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共働き夫婦の「NISAかイデコか」問題──「両方できない場合はどっちを優先する?」

  • 2023.8.18

共働き夫婦が資産形成するには、自動的に“積み立て”と“節税”ができるiDeCo とNISAが欠かせませんが、2つの制度の“いいとこ取り”をするには、3つのポイントがあります。

■ポイント1 会社員ならiDeCoの限度額を使い切る

iDeCoには「掛金が全額所得控除になる」という税の優遇があるため、共働きなら夫婦そろって加入し、なるべく掛金の上限まで積み立てましょう。

控除とは、所得税の額を計算する際、その額を差し引ける仕組みで、その分、所得税が安くなるわけです。

たとえば年収500万円の会社員が毎月2万3,000円ずつiDeCoを積み立てた場合、節税できる額は1年で5万5,200円です。夫婦2人が同じ年収で、そろって加入すれば、合計で年間約11万円も税金が安くなるわけです。

たしかに、運用の成果は確実ではありませんが、節税の効果は必ず得られます。NISAにはないiDeCoの税のメリットを生かすため、掛金は多いほうが有利です。

■ポイント2 子育て世帯はiDeCoを減らしてNISAを優先する

共働き世帯では節税につながるiDeCoをできるだけ使ったほうがいいですが、子育てでお金がかかる時期は、掛け金は無理のない額にしましょう。なぜなら、iDeCoは60歳にならないと引き出せないためです。子育て中は、引き出しが自由なNISAの優先順位を高くしたほうがよいでしょう。

たとえば、子供が生まれてすぐにNISAの積み立てを始め、目標を18歳のときに500万円とすると、年率2%で運用できるとして、毎月の積立金額は約2万円です。NISAの積立を毎月2万円した上で、iDeCoを満額(毎月2万3000円など)掛けられるなら、減らす必要はありません。

■ポイント3 子供がいないならiDeCoもNISAもできるだけ多く掛ける

子供がおらず、これからも持つつもりがないなら、iDeCoもNISAも夫婦でできるかぎり多く積み立てましょう。なぜなら、老後は子供に頼れないので、資金を自分たちで準備する必要があるからです。

まずiDeCoを上限まで掛けると仮定して、NISAはいくらまで投資できるか家計を見直してみましょう。

2024年からの新NISAでは、投資できる金額が大幅に引き上げられ、つみたて投資枠(現行のつみたてNISA)もひとりで毎月10万円ずつ積み立てられます。10万円は無理でも、毎月4万円を30年積み立て、年率2%で増えれば、元利との合計で約2,000万円になります。

子供のいない共働き夫婦は経済的なゆとりがあって、お金の管理がルーズになりがちなので、早くからiDeCoとNISAをふたりでフルに活用して、退職する頃に後悔しないで済むようにしましょう。

文・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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