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「活版印刷」入門のためのフランス絵本

  • 2023.8.12

2023年8月8日、活版印刷の世界を描いた絵本『デザインのアトリエ 活版印刷』(グラフィック社)が発売された。著者はフランスでアーティストとして活躍するギャビー・バザンさん。翻訳はみつじまちこさんが担当した。

本書は、2022年にフランスのéditions MeMoから刊行された絵本の翻訳版。フランスの活版印刷工房を舞台に、印刷工が水先案内人となって、奥深い職人の世界を紹介。古代の複製技術からグーテンベルクの活版印刷機の誕生、そして活版印刷のしくみまで。奥深い職人の世界をのぞくことができる、やさしい活版印刷入門ブックだ。

たとえば、はるか昔、コンピューターやコピー機はもちろん、まだ印刷機すらなかったころの筆記具事情も網羅。古代メソポタミアの粘土板、古代エジプトのパピルス、古代中国の絹布(けんぷ)、古代ギリシアの蝋板、古代インドのヤシの葉など、さまざまな時代の「筆記」についてイラストでわかりやすく学習できる。

本と印刷にまつわる歴史や技術の素晴らしさを、幅広い世代の人々と分かち合いたいという願いから生まれた、大人から子どもまで楽しめる1冊だ。

■ギャビー・バザンさんプロフィール
1992年生まれ。南フランスの地中海沿岸で育つ。パリのフランス国立高等装飾美術学校でプリントイメージを専攻し、活版印刷や製本技術を学ぶため、トリノやプラハに滞在。美術学校修了後の2015年より、パリ郊外のサン・ドニにあるアーティスト・クリエーターのための共同施設、ラ・ブリシュ(La Briche)にアトリエをかまえ、ことばとイメージの関係性をテーマに、印刷技術の豊かさとその歴史を探求する創作活動を続けている。

■みつじまちこさんプロフィール
1964年、三重県生まれ。洋書絵本輸入会社を経て、絵本、アート、食の分野を中心に、英語とフランス語の翻訳、執筆、編集にたずさわる。そのかたわら、さまざまな絵本コレクションのアーカイブづくりに取り組む。おもな訳書に、ガートルード・スタイン『世界はまるい』(アノニマ・スタジオ)、ミーシャ・リヒター『エリックとマチルダ』(新教出版社)、P・メンツェル+F・ダルージオ『地球の食卓』(TOTO出版)など。

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