差約30m大滝で、 ふりそそぐ天然ミストシャワーでクールダウンが楽しめます。

熊本県|菊池渓谷

Photo by Mayumi

阿蘇外輪山から湧き出す伏流水と広葉樹の原生林が織りなす「菊池渓谷」は、「日本森林浴の森百選」「日本名水百選」「日本の滝百選」「水源の森百選」「くまもと緑の百景」「熊本の自然百選」「新くまもと百景」など、名だたる「百選」を総ナメにする全国屈指の景勝地。

夏の平均水温13℃という冷たい清流と森の木陰で冷やされた渓谷は、1年を通じて平均気温11℃~15℃と言われています。

渓谷内には往復約1㎞の「癒しコース」(所要時間約40分)、往復約2㎞の「満喫コース」(所要時間約1時間20分)が整備され 、マイナスイオンあふれる森林浴が楽しめます。

④鍾乳洞スポット

4つ目は鍾乳洞スポット。太陽の影響を受けず、年間を通じて気温がほぼ一定といわれる鍾乳洞などの地下洞窟もまた、ひんやりクールな涼感スポットのひとつです。

涼しいというよりむしろ肌寒いというほど気温が低い場合もあるため、防寒着の持参がおすすめです。

岩手県|龍泉洞

Photo by ⼀般社団法⼈東北観光推進機構

日本三大鍾乳洞のひとつ、「龍泉洞」。全長約4㎞、目の覚めるような青の地底湖8つをたたえる日本有数の鍾乳洞は、洞内の気温が年中一定の約10℃前後と、涼しいというよりむしろ寒いと言えるほどです。

洞内に棲息するコウモリとともに「岩泉湧窟及びコウモリ」として国の天然記念物に指定されている龍泉洞は、約700mが観光コースとして一般公開され、世界有数の透明度を誇る青き地底湖やコウモリの棲み処など、見どころ満載です。

山口県|秋芳洞

Photo by 山口県観光連盟

東京ドームおよそ1,000個分に相当する、日本最大級の広さを誇るカルスト台地「秋吉台(あきよしだい)」。 その地下100~200mの地底空間に広がっているのが、こちらも日本三大鍾乳洞のひとつに数えられる国指定特別天然記念物の「秋芳洞(しゅうほうどう)」です。

総延長約11.2km(内、観光コースは1㎞)の洞内は年間を通じて17℃前後に保たれ、夏は涼しく、冬は暖かいスポット。

秋芳洞には棚田のような「百枚皿」や巨大鍾乳石の柱「黄金柱」など見どころも満載で、天然クーラーとともに地底探検も味わえます。

⑤氷穴・風穴スポット

5つ目は氷穴・風穴スポットです。火山活動で生まれた溶岩洞窟で見られる「氷穴」や「風穴」。外気の影響を受けず気温がほぼ一定の洞窟では、土や岩盤から染み出した雨水や雪解け水などが凍って氷柱が形成されることがあります。

冷やされた洞窟はまさに冷蔵庫並みの涼感スポットです。

山梨県|鳴沢氷穴

Photo by Mayumi

富士山麓に広がる青木ヶ原樹海の一角の地底に広がる溶岩洞窟のひとつが「鳴沢氷穴」です。

地下21mにおよぶ竪穴型洞窟で、年間を通じて気温3℃と真冬並みの寒さ。そのため、岩盤から染み出た雨水や雪解け水が大小の氷柱を形成し、暗闇の洞窟内に幻想的な氷の造形を生み出しています。

総延長153mの環状型の散策路は所要時間約15分と短めですが、侮っていくと凍えます。防寒着をお忘れなく。

風穴

Photo by Mayumi

氷穴と似た穴の洞窟「風穴(ふうけつ・かざあな)」は、溶岩が固まる過程で横穴式に空洞が生まれ、洞窟化したものです。洞内の温度と地表の温度差、気圧差などによって洞内の冷やされた空気が外に噴き出される仕組みとなっています。

「風穴」といえば、鳴沢氷穴に並ぶ人気の「富岳風穴」が有名ですが、それほどの規模でなくても、 小さいものなら意外とあちこち見かけます。溶岩台地や溶岩由来の山や岩の隙間など、意外な場所から涼しい空気が噴き出していることもあるので、ぜひ探してみてください。

⑥高地・高原スポット

6つ目の涼感スポットとして紹介したいのは高地・高原です。

一般に、標高100m上がるごとに気温が0.6℃下がると言われる山や高地。 避暑地や高原地帯は定番の涼感スポットですよね。

今回は、ロープウェイや車、公共交通機関を使ってかんたんにたどり着ける便利な山をご紹介します。

長野県|千畳敷カール

Photo by 中央アルプス観光株式会社

南信州にまたがる中央アルプスの北嶺部、木曽駒ケ岳(2,956m)や宝剣岳(2,931m) の直下に広がるのが、氷河に削られて生まれた「千畳敷カール」 です。

千畳敷カールまでは駒ヶ岳ロープウェイが運行され、その山頂駅である「千畳敷駅」は日本最高所にあるロープウェイ駅といわれています。千畳敷カールの標高は2,612m、単純計算でいくと地上との気温差は16℃と、肌寒いくらいです。

千畳敷カール自体はアップダウン少なめで、1時間程度のハイキングコースです。夏は高山植物による「天空のお花畑」が広がります。ぜひ天空散歩をお楽しみください。

岐阜県|乗鞍岳畳平

Photo by (一社)飛騨・高山観光コンベンション協会

北アルプスに属し、日本百名山のひとつである「乗鞍岳(のりくらだけ)」。剣ヶ峰(3,026m)を最高峰に23の峰と7つの湖、8つの平原からなる中部エリアを代表する名峰です。

そんな乗鞍岳は、登山口となる「畳平(たたみだいら)」(標高2,702m) へ路線バスでアプローチできる(マイカー規制で一般車両は通行禁止)ため、初心者でも手軽に3,000m級の山を制覇できるとして絶大な人気を誇っています。

畳平の展望レストランでただくつろぐのもいいですが、畳平から剣ヶ峰まで片道1時間半程度ですので、ぜひこの機会に3,000m級の山にチャレンジしてみてはいかがですか?ただし高山病には気をつけて。

⑦地下施設

地下施設もまた、基本的に外気の影響を受けない涼感スポット。見学可能な地下施設をご紹介します。

埼玉県|首都圏外郭放水路

Photo by Mayumi

埼玉県春日部市にある「首都圏外郭放水路」は、洪水を防ぐために地底50mほどの場所に建設された世界最大級の地下放水路。その地下の放水施設がまるで神殿のようだとして、「地下神殿」の名でも親しまれています。

地下神殿の気温は、夏は20℃前後、冬は10℃前後に保たれ、夏場は少し肌寒いほど 。

コロナ禍が落ち着いた現在は見学コースも充実しています。定番の地下神殿のシンボル「調圧水槽」を見学するコースのほか、深さ約70m、幅約30mの巨大な竪穴「立坑(たてこう)」を見学するコース、首都圏外郭放水路の心臓部であるポンプを中心とした見学コースも用意されています。

いずれも要事前予約のため、詳しくは「首都圏外郭放水路・防災地下神殿」のホームページをご確認ください。

栃木県|大谷資料館

Photo by 公益社団法人栃木県観光物産協会

耐火性、防湿性、蓄熱性、消臭効果などにすぐれ、軽くてやわらかく加工しやすいことから、江戸時代以降、外壁や蔵など住宅建材として広く使用された「大谷石(おおやいし)」。その一大産地が栃木県宇都宮市大谷町です。

「大谷資料館」は、日本遺産にも選定された大谷石の文化と歴史を語り継ぐべく建てられました。資料館には、大谷石の特徴から採掘方法、搬出方法の変遷などといった大谷石の歴史がわかる資料展示があるほか、大きな目玉は「地下採掘場跡」です。

その広さ約2万平方m、深さ約30m、最深部は60mにまで達するという巨大地下空間は「地下迷宮」とも呼ばれています。そして地下坑内の年平均気温は8℃とかなり肌寒く、防寒着が必要です(8月は12℃前後)。

この巨大な地下空間を使って、さまざまなイベントが開催されます。ぜひ公式ホームページで最新情報をチェックしてみてください。

猛暑の夏は天然クーラースポットへ繰り出そう!

「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」

そう警鐘を鳴らした国連事務総長の言葉通り、毎年更新する「異常気象」「記録的猛暑」「災害級の暑さ」、日本もまさに「沸騰ニッポン」です。

電気代の上昇に石油価格の高騰……とはいえ、健康維持のためにはエアコンが不可欠。そうした中で、少しでもエコで省エネ、電気代節約に貢献できて、心身ともにリフレッシュできる自然の恵みの天然クーラースポットへ繰り出してみませんか?

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