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【愛と欲望の王宮】「男女の恋」を厳禁された女官は最後にどう生きたのか

  • 2023.8.20

韓国時代劇で一番多いのは朝鮮王朝を描いたドラマだ。そうなると、王宮を舞台にした宮廷劇が圧倒的に目立ってくる。その中では女官がひんぱんに登場する。彼女たちが王や王妃の側近として王族の生活を支えていたからだ。

そんな女官は16世紀前半には1千人ほどいたと推定されている。彼女たちはどんな生涯を送ったのだろうか。

女官は早ければ5歳くらいから見習いとして王宮の中に足を踏み入れる。しかし、家族や先祖の中に罪人がいたり自分が病気がちだったりした女の子は、宮中の門をくぐることは許されなかった。

運よく女官の見習いになると、緻密な徒弟制度の下、厳格な教育を受け継ぐこととなった。見習いの期間は、多くの仲間たちと共に過ごし、大部屋での共同生活が続いた。厳しい修業を乗り越え18歳を迎えると、多くの見習いは内人(ネイン)としての新しい生活を始めた。いわば、一人前と認められたのだ。

しかし、女官は王とともに歩む運命が宿命づけられており、他の男性との恋愛は絶対に禁じられていた。そればかりか、彼女たちの日常は、厳しい掟に縛られていた。もし、女官が男性と肉体関係を持ったときは、男女とも処刑された。

写真出典=ドラマ『花たちの戦い~宮廷残酷史』より
寂しい晩年を過ごす女官

このような極刑の知識が広く行き渡っていたので、王宮内で女官を求める男は稀であった。しかしながら、時折、禁断の恋に身を投じる者も現れる。まさに「命をかけた壮絶な愛」であった。

さらに、女官たちは王宮の外への自由を持たなかった。その生活の舞台は王宮の内部だけであった。それゆえ、同性愛が多かったと言われている。

そんな女官の最大の野望は国王の側室になることだった。しかし、夢を叶えられるのは、ほんのわずかな人だけ。大半の女官は一生懸命に務めても年を取ると王宮を出されてしまう運命だった。老後の保障もなく、すでに知り合いも世間には少なくなっていた。それだけに、晩年は寂しくなる女官が多かったことだろう。それでも彼女たちは「幸せな人生」だったと言えたのだろうか。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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