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秋の家庭菜園はメリットたくさん! おすすめの野菜10選をご紹介!

  • 2023.8.15

春から始めるトマトやナス、キュウリなど夏野菜の収穫に大成功し、「もっと野菜づくりを楽しみたい!」と、家庭菜園が趣味になった方も多いのではないでしょうか。この時期、そろそろ夏野菜は終わりを迎え、秋冬野菜の準備に取りかかるタイミングです。ここでは、秋冬野菜を育てるメリットや、おすすめの秋冬野菜について、ご紹介していきます。

秋の家庭菜園はメリットいっぱい

秋の家庭菜園
Petite usagi/Shutterstock.com

夏野菜のシーズンは次第に盛りを過ぎて、その後に何を植えるかを計画する季節に変わってきました。「もう翌春までは野菜の栽培はおあずけかな」と思っている方も多いのでは? いえいえ、気温が下がる時期にスタートする秋冬野菜は、たくさんありますよ! それに秋冬野菜を育てるメリットもいろいろ。

まず、夏野菜に比べて害虫の発生が少なくなること。虫が苦手という方も多いでしょうから、これは嬉しいポイントですよね。そして、真夏の庭仕事は熱中症対策が必要になり、体力を随分と消耗してしまいますが、秋冬の庭仕事はその必要がないこと。気候がよく、外でも長時間、快適に過ごせます。また植物への暑さ対策も必要なく、西日が照りつけて夏には植物が育たない場所でも、秋冬野菜なら育てることが可能です。土地を有効に活用できるうえ、むしろ西日が保温効果を与えてくれることもあります。また、秋冬野菜は寒さにあいながらじっくりと成長し、甘みが増して美味しくなるものが多いので、これもメリットの一つといえるでしょう。

秋に植えるおすすめの野菜10選

秋からスタートできる野菜は、バラエティーに富んでいます。ここでは、ビギナーでも育てやすい、おすすめの野菜をピックアップ。種まきや植え付けの方法、管理のポイントなど、詳しく解説していきます。

大根
ダイコン
traction/Shutterstock.com

アブラナ科ダイコン属の根菜類で、原産地は中国、地中海沿岸、中央アジアなど。直根性で移植を嫌うため、種まきからスタートします。春まきと秋まきができますが、ビギナーには秋まきが育てやすくて味もよいのでおすすめです。秋まきの場合、8月下旬〜9月上旬が適期で、間引きながら育成し、10月下旬〜12月頃に収穫します。苦土石灰や有機質資材を施して土づくりをした場所に、幅60cm、高さ10cmの畝をつくり、30cm間隔で5〜6粒ずつの点まきにします。まだ虫が活動している時期なので、種まき直後は不織布をべたがけし、成長してきたら支柱を立てて防虫ネットを張った「トンネル栽培」にするのがおすすめです。間引きは、本葉が1〜2枚ついたら3本残し、本葉が3〜4枚ついたら2本残し、本葉が5〜6枚ついたら1本立ちにしましょう。追肥は2回目と3回目の間引きの際に肥料を30g/㎡ほどまいて、土寄せを。根の直径が7cm程度になったら収穫します。栽培のポイントは、土をよく耕すこと。大根は肥大する根を収穫しますが、土中に小石などの異物があったり、堆肥に直に当たったりすると、根がいくつかに分かれる「又根」になってしまうからです。ただし、味が落ちるわけではないので、家庭菜園ならではのユニークな姿を楽しむのもよいでしょう。

ハクサイ
ハクサイ
ranmaru/Shutterstock.com

アブラナ科アブラナ属の葉菜類で、原産地は中国。鍋の具材には欠かせない、冬の定番野菜の一つです。9割以上は水分ですが、カルシウムや亜鉛、ビタミンCなどの栄養素がバランスよく含まれています。ハクサイは連作障害が発生しやすいので、2年間はアブラナ科の植物を植えていない場所で育てましょう。種まきの適期は8月下旬〜9月上旬で、間引きながら育成して11〜1月に収穫します。苦土石灰や有機質資材を施して土づくりをした場所に、幅70cm、高さ5〜10cmの畝をつくりましょう。株間60cm、条間45cmを取り、1カ所に3〜4粒ずつタネを播いて、間引きながら育成します。初心者なら、9月下旬頃に苗を購入して、植え付けからのスタートでもOK。幼苗のうちはまだ虫が活動している時期なので、支柱に防虫ネットを張った「トンネル栽培」にすると安心です。本葉が7〜8枚頃までに間引きを終えて、1本立ちにしましょう。同時に化成肥料を30g/㎡ほどまき、結球し始めた頃にも同様に追肥します。結球した球を押さえてみて、かたく締まっていたら収穫。地際に包丁をさし入れて、切り取ります。

ほうれん草
ホウレンソウ
vaivirga/Shutterstock.com

ヒユ科ホウレンソウ属の葉菜類で、原産地は中央アジア。ほうれん草は栽培期間が短く、種まきから育成します。春まき・夏まき・秋まきができますが、ビギナーには管理がしやすく味のよい、秋まきがおすすめです。種まきの適期は9〜10月で、間引きながら育成し、10〜12月に収穫します。酸性土壌に弱いので、種まきの2〜3週間前に苦土石灰と堆肥を散布して土づくりをしておきましょう。幅60cm、高さ10cmの畝をつくり、条間20cmの間隔を取って、深さ1cm程度のまき溝をつくります。そこへ1cm間隔でタネを播き、両脇から土を寄せて軽く押さえましょう。本葉が1〜2枚出たら約3cm間隔に間引き、本葉が4〜5枚出たら5〜6cm間隔に間引きます。2回目の間引きの際に、化成肥料を30g/㎡ほどまき、土になじませて軽く土寄せを。草丈が20〜25cmになったら、株ごと引き抜いて収穫します。一般家庭の場合、一気に収穫しても食べきれないことがあるので、1週間ずつずらしながら少量ずつタネを播く「ずらし播き」がおすすめです。プランターでも簡単に栽培できます。

ブロッコリー
ブロッコリー
ChameleonsEye/Shutterstock.com

アブラナ科アブラナ属の野菜で、原産地は地中海東部沿岸。ブロッコリーは、花蕾(からい)という開花前のつぼみを食べる野菜で、花菜類に分類されますが、花菜類は葉菜類に含まれています。ブロッコリーは花苗店で苗を購入してスタートするのが手軽です。本葉が5〜6枚ついた、がっしりと締まった苗を選びましょう。植え付けの適期は8月下旬〜9月中旬頃で、収穫は10月下旬〜2月頃です。植え付けの2〜3週間前に苦土石灰と堆肥を散布して土づくりをしておきましょう。幅60〜70cm、高さ10cmの畝をつくり、約40〜45cmの間隔を取って植え付けます。幼苗のうちはまだ虫が活動している時期なので、支柱に防虫ネットを張った「トンネル栽培」にすると安心です。植え付けから3週間後に化成肥料を30g/㎡ほどまいて土寄せし、中心部に小さな花蕾がのぞき始めた頃にも同様に追肥します。頂部の花蕾が約15cmまで大きくなったら、収穫。収穫が遅れると食感が悪くなるので、つぼみが締まった状態のうちに切り取りましょう。頂花蕾の収穫後には、側花蕾が収穫できるので、化成肥料を30g/㎡ほどまいて土寄せを。側花蕾は直径500円玉くらいの大きさになったら順次収穫します。

キャベツ
キャベツ
Tatjana Zavjalova/Shutterstock.com

アブラナ科アブラナ属の葉菜類で、原産地は地中海沿岸、ヨーロッパの海岸地域。キャベツは花苗店で苗を購入してスタートするのが手軽です。本葉が5〜6枚ついた、がっしりと締まった苗を選びましょう。連作障害が発生しやすいので、2年間はアブラナ科の植物を植えていない場所で育てましょう。植え付けの適期は8月下旬〜9月中旬頃で、収穫は11月〜12月上旬頃です。植え付けの2〜3週間前に苦土石灰と堆肥を散布して土づくりをしておきましょう。幅60〜70cm、高さ10cmの畝をつくり、約40〜45cmの間隔を取って植え付けます。幼苗のうちはまだ虫が活動している時期なので、支柱に防虫ネットを張った「トンネル栽培」にすると安心です。本葉が10枚ほどついたら化成肥料を30g/㎡ほどまいて土寄せし、結球し始めた頃にも同様に追肥して土寄せします。結球した球を押さえてみて、かたく締まっていたら収穫。地際に包丁をさし入れて、切り取ります。

シュンギク
シュンギク
lzf/Shutterstock.com

キク科シュンギク属の葉菜類で、原産地は地中海沿岸。シュンギクは冷涼な気候を好み、生育適温は15〜20℃で、トンネル栽培で越冬できます。春まきと秋まきができますが、ビギナーには管理がしやすい秋まきがおすすめです。種まきの適期は8月下旬〜10月上旬で、間引きながら育成し、収穫は10月中旬〜12月上旬頃です。酸性土壌に弱いので、種まきの2〜3週間前に苦土石灰と堆肥を散布して土づくりをしておきましょう。幅60cm、高さ10cmの畝をつくり、条間20cmの間隔を取って深さ1cm程度のまき溝をつくります。そこへ1〜2cm間隔でタネを播き、両脇から土を寄せて軽く押さえましょう。本葉が1〜2枚出たら約3cm間隔、本葉が4〜5枚出たら10cm間隔に間引きます。2回目の間引きの際に、化成肥料を30g/㎡ほどまき、土になじませて軽く土寄せを。草丈が約20cmになったら収穫します。抜き取って収穫してもかまいませんが、一般家庭では「摘み取り収穫」がおすすめ。茎の途中で摘み取って、節から出る脇芽を伸ばすことを繰り返すと、次々と脇芽が出て長く収穫できます。

カブ
カブ
tamu1500/Shutterstock.com

アブラナ科アブラナ属の根菜類で、原産地は地中海沿岸、中央アジアなど。直根性の野菜で移植を嫌うため、種まきからスタートします。春まきと秋まきができますが、ビギナーには管理のしやすい秋まきがおすすめ。秋まきの場合、8月下旬〜10月上旬が適期で、間引きながら育成して10〜12月に収穫します。カブは連作障害が発生しやすいので、2年間はアブラナ科の植物を植えていない場所で育てましょう。苦土石灰や有機質資材を施して土づくりをした場所に、幅60cm、高さ10cmの畝をつくります。条間を20cm間隔でまき溝をつくって、約1cm間隔でタネを播き、両脇から土を寄せて軽く押さえましょう。双葉が揃ったら3cm間隔に、本葉が2〜3枚ついたら5〜6cm間隔に、本葉が4〜5枚ついたら10〜12cm間隔に間引きます。2回目の間引きの際に、化成肥料を30g/㎡ほどまき、土になじませて軽く土寄せを。幼苗のうちはまだ虫が活動している時期なので、支柱に防虫ネットを張った「トンネル栽培」にすると安心です。小カブ種で直径5cm、大カブ種で直径10cmくらいに育ったら、抜き取って収穫します。プランターでの栽培も可能です。

タマネギ
タマネギ
SIM ONE/Shutterstock.com

ヒガンバナ科ネギ属の葉菜類で、原産地は中央アジア、近東。タマネギは種まきから育苗まで2カ月ほどの期間が必要なので、花苗店で苗を購入してスタートするのが手軽です。細すぎず、太すぎず、茎の直径7〜8mmの苗を選ぶのがポイント。植え付けの適期は11月〜12月上旬頃で、収穫は翌年の5月中旬〜6月頃です。植え付けの2〜3週間前に苦土石灰と堆肥を散布して土づくりをしておきましょう。幅60cm、高さ10cmの畝をつくり、株間、条間ともに15cmの間隔を取って植え付けます。追肥は1月下旬〜2月上旬と3月中下旬の2回、それぞれ苗の周りに化成肥料を1つまみほどまいて土寄せします。葉が8割ほど倒れてきたら、抜き取って収穫。畑に並べてしばらく乾燥させたのち、4〜5個ずつ葉を束ねて紐で縛り、軒下などに吊しておくと、長期保存ができます。

イチゴ
イチゴ
Taras Garkusha/Shutterstock.com

バラ科オランダイチゴ属の果菜類で、原産地はオランダ。イチゴの栽培は、花苗店で苗を購入してスタートします。植え付けの適期は10月中旬〜11月中旬頃で、収穫は翌年の4月下旬〜6月上旬頃です。植え付けの2〜3週間前に苦土石灰と堆肥などを散布して土づくりをしておきましょう。幅70cm、高さ15〜20cmの畝をつくり、株間を40cm取って植え付けます。イチゴの株元の膨らんだ部分を「クラウン」といい、クラウンには成長点があるので、これを埋めないように浅植えにするのがポイントです。1月下旬〜2月上旬に枯れ葉を整理し、株の周りに化成肥料を30g/㎡ほどまいて土になじませ、軽く土寄せを。3月頃、実が土に触れて傷むのを防ぐために黒のポリフィルムマルチを張り、株元に化成肥料を1つまみほどばらまきます。花が咲いたら、筆などで花の中央をなでて人工授粉をしましょう。ヘタの部分まで赤くなったら収穫。イチゴは夏頃から盛んにランナー(ほふく茎)を伸ばし、成長点を持った子株がつくられます。2節目以降の子株をとって増やすこともできますよ!

ルッコラ
ルッコラ
vaivirga/Shutterstock.com

アブラナ科キバナスズシロ属の葉菜類で、原産地は地中海沿岸。ごま油のような香りとピリッとした辛みを持つのが特徴で、ハーブとしても利用される香味野菜です。春まきと秋まきができ、種まきの適期は春まきが4月〜6月上旬頃、秋まきが8月下旬〜9月中旬頃。収穫は春まきが5〜7月、秋まきが10月〜11月上旬です。種まきの2〜3週間前に苦土石灰と堆肥を散布して土づくりをしておきましょう。幅40cm、高さ10cmの畝をつくり、条間20cmの間隔を取って、深さ1cm程度のまき溝を2列つくります。そこへ1〜2cm間隔でタネを播き、両脇から土を寄せて軽く押さえましょう。本葉が4〜5枚出たら約5cm間隔で間引きます。草丈が約15cmになったら、抜き取って収穫します。一般家庭の場合、一気に収穫しても食べきれないことがあるので、1週間ずつずらしながら少量ずつタネを播く「ずらし播き」がおすすめです。プランターでも簡単に栽培できます。

秋に美味しい野菜を育てよう!

秋の家庭菜園

秋からスタートする家庭菜園のメリットや、ビギナーでも育てやすいおすすめの野菜とその育て方について、詳しく解説してきました。秋は熱中症の心配や害虫に悩まされることが少ないので、菜園デビューにちょうどいい季節です。寒い中では、野菜も自身が凍らないように糖度を高めて冬を乗り切ろうとするため、甘くて美味しいのが魅力の一つですね。ぜひ秋冬野菜を育てて、家庭栽培ならではの豊かな味わいを楽しんでください。

『やさしい家庭菜園』 監修者/藤田智、加藤義松 発行/家の光協会 2006年3月1日第1刷
『別冊やさい畑 野菜づくり名人 虎の巻』発行/家の光協会 2009年2月1日発行
『甘やかさない栽培法で野菜の力を引き出す 加藤流絶品野菜づくり』著者/加藤正明 発行/万来舎 発売/エイブル 2015年5月25日発行第2刷

Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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