【東大和市】戦災建造物東大和市指定文化財　旧日立航空機株式会社変電所

2023.8.15

こんには、リビング多摩地域特派員のペンペンです。終戦記念日に東大和市指定文化財旧日立航空機株式会社変電所を紹介させてください。

西武拝島線・多摩モノレール「玉川上水」駅より徒歩5分、都立東大和南公園内にあります。毎週水曜日と日曜日に無料で一般公開しているので、日曜日に見学へ行ってきました。

旧日立航空機株式会社変電所

出典：リビング多摩Web

おびただしい数の銃撃を受けた変電所。1938年に軍用機のエンジンを製造する大きな軍事工場が、ここ東大和市に建設されました。工場は拡張しながら操業し、1944年には従業員数は13000人を超えたそうです。この変電所は、高圧電線で送られてきた電気の電圧を下げて工場内へと送る施設でした。

変電所入口

出典：リビング多摩Web

こちらが入口です。入場は無料です。

1階展示物

出典：リビング多摩Web

変電所内に入るとすぐに爆弾が目に入っていました。B-29爆撃機が落とした500ポンドの大型爆弾（226.7㎏）の実物大模型です。東日本にはこの爆弾が落とされたそうです。

出典：リビング多摩Web

出典：リビング多摩Web

爆弾の破片と爆撃機の模型が展示されていました。

出典：リビング多摩Web

館内は撮影自由です。自由研究や調査等に来られた中高生の方は気軽にお声がけをという張り紙があります。私は恥ずかしくて声をかけられなかったのですが、説明員さんの方からお声がけいただき丁寧な説明を頂けました。ありがとうございました。

工場写真

出典：リビング多摩Web

工場の全体図。写真右上に変電所があります。

出典：リビング多摩Web

変電所は工場の三本煙突近くにありました。

ガラス階段

出典：リビング多摩Web

コンクリート製の内階段を保護し、弾痕が見られるようガラス階段と鉄製手すりが新設されています。2020年～2021年の工事で設置されました。

出典：リビング多摩Web

内階段の裏です。ここも銃撃で破損しています。

2階展示

出典：リビング多摩Web

2階の窓、ここからも変電所内に銃撃されたようです。

出典：リビング多摩Web

2階に設置されている配電盤です。

出典：リビング多摩Web

窓から撃ち込まれた銃弾が当たった痕が配電盤左側に2か所確認できます。穴が開いた状態でもしばらく使用していたようです。

出典：リビング多摩Web

デジタルではないメーター表示が時代を感じます。

出典：リビング多摩Web

このスノコや窓は現代ではなかなか見られないです。

出典：リビング多摩Web

木製の仮眠室が展示されていました。仮眠を取りながらお仕事されていたんですね。

出典：リビング多摩Web

従業員用のロッカー、こちらも木製です。当時の備品が見られたのは良かったです。

内壁と外壁の銃痕

出典：リビング多摩Web

1階へ降りると内壁に「内部まで貫通した銃痕」がありました。この壁約20cmあるそうです。

出典：リビング多摩Web

貫通した銃痕（左）と貫通しなかった銃痕（右）

出典：リビング多摩Web

先ほどの内壁で見た貫通した銃痕と、そうでない銃痕を外壁から。

出典：リビング多摩Web

こちらは貫通しなかった銃痕です。中の鉄筋が貫通を妨げたとのことです。

出典：リビング多摩Web

こちらには鉄筋が入っていなかったので貫通してしまったようです。

外階段

出典：リビング多摩Web

外階段のへりが崩れて当時のコンクリートの中身が見えています。銃弾が貫通している壁（約20cm）と同じ厚みです。

慰霊碑

出典：リビング多摩Web

太平洋戦争末期、軍需工場が集まる多摩地域は多くの空襲を受けたそうです。この工場も1945年に米軍による3回の空襲を受け、従業員や動員された学生、周辺住民など多くの尊い命が失われたそうです。

自動販売機で寄付

出典：リビング多摩Web

この自動販売機は売上の一部が変電所の保存・改修工事費用に使われるそうです。設置場所は、変電所裏の「ロンドみんなの体育館」を正面に立ち、右側です。保存にはふるさと納税による寄付金も活用されているとのことです。

出典：リビング多摩Web

寄付できる自動販売機には変電所の写真があります。

花や緑に囲まれて

出典：リビング多摩Web

変電所の周りには平和広場花壇があり、季節ごとに様々な花が咲いています。

出典：リビング多摩Web

開花中の花が紹介されています。

東大和南公園の中

東大和南公園には、通勤通学の方、犬の散歩やスポーツを楽しむ人など、たくさんの人が訪れます。私が見学に来た時も子供たちが昆虫を探していたり水遊びをしていたりと楽しそうでした。銃弾をたくさん浴びた変電所と平和な日常の共存風景が印象的でした。

最後に、戦争で亡くなられたすべての方にお悔やみを申し上げます。

情報

入場：無料学校等の団体見学は、事前に郷土博物館までご連絡ください。郷土博物館 042-567-4800

・写真パネル展多摩地域に今なお残る軍事施設の一部や空襲の傷跡を写真で紹介しています。

日時 2023年7月26日（水）～8月30日（水）までの水曜日、日曜日午前10時30分から午後4時まで旧日立航空機株式会社変電所視聴覚コーナー

2023年年8月19日（土）午後2時から7時40分まで（平和市民のつどい開催時） ※旧日立航空機株式会社変電所の公開日時と同じです。

・展示解説公開を行っている毎週日曜日に職員による展示解説を行っています。（予告なく中止する場合があります）

午前10時45分～午前11時30分（45分）午後2時～午後2時45分（45分）

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