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都電荒川線沿いの「+h café」で楽しむ、パリ仕込みのスイーツとゆったり時間

  • 2023.8.19

荒川区西尾久の住宅街にある「+h café(アッシュカフェ)」。外国の絵本から抜け出してきたようなすてきなお店です。町工場をリノベーションしたのは建築家のご主人、お二人でインテリアをコーディネートし、そしてパリ仕込みのスイーツやランチを提供するのは奥さん。ご夫婦二人三脚で造り上げた、センスあふれるカフェをご紹介します。

都電荒川線沿いの「+h café」で楽しむ、パリ仕込みのスイーツとゆったり時間
都電荒川線沿いの「+h café」で楽しむ、パリ仕込みのスイーツとゆったり時間
レトロな都電荒川線の沿線にあるおしゃれカフェ
都電荒川線沿いの「+h café」で楽しむ、パリ仕込みのスイーツとゆったり時間
ことりっぷ

東京で唯一残る路面電車の都電荒川線は、レトロな雰囲気が魅力。「+h café」は、そんな荒川線の荒川車庫前駅からすぐの住宅街にあります。

まるで外国の絵本から抜け出してきたような、でも、不思議とまわりの街並みに溶け込んでいる、すてきなお店です。
もとは40年ほど前に建てられた町工場だそうで、高い天井を生かし、中2階にも席が設けられていて、広々とした開放的な造りになっています。

本場パリ仕込みの絶品スイーツたち
都電荒川線沿いの「+h café」で楽しむ、パリ仕込みのスイーツとゆったり時間
「タルト・タタン」693円。紅玉の季節にあわせて、10~4月くらいの期間限定メニュー

カフェのメニューはすべて、パリで修業をされたオーナー・パティシエの浅見博子さんの手作り。
とくにおすすめなのは、「タルト・タタン」と「メルヴェイユ」です。

「タルト・タタン」は、甘酸っぱいリンゴがぎっしり詰まった看板メニュー。煮詰められてねっとりしたリンゴと、さっくりしたタルト生地が絶妙のバランスです。

「メルヴェイユ」は、自家製アイスクリームにソースをかけ、メレンゲとチュイルをトッピングしたオリジナルデザート。アイスクリームの手作りならではの素材感とほんのりした甘さが絶妙です。

都電荒川線沿いの「+h café」で楽しむ、パリ仕込みのスイーツとゆったり時間
「カフェ・グルモン」1210円。コーヒーまたは紅茶付き。写真は、コーヒーの右から時計回りに「ビクトリアケーキ」「レモンメレンゲタルト」「バスクチーズケーキ」「くるみメレンゲ」「クレームブリュレ」

いろいろな種類を少しずつ味わいたい人には、スイーツの盛り合わせの「カフェ・グルモン」がおすすめ。内容は時期によって替わりますが、「くいしんぼう」という意味のフランス語「グルモン」という名称どおり、5種類のスイーツがいただけるうれしい一品です。

そのほか、ランチメニューも用意。スパイス、ハーブ、ドライフルーツなどを使った週替わりのプレートランチやキッシュプレート、ミートソースドリアなどがいただけます。

パリ生活の後、キッチンカーを経て固定店をオープン
都電荒川線沿いの「+h café」で楽しむ、パリ仕込みのスイーツとゆったり時間
ことりっぷ

工場跡の構造と空間を生かしてリノベーションをしたのは、博子さんのご主人で建築家の浅見和宏さん、インテリアはお二人が長年集められてきた数々のアンティークや家具を使ってデザインされています。そして2018年、ご夫婦の思いが詰まった「+h café」が完成しました。

また、そこに至るまでのストーリーもとても興味深く、和宏さんは大手設計事務所に長らく勤務、博子さんは自宅で料理・お菓子教室をしていたという安定した生活から一転、2007年に小学生のお子さん2人を連れて、学生ビザでパリに移住されたそう。パワフルな行動力に驚かされます。

パリで、和宏さんはフランス語の語学学校に通い、半年後、建築家・坂茂さんのパリオフィスで仕事をスタート、博子さんは料理学校・製菓学校に通いながらパティスリーで研修を受け、お二人とも、さまざまな経験や人との出会いを重ねられたとのこと。

そして、7年間のパリ生活の後、2014年に帰国、3年間、キッチンカーでの移動販売をしながら、固定店の準備を整え、2018年、この「+h café」をオープンしました。

思いやスキルが詰まった、センスあふれる空間
都電荒川線沿いの「+h café」で楽しむ、パリ仕込みのスイーツとゆったり時間
ことりっぷ

お店には、お二人の思いやこだわり、スキルがたくさん詰まっているのを感じます。
アンティーク家具はパリやロンドンで買い付けたもので、センスよくレイアウトされ、海外に小旅行に来たかのような空間を創り出しています。

なかでも目をひくのは、水色のシトロエンHトラックと歴史を感じる暖炉です。
シトロエンHトラックは、インテリアとしてもピカイチの存在感ですが、キッチンカー時代に活躍したトラックそのものだそうで、今も現役でイベント時に出動しているとのこと。
店名は、このトラックの名称と、エクトール・ギマールのイニシャル、そして博子さんのイニシャルの「h」からとったそうです。

都電荒川線沿いの「+h café」で楽しむ、パリ仕込みのスイーツとゆったり時間
ことりっぷ

暖炉は、アール・ヌーボー時代の有名な建築家エクトル・ギマールの作品で、パリで隣に住んでいたフランス人ご夫婦の家にあったものを、帰国後に開くカフェにこの暖炉を置きたいという熱い思いを伝えて譲り受けたものだそうです。
暖炉の前にはソファとテーブルが置かれ、パリのアパートの居間にいるような、ゆったりとした時間が過ごせる空間になっています。

ご夫婦二人三脚で創られた「+h café」。おいしいスイーツやランチ、パリの空気を味わいに訪れてみませんか。

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