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思春期もそろそろ終わりかな。お兄ちゃんが台所に立っているのを見て考えたこと【日登美のタベコト in Berlin・53】

  • 2023.8.14

ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主宰している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイです。

台所は心身の健康バロメーター

思春期の子どもってなかなか難しくて、いつでも親に心を開いてくれるわけでもないことが多いのではないでしょうか。

こちらもついつい言いすぎたり、伝えようと思う言葉はなぜか空回りしたり。子どもたちだって、きっと同じようにうまく伝えられない気持ちを抱えているのだろうなと想像します。そんな叶わぬ恋のような、チグハグな関係をつないでくれるのが、私は台所だと思っています。子どもの様子がどうかな、というのは食事の様子でずいぶんと推し量れるような気がするのです。

ふと見たら、双子のお兄ちゃんがご飯作って食べてました。そういう光景をよく見るようになった今日この頃。思春期もそろそろ終わりかな。
息子の作ったご飯。サラダに目玉焼き。シンプルだけど生き生きしてる。

「ちゃんとご飯食べているかな。どんなもの食べているかな?」大きくなれば外で食べることも多くなりますし、家でも家族みんなの時間が合わなくもなってきます。だけど、食べているものをみればなんとなく心の様子もわかってくる。そして食べ物を用意する、食べる、食べさせるというシンプルな行為は、下手な会話よりうんと心をつないでくれたりして。台所が子育てをうんと助けてくれると言っても過言ではないように思うのです。

今年大学入学試験に合格した次女。試験の前にもしっかりご飯と味噌汁を食べて行ったのでした。それだけでもう大丈夫な気持ちになった。

とにかくこの時期の子どもは、ちゃんと食べていればなんとかなる!というのが私の持論。そして、ちゃんとって言っても、全部手作りですごい献立作ってやらなきゃとかそういうことじゃなくて。子ども自身が作って食べていてもいいんです。私たちが全てやる必要はないのです。自分で作って食べているなら、なおさら大丈夫。そんなふうに眺めます。そして何を食べさせるかより、食べさせたいという思いが伝わることが大事な気がします。

こんなふうに、幼児期の食育とはまた違う「食を通した親子の絆」が思春期にもあるように思うのです。

おちび達はまだ無邪気に台所に立ってます。こうして、作る、食べる、の日常がいつか何かになるのかな。
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