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住宅ローン「繰り上げ返済」新NISAで準備──その2つの理由とは?

  • 2023.8.11
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今の低金利が続いているので、「今は住宅ローンの繰り上げ返済をせず、将来するために、その分を貯めておこう」と考える人もいるようです。いつでも自由に使えるお金を準備するなら、新NISAを使うとよいと考えられる理由が2つあります。

■理由1 新NISAなら住宅ローン金利を上回る運用益を狙える

新NISAで長期の運用をすると、現在の住宅ローンの金利を上回る運用益が期待できます。

2023年8月の住宅ローンの変動金利では、0.3%台の金融機関もあるほど低水準なので、無理に繰り上げ返済せずに、貯めておくほうが余裕資金を万が一のときに使えます。

ただし、預貯金では住宅ローンの金利以上に増やすことはほぼできないので、せっかくなら新NISAで増やしておいたほうがよいでしょう。

●シミュレーション:新NISAで毎月2万5,000円ずつ積み立てをすると……

具体的なケースを考えてみます。たとえば、35歳の人が3,000万円の住宅ローンを35年、金利0.5%で組んだとします(金利はずっと変わらないと仮定)。

この人が、将来、60歳で繰り上げ返済をするために新NISAで毎月2万5,000円ずつ年率2%の積み立てをすると、元利合計で約972万円(運用益約222万円)が準備できます。60歳時点の住宅ローンの残高は約911万円で、準備した資金で繰り上げ返済ができると考えられます。

また、住宅ローンの金利が1.5%とすると60歳時点の残高は約1,023万円です。新NISAの積立額を2万7,000円に増やすと、60歳時点の元利合計が約1,050万円となり、繰り上げ返済で完済できそうです。

注意点としては、あくまでリスクのある運用であって、結果が保証されているわけではないことがあります。ただ、10年以上の運用期間があれば比較的安定した収益が期待できます。

■理由2 新NISAでは投資枠が増えるのでさまざまな資金の準備ができる

現行のつみたてNISAの非課税保有限度額は年間40万円、20年間で800万円なので、繰り上げ返済の資金と老後資金の両方を準備するのは簡単ではありませんが、新NISAなら非課税保有限度額は元金ベースで1,800万円に増えるため、いくつかの目的の準備にも使いやすくなります。

NISAを使わない投資もありますが、長期運用で繰り上げ返済の資金を準備するなら、運用益に税金がかからない新NISAのほうが有利です。通常、222万円の運用益には約45万円(20.315%)の税金がかかりますが、新NISAなら全額受け取れるからです。

最近では住宅ローンの固定金利が上がる傾向にあり、変動金利の人は金利が上がる可能性に備える必要があります。途中で金利が大きく上がった場合、それまで積み立てた資産を繰り上げ返済に回すことも考えましょう。

文・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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