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男子校「姫ポジ」の賞味期限 「広島本大賞」に輝いたエッセイ漫画

  • 2023.8.25

広島県内の書店員らが地元ゆかりのお薦めの本を選ぶ第13回「広島本大賞」にこのほど、マンガ家・コンテくんの『男子校の生態』(KADOKAWA)が大賞を受賞した。

本書は、男子校に中学・高校の6年間通っていた著者が、実体験をもとにその生態と日常を描いたエッセイ漫画。これまでTwitterで公開していた既存作に、多数のコミックス用描き下ろしストーリーを追加収録したものだ。

「姫ポジ」の賞味期限

著者が通っていた男子校には、俗に「姫ポジ」と言われるような独特のポジションがあった。これは女子校のいわゆる「王子ポジ」と似たような枠で、低身長・童顔・中性的などの条件をもった男子がなりがちだとされる。そして、童顔低身長の吹奏楽部員だった著者もまた、「姫」の一人だった。

姫ポジは名の通り、周囲からお姫様扱いされてかわいがられる。クラスメイトはもちろん、先生まで優しくなるというから驚きだ。定位置はみんなの膝の上で、重たいものは誰かが持ってくれる。そんな扱いに、姫扱いされる側もまんざらではないことが多い。

ところが、この姫ポジには「賞味期限」があるという。思春期の男子は成長が速く、デカくなったり、ゴツくなったり、毛深くなったりと、急速に「姫」要素が失われていくことがあるからだ。このため、学年に数人は現れる姫ポジ男子の多くが、学生生活の途中で姫から脱落してしまうという。チヤホヤされるのは、ほんのわずかな時間だけ。男子校の姫は、魔法をかけられたシンデレラのような儚い存在なのだ。

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