【思考をキレイにする旅の仕方（380）】日々の生活の中に旅があります

先日、武器の世界史が好きな高校生とお目にかかりました。

「インドに昔から伝わる武器は、ムチのようになっていて……」

「アフリカの武器は手裏剣のようで、取っ手の部分は素材が……」

聞いたことがない武器を、スマホの画像と共に見せてくださり、解説してくださいます。

武器は好きだけれど、彼自身、争いごとは嫌いらしい。

大柄な彼は、子どもの頃から松濤流の空手を習い、今も現役です。

ご両親の話だと小さい頃から大柄だったので、空手が武器になると言い聞かせてきたらしい。

「ちょっと言い過ぎたのかもしれません」

とおっしゃったのは、彼が今まで一度も喧嘩してこなかったから。

小さい頃、大柄で大人しいので、いじめを受けたこともあったようです。

しかし、その際も、「彼らも、いろいろあるんじゃないのかなぁ」

と怒ることもなく、悲しむこともなく、淡々と日々の生活を送っていたのだとか。

そんな彼も、現在、高校生。

通学で利用するJR大垣駅まで歩いて行きます。

だいたい片道一時間。

私も大垣で、お酒を飲んだ際、歩いて帰ることはあるけれど、彼は往復、しかも毎日なのです。

途中で畑で知り合ったおばあちゃんから、おにぎりをいただくこともあり、

彼は、そのお礼に学校帰りに飴を買って渡し、

今では、行き帰りに声を掛け合う仲になっている……そういった話をうかがうと、ハッとさせられます。

日々の生活の中に旅と学びがあるんだよなぁと。＜text：イシコ＞