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【インタビュー】堀田真由さんが明かす日々の暮らしとおうち時間のこだわりとは?

  • 2023.8.23

誰もが過ごすおうち時間……今回は、女優の堀田真由さんにインタビュー。映画『バカ塗りの娘』で、主人公・美也子役を務めた堀田さん。毎日のルーティンから、おうちの中の好きな場所、おうち時間でいま一番やりたいことまで。

映画『まく子』で知られる鶴岡慧子監督が、第1回「暮らしの小説大賞」を受賞した「ジャパン・ディグニティ」(髙森美由紀著)を基に映画化した『バカ塗りの娘』が、2023年9月1日(金)より全国公開、8月25日(金)より青森県先行公開されます。

津軽塗職人である父・青木清史郎の仕事を手伝う娘・美也子を演じた堀田真由さんに、おうち時間について伺いました。

青森・弘前ロケで掴んだ「津軽塗」職人の娘・美也子の等身大の役作り

――今回演じた役柄について教えてください。

堀田:私が演じた美也子は、青森県弘前市に住んでいる津軽塗職人の青木家の長女で、とても内気な性格の等身大の女の子です。「お父さんの後を継いで津軽塗をやりたい」という美也子の思いを通じて、バラバラだった家族が一つになっていく様を丁寧に描いた物語になっています。

――津軽塗に挑戦されてみていかがでしたか?

堀田:津軽塗には48もの工程があり、さすがにすべてを覚えることはできなかったのですが、黙々と目の前のことをやるのがとても楽しかったです。美也子は職人見習いとして、小林薫さん演じる津軽塗職人の父の隣で、見よう見真似で津軽塗の技術を習得していく役だったのですが、撮影で朝から晩まで工房で塗っているうちに、気づいたらどんどん上達してしまって……(笑)。「役としては、上手くなりすぎたらダメだ!」って慌てましたね(笑)。

――実際に職人さんが使っている工房や家をお借りして、お芝居をされたそうですね。

堀田:そうなんです。実際に津軽塗に使われている道具がたくさん置いてあるところで、「職人さんはここで何時間もずっと座ったまま作業をされるんだな」「この場所から色々な作品が生まれるんだな」と肌で感じながら撮影させていただいて。地元のご飯やご近所の方々との触れ合いを通じて生まれたものがとても多かったです。

たとえば、採れたばかりのリンゴを撮影現場に差し入れてくださったり、 休憩中 「あれ?  私、いま誰と喋ってるんだろう?」と不思議に思っていたら、隣の家に住んでいるおじちゃんが遊びにいらしていたり(笑)。東京ではなかなかありえないような状況だったので、3週間ほどの期間ではありましたが、本当に弘前にずっと暮らしているかのような感覚で撮影ができました。まさに「弘前だからこそ撮れた」と言える映画になっているのではないかなと思っています。

――小林薫さんと共演された感想は?

堀田:小林さんと初めて共演させていただいたのは、『深夜食堂』というドラマの現場だったのですが、 お芝居はもちろんのこと、佇まいからしてすごくかっこいい先輩だなと感じていたので、映画という形で再びご一緒できることが本当に素直にうれしかったです。

交わした会話といえば、「昨日の夜は何食べた?」とか「何時に寝ましたか?」といったような、他愛もない言葉ばかりでしたが、逆にそれが本物の親子っぽいと言いますか(笑)。撮影の合間は工房に隣接するお宅のリビングをお借りして、小林さんとずっと二人でお話ししているような状態で。ロケーションの力にすごく助けられました。

日々の暮らしに「津軽塗」を取り入れる若き職人のアイデアも

――堀田さんが感じた津軽塗の魅力とは?

堀田:弘前滞在中に、映画のなかにも登場する「CASAIKO(カサイコ)」さんというお店で津軽塗のお箸を購入して、今もおうちで毎日使っているんです。たとえ1膳のお箸でも、制作の裏側を知っているので愛着もわきますし、より一層家で食卓を囲む時間を楽しめるようになりました。津軽塗は格式高いものというイメージが強かったので、今はこんなにも日常に溶け込む津軽塗の商品がたくさんあるんだということにも驚きました。

――津軽塗を日常生活に取り入れやすくなるアイデアにも触れられたとか?

堀田:はい、実際に私と年齢の変わらない若い職人さんもいらっしゃって、洋風のアイテムと津軽塗を掛け合わせながら、持ち手が津軽塗のスプーンや、津軽塗のアクセサリーを作ったりもされていて。映画のなかで、自分らしい作品づくりを試みる美也子と同じように、江戸時代から続く伝統文化を大切にしながら、色々なアイデアで現代のライフスタイルにマッチする商品を生み出していこうとされている姿は、すごく素敵ですよね。改めて津軽塗に挑戦したい気持ちもありますし、お箸以外の津軽塗の作品もぜひ迎えてみたいです。

――津軽塗の職人さんの暮らしを疑似体験されてみて、どんなことを感じましたか?

堀田:津軽塗の工程は細かく決まっているものの、温度や湿度によっても形が変わるそうで、「こういうものを作りたい」と思って作り始めても、なかなか思い通りにはいかないのが津軽塗の面白さなんだ、と職人さんがお話されていたのがすごく印象的で。それを伺って、「あぁ、津軽塗は人生のようだな」と思ったんです。人生においても、ビジョン通りに行かなかったとしたら、一度立ち止まって違う方法を試したり、その上でまた前に進んだりしますよね。「職人さんの毎日は一見単調そうだけど、もしかするとそうでもないのかもしれない」というのが、今回私が美也子を演じるなかで、肌で感じたことです。

――なるほど。では逆に、堀田さんご自身の生活のなかでのルーティンはありますか?

堀田:私のルーティンは、毎朝コーヒーを飲むことくらいなんですが、そんな些細なことでも毎日同じように繰り返していると、やっぱりちょっとホッとするんですよね。とはいえ、今回演じた美也子の生活は、ある意味、変化の激しい私の日常とは真逆であるとも言えますし、実際の私は地元の滋賀から刺激を求めて東京に出た側の人間なので、自分が生まれ育った場所で伝統文化に関心を持って生きている美也子とは、そもそも考え方からして違うんです。共感するというよりは、寄り添うような気持ちで撮影をしていました。

寝具のこだわり&充実のバスタイム。堀田さんのおうち時間を深堀り!

――ここからは、堀田さんのおうち時間についても伺えればと。堀田さんは寝るのが大好きで、アラームをかけなければいつまででも眠れるそうですね。寝具のこだわりもありますか?

堀田:「枕カバーは毎日変える」です。これも、私のルーティンといえるかもしれないですね。怖い夢を見たりしてなかなか熟睡できない日が続いたときに、「枕カバーを変えてみたら?」とアドバイスをいただいて。毎日交換することで、常に清潔に保てるから美肌効果にも期待できますし、何となくズシッとしたものがリフレッシュされているような気がします。枕は低めで、ちゃんと自分の頭に合う高さの枕を使っています。

――堀田さんがおうちの中で好きな場所は?

堀田:ソファの上かな。そこでゴロゴロするのが好きですね(笑)。あとは、お風呂が大好きなので、バスタイムも充実させたいなと思って、入浴剤は絶対毎日入れます。もともとはコロナ禍で旅行にも温泉にも行けないから、「今日は草津温泉に入ろう」とか「今日は大分の温泉に行ってみよう」みたいな感じで、薬局などで売っている「日本の名湯~」みたいな入浴剤を日替わりで試して、毎日気分を変えて入浴していたのがきっかけです。各地の温泉の情報も詳しく紹介されているので、それを読みながら浸かってみたり。

――おうちにいながら温泉地巡りができるのはいいですね。

堀田:仕事でちょっと疲れていたり、大事な撮影が翌日に控えていたりするときは、バスソルトを入れて発汗作用を高めたりもします。暑い時期にはあらかじめ冷蔵庫でパックを冷やしておいて、お風呂から出た直後に冷たいパックを、ピタッて顔に貼るのも大好きです(笑)。

――たしかに、気持ちよさそうです。おうちの香りにもこだわりますか?

堀田:香りも好きなんですけど、おうちの中のいろんな場所にディフューザーを置きすぎて、どこから香っているのかわからない状態になっているんです(笑)。とにかく色々なところに香りを置いてます。

――『バカ塗りの娘』の津軽塗は伝統工芸であり、「手仕事」であるともいえますよね。堀田さんのおばあ様は、パナマ先住民「クナ族」の民族衣装に施される「モラ刺繍」に凝っていらっしゃるそうですが、堀田さんご自身も普段から「手仕事」はされていますか?

堀田:おばあちゃんやお母さんは手先が器用なんですが、私はものすごく不器用で……(苦笑)、手芸は全然できないタイプなので。気が向いたときに、料理をするぐらいですね。

――得意料理はありますか?

堀田:シュウマイとか、餃子とか。お酒を飲むのも好きなので、お酒のあても作ったりします。

――いいですね! では、最後に。いまおうち時間で堀田さんが1番やりたいことは?

堀田:おうちにいるときはNetflixを観ることが多いんですが、プロジェクターが欲しいなぁと思っていて。白壁やスクリーンに映して、映画を観てみたいです。いつものソファに座ってプロジェクターでNetflixを観るのが、いま私がおうちで一番やりたいことですね。

――ソファに横たわりながら大画面でNetflix、最高のおうち時間ですね。素敵なお話をありがとうございました!

『バカ塗りの娘』

9月1日(金)シネスイッチ銀座ほか全国公開

8月25日(金)青森県先行公開

配給:ハピネットファントム・スタジオ

©︎2023「バカ塗りの娘」製作委員会

写真/安岡花野子

取材・文/渡邊玲子

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