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「LED電球」「白熱電球」の違いは?節電効果&メリットをパナソニックに聞く

  • 2023.8.14
LED電球のメリットは?(パナソニックのホームページより)
LED電球のメリットは?(パナソニックのホームページより)

光熱費の値上げが続いており、省エネ性能に優れた家電の購入を検討している人は多いと思います。家電量販店でLED電球が売られているのをよく見掛けますが、白熱電球と何が違うのでしょうか。どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。パナソニック エレクトリックワークス社 ライティング事業部マーケティング担当の池田政行さんに聞きました。

白熱電球の40倍の寿命

Q.白熱電球とLED電球は、何が違うのでしょうか。原材料や構造上の違いなどについて、教えてください。

池田さん「そもそも、白熱電球とLED電球は発光原理が異なります。白熱電球は『白熱』と言い、内部の細い金属線の『フィラメント』が高温に熱せられることにより、光を発生させています。物が燃えて周囲が明るくなる場面をイメージすると分かりやすいかと思います。

一方、LED電球は『P型』『N型』と呼ばれる2つの半導体から電流と電子を流し、それらが結合することで光エネルギーが発生する仕組みになっています」

Q.LED電球のメリット、デメリットについて教えてください。

池田さん「LED電球は省エネ性に関して大きな強みを持っています。当社のE26口金のLED電球と白熱電球とを比較した場合、白熱電球よりも消費エネルギーが約86%少ないです。これを電気代に換算してみると、白熱電球を使った場合よりも電球1個当たりで年間2880円お得になります。

白熱電球をつけた際に光エネルギーに変換されるのは約1割で、残りは全て熱エネルギーに変換されます。一方、LED電球をつけたときは約3~5割が光エネルギーになるため、少ないエネルギー(電力)で白熱電球のように明るくすることが可能です。

また、一般的な白熱電球の寿命が1000時間であるのに対し、LED電球の寿命は4万時間と、約40倍の寿命を誇ります。ランニングコストを考えるとLED電球は非常にお得で、廃棄物も削減できることから、環境にもとても良い製品です。

ただ、LED電球は内部に約80個の部品が使われている精密機械です。構造は白熱電球よりも複雑で、部品がたくさん詰まっているため、熱にそれほど強くなく、使用環境を間違えると製品の寿命が短くなる原因となります。例えば、ダウンライトなど熱のこもりやすい照明器具の場合、電球にかなりの負担がかかります。

ちなみに、当社の『パルックLED電球』は、『熱を抑える』『熱を逃がす』『熱を避ける』といった3つの熱対策と約120項目に及ぶ試験をクリアした設計で、切れにくく、長寿命を実現しています」

Q.白熱電球を設置していた照明器具にLED電球を使用することは可能なのでしょうか。それとも、LED電球専用の照明器具を購入しなければならないのでしょうか。

池田さん「基本的に使用可能です。ただし、購入時は口金のサイズや電球のサイズにご注意ください。また、光の明るさを段階的に調節可能なLED電球を購入の際は、事前に対応器具をご確認ください。LED電球に対応していない調光器具に取り付けた場合、チラつきなどの現象が発生する可能性があります。

省エネ家電への買い替えを促進するため、補助金制度を実施している自治体もあります。例えば、東京都が実施する『東京ゼロエミポイント』と呼ばれる制度では、対象機器の購入で商品券のほか、LED電球などのLED照明器具が購入できるLED割引券がもらえます。LED電球に交換するきっかけにもなるため、このような制度を活用してみてはいかがでしょうか」

Q.電球が寿命を迎えたときのサインについて、教えてください。

池田さん「LED電球の寿命は、先述の通り、約4万時間です。1日10時間の使用を想定した場合、寿命を年数に置き換えると10年程度といわれています。

つかなくなるまでが寿命と捉え、ご使用いただいても問題ございませんが、使用時間が長くなると照明の明るさが徐々に低下していきます。『購入時よりも暗くなって不便だな』と感じた場合は、新しい電球に買い替えていただくのをお勧めいたします」

Q.明かりがつかなくなった電球を見ると、内部が黒ずんでいることがありますが、なぜこのような現象が起こるのでしょうか。発煙などのリスクはありますか。

池田さん「実際に黒ずんだ電球を確認しないと、原因を特定できません。恐らく内部の樹脂などが経年の熱影響により変色を起こしている可能性があります。この現象により、発煙や発火などに至ることは、ほとんどないと思います」

Q.LED電球や白熱電球をつけっ放しにした場合、どのようなデメリットがあるのでしょうか。

池田さん「電気代は、点灯時間に比例して増えていきます。また、使用時間が増えるほど、製品の寿命が短くなり、買い替えの費用がかさむため、長時間の外出の際は消灯をお勧めします」

オトナンサー編集部

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