1. トップ
  2. グルメ
  3. モチモチのタロイモ団子が目玉のかき氷。【&Taipei 台湾スイーツ食べ比べ 】

モチモチのタロイモ団子が目玉のかき氷。【&Taipei 台湾スイーツ食べ比べ 】

  • 2023.8.21
出典 andpremium.jp

「芋圓(ユィユエン)」と呼ばれるタロイモ団子。これは蒸したタロイモをペースト状にし、地瓜粉(サツマイモの澱粉)を加えてお団子にしたもの。弾力性があり、かき氷や豆花などのトッピングとしてお馴染みの存在だ。現在は円柱形のふっくらとした団子が主流だが、その昔は平べったい楕円形のものが少なくなかったという。今回紹介する台北郊外、新北市永和區にある『阿爸の芋圓』のは円柱状の団子で、タロイモペーストやタロイモボールものったタロイモ尽くしのかき氷を楽しめる。もう一軒の台北の下町、萬華にある老舗『周記傳統芋圓』では、昔ながらのタロイモ団子が味わえる。どちらも人工添加物や香料などは用いず、手づくりにこだわっている。新旧のタロイモ団子を食べ比べしてみたい。

出典 andpremium.jp

父親の愛情が込められたタロイモ団子のかき氷。

店名は「父さんのタロイモ団子」という意味。その名のとおり、店主の顏孝全さんが「2人の娘に本物のタロイモ団子を味わってほしい」という思いから10年前に開いた店。台中郊外の大甲産のタロイモとサツマイモの澱粉を黄金比率で配合し、適度な歯ごたえを作り出している。余分なものは一切含まず、タロイモ本来の風味が楽しめると評判だ。タロイモ団子は深夜に、その他の具材は早朝から仕込み、新鮮さにもこだわる。また、氷自体は独自に開発した「蔗片冰(ザーピエンピエン)」を使用。これは皮ごと炭火焼きにしたサトウキビの汁を用いたアイスフレークで、サクサク食感と爽やかな甘さが魅力だ。写真は白玉団子やタピオカ、ハトムギものったボリュームたっぷりの「招牌芋泥蔗片冰(ザオパイユィーニーザーピエンピン)」(145元)。

阿爸の芋圓
アーパーダユィユエン

新北市永和區保平路18巷1號 02−2924−7461 14:30~23:00 無休 MRT中和線永安市場駅から徒歩約10分。新商品の杏仁茶もおすすめ。

出典 andpremium.jp
出典 andpremium.jp

伝統的なタロイモ団子が味わえる下町の甘味処。

創業80年を誇り、現在は3代目が切り盛りする。今では希少な存在の薄くスライスした「芋圓」が味わえる。もちっとしながらもつるりとした食感で、喉越しが滑らかなのが特色だ。これ以外に白玉団子や砂糖水で煮込んだタロイモ、紅豆、緑豆、金時豆がのっている。深夜2時頃から仕込みを始め、夕方には売り切れるという人気ぶり。「伝統的なものはゆっくりと煮込み、ゆっくりと煮詰めるのがコツよ」との言葉どおり、一口食べるだけでその丁寧な仕事ぶりが伝わってくる。さらに具材が温かいので、氷のきめが細かいとすぐ溶けてしまう。そのため、細かすぎず、粗すぎずなのもポイント。細部までこだわった絶品かき氷はなんと一碗50元。庶民的な価格も嬉しい。甘いスープ入りもあり。

周記傳統芋圓
ツォウチーツワントンユィユエン

台北市萬華區和平西路三段120號(龍山商場内の美食街) 0936−669−278 10:30~売り切れ次第終了(16:00頃) 日休 通常、具材は氷の下。

出典 andpremium.jp

文/片倉真理
※この記事は、No. 117 2023年9月号「&Taipei」に掲載されたものです。

台北在住ライター・コーディネーター 片倉真理
出典 andpremium.jp

1999年から台北に暮らす。台湾に関する書籍の執筆、製作のほか、雑誌のコーディネートなども手がける。台湾各地を隈なく歩き、料理やスイーツから文化、風俗、歴史まで幅広く取材。著書に『台湾探見』、共著に『台湾旅人地図帳』(共にウェッジ)、『食べる指差し会話帳』(情報センター出版局)など。

元記事で読む
の記事をもっとみる