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プリファードライ? リフト&クリーン? 雨の日ゴルフならではのルールを解説

  • 2023.8.16

先々週開催された男子ツアー「横浜ミナト Championship〜Fujiki Centennial~」最終日、最終組はまだ2番ホールをプレー中という状況で天候が急変。強い雨が降り始めると、コース内にプレー中断を知らせるエアホーンの音が響き渡りました。中断は3時間以上にも及びましたが、無事にその日のプレーを終えることができました。

もし全員のプレーが終わらなかった場合、どういった対処がとられるのか。プレー中断、サスペンデッド、予備日といった用語や、よく耳にするけれどプロでさえも間違いがちなプリファードライやリフト&クリーンといった悪天候ならではのルールについてお話したいと思います。

横浜ミナト Championship〜Fujiki Centennial~ 最終日、避難カートに乗る宮里優作プロら(撮影/ALBA)

◆プロも間違える雨の日の追加ルール

プロの大会で、グリーン上でもないのに球を拾い上げ、ボールを拭いている姿を見たことがある人も多いのではないでしょうか。ゴルフの競技には、悪天候時やその後のコース状況に対応するための様々な救済処置があります。

悪天候中や後のルールとして一般的によく使われるのが、「テンポラリーウォーター(旧:カジュアルウォーター)」からの救済処置。テンポラリーウォーターとは、降雨によって一時的にできてしまった水たまりのこと。水たまりに入ってしまった球は、拾い上げて、ニアレストポイントから1クラブ以内のホールに近づかない位置にドロップすることができます。

水たまりではないけれど、ボールに泥がついてしまいがちな状況の場合に競技でよく使われる追加ルールが「プリファードライ」と「リフトアンドクリーン」の2種類。どちらも、ジェネラルエリア以外のボールに適用するかどうかは裁定次第ですが、ボールを拾い上げ汚れを拭き取ることができるという点は共通。大きな違いは、その際のボールの戻し方です。

リフトアンドクリーンの場合は、ボールがあった位置にリプレース。プリファードライの場合は裁定によって変わり、「1クラブレングス以内」や「6インチ」といったように決められた範囲内に、プレースまたはドロップです。
一緒にまわっていた3人が共に処置を勘違いしたままプレーをしてしまい全員失格となった事例もあり、スタートホールでルール説明を受ける際には、文言を確認することが非常に重要になります。

◆ 中断、中止、サスペンデッド

7月に開催された女子ツアー「大東建託・いい部屋ネットレディス」では、3日目に降雨による中断から、天気の回復が見込めないという理由から翌日へ持ち越すサスペンデッドとなりました。サスペンデッドとは、屋外スポーツにおいて様々な理由により競技の続行が不可能と判断された場合に、プレーを中断して後日に再開すること。ゴルフの大会の場合は、降雨や雷のような天候の急変や、降雨後のコースコンディション不良などの理由によって中断し、そのまま状況が改善せずに再開できなかった場合や、再開してもその後の日没でプレー続行が無理と判断された場合にサスペンデッドになることが多いです。

エアホーンが各所で同時に鳴らされると、プレー中断の合図。雷の場合は、即時プレーを止めて避難しなければなりませんが、それ以外であればプレー中のホールだけは終わらせることができます。その違いは、エアホーンの鳴らし方で判断できるようになっていて、長いサイレンであれば即時中断、短い3回のサイレンであれば通常の中断。しかし、普段から聞き慣れているものではないため、その判断を誤って失格になった例もあります。

では、サスペンデッドが決まった場合、プレー中のボールはどうするのかというと、雨などで流されることの無いようにティ等でしっかりとマークをしてボールをピックアップします。再開の際は、そこにボールをリプレースして、合図と共にプレーを再開します。

サスペンデッドとなった場合、翌日に18ホール以上をラウンドすることで全てのプレーを終わらせることを目指しますが、それが無理な場合には短縮競技になることも。月曜日が予備日に設定されている大会もあるといはいえ、実際にそれが使われたことはほとんどありません。3日間大会(54ホール競技)の場合、大会が成立するための最小ホール数は27ホール、4日間の大会(72ホール競技)の場合は36ホールと決まっていて、加算賞金もそれに合わせて減額となります。競技を成立させるために、時にはセカンドカットと呼ばれる決勝ラウンドの人数を減らす措置がとられることもあります。

天候の急変が多いこの時期、大会は長丁場になりがち。中断前にプレーを終えることができたり、天候急変を難しいホールで迎えてしまったりと、ラッキー、アンラッキーな場合がどうしても生じます。しかし、それもまたゴルフ。「運も実力の内」とは、よく言ったものです。

◆おだみなプロフィール

おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。

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