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お盆に夫の実家へ帰省したくない…「家事と親戚づきあい」という重労働をパスできる"最強の代替案"

  • 2023.8.9
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いよいよお盆の帰省シーズンがやってくる。ひと昔前は当たり前だった夫の実家への帰省も、本音を言えば「行きたくない」と思う女性は多い。話し方コンサルタントの阿隅和美さんは「自分の気持ちを大切にしながら、義理の家族との関係を壊さないような帰省の断り方はいくつか考えられる」という――。

タブレット端末の周りに集まる3世代の家族
※写真はイメージです
お盆の親戚の集まりが苦手という“嫁”は少なくない

お盆休みは、帰省のシーズンです。しかし、特に女性が夫の実家に帰省するのは気が重い、できるなら避けたいと思うケースが多いようです。

帰省したくない理由は、「交通の便が悪く移動に時間がかかる」「移動が疲れる」「交通費がかかる」などの移動の負担が大きいという理由のほか、「女は家事をしろという無言の圧力を感じて居心地が悪い、気疲れしてしまう」「お盆の親戚の集まりが苦手」「義母と考え方が合わない」「年配の親戚が生活や子育てに干渉してくる」など、価値観が違う人たちとの関係が煩わしいという声もあるようです。

このように、帰省したくない理由は様々のようですが、帰省を断るにしても義父母と今後もお付き合いをしていく訳ですからできれば角を立てずに上手く断れたらいいですね。そこで、今回は、「お盆に夫の実家に行くのは気が重い」という女性が、義父母や親戚の気分を害さない帰省の断り方について考えてみましょう。

「仕事があっていけません」という理由はどうか

どうしても親世代とは育児や生活習慣に対する考え方が違うので、決して悪気はないにしても、義母のときどき発する何気ない一言がいちいち気に障るという方もいるようです。どんなに仲が良くても、やはり世代によって価値観や考え方には違いがあります。お互いを尊重しつつ良い関係を築くのが理想ですが、馬が合わない場合もあるでしょう。

そういう場合はある程度、距離を取っておいた方が関係性を良く保てることもあります。まずは、あなた自身が義父母とどのような関係性を保ちたいかによって、帰省を断る理由を選択してはいかがでしょうか。

仕事を理由に断るのは、最も使いやすく一般的な言い訳です。ただ、義母や親戚から「いつも仕事優先で家族は後回し」「いつも仕事ばかりで家族がかわいそう」等と皮肉や陰口をたたかれても仕方がないと覚悟を決めた上で、使う方がよさそうです。

とはいえ、仕事を理由にする場合でも伝え方が肝心です。自分から望んで仕事を入れたのではなく、「どうしてもシフトの関係で休めなくて……本当は行きたいのですが、残念です」等と、やむを得ないというニュアンスで伝えましょう。

子どもがいる場合は「父子だけの帰省」を夫に相談してみる

子どもがいる場合、「子どもたちが寂しがる」という理由で、気が乗らなくても帰省をするという方が多いようです。自分にとって相性が悪くても、子供たちから見ると優しいおじいちゃん、おばあちゃんであることが多いですし、子どもも従兄弟などと一緒に遊ぶことを楽しみにしています。それに、都会に住んでいたら、帰省をして田舎でしかできない自然の中での遊びを体験できる機会でもあります。

自分は行きたくないけれど、孫には会わせてあげたい。息子である夫と孫に会えれば嫁はこなくても大丈夫という義父母もいるでしょう。そんなときには夫と子どもだけで帰省する「父子帰省」を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

公園で子供と遊ぶ父親
※写真はイメージです

ここでの伝え方のポイントは、夫の発案にすること。夫がいつも忙しい妻の体調を気遣って、「朝から晩まで仕事と育児で疲れているようだから、たまにはゆっくりさせてあげたい」と言いだしたということにしてもらえるといいでしょう。

ただし、全てを夫任せにするのではなく、ご自身が直接電話で伝えたほうが、印象は良いと思います。

義理の両親にとって“感じが悪くない”断り方の例

例えばこんな断り方はどうでしょうか?


「こんにちは、○日から帰るつもりでいたのですが、仕事が入ってしまって私は伺うことができません。

○○さん(夫の名前)と子どもの予定は大丈夫なので、近くなったら○○さんから連絡がいくと思います。到着時間など相談していただけるとうれしいです!

○○(子どもの名前)もおじいちゃん、おばあちゃんに久しぶりに会えるのを楽しみにしているようです。

どうぞよろしくお願いします。」

もし、夫が理解をしてくれて、ある程度子どもも大きく家族の了解を得られるのであれば「家族の予定が合わないのでお盆に帰省できません」という理由は使いやすいでしょう。例えば、子どものアルバイト、塾、部活があって、「ひとりにしておくわけにはいかない」などといえば、おそらく、義父母もかわいい孫を悪くいうことはなく、角も立ちにくいでしょう。

体調不良や感染症が流行っていることを理由にする

体調不良を理由にする時には、「体調不良で行けません」と事実をそのまま伝えるよりも、相手に迷惑をかけたくないというニュアンスで伝えたほうがいいでしょう。

また、帰省先に年配の方が多い場合、自分たちが都心に住んでいるなら、まだ「帰省は感染リスクが高いので控えます」と、当たり障りなく断ることができそうです。この場合も、「不安に思っている理由=相手に迷惑を掛けてしまうと申し訳ない」として、一人で決めたのではなく「夫婦で相談した」と伝えることがポイントです。


「数日前から体調不良で会社を休んでいます。お盆期間中は病院もお休みですし、万が一、そちらで寝込んだりして皆様にご迷惑をかけるといけないので、大事をとって帰省は控えます」

「帰省ですが、夫婦で相談しまして、保育園や職場で感染症が流行っているので、ご年配の方にうつしてしまっては申し訳ないので、大事をとって今回は控えようということになりました。状況が落ち着いたらまた家族で遊びに行きます」

赤ちゃんをひざにのせて仕事をする母親
※写真はイメージです
断るときは電話で話し、フォローも忘れずに

帰省を断る場合は、メールやラインではなく誠意が伝わりやすい電話がおすすめです。その際、夫の実家に電話を掛けて、いきなり帰省できないと切り出すのではなく、まずは、「お元気ですか?」「お変わりありませんか?」などご機嫌を伺い、何か話したいことがありそうなら話し相手になってあげましょう。義母のたわいない話に付き合ってあげるだけでも、うれしいものです。そして、一通り話が終わったタイミングで本題に入りましょう。

「帰省できなくて残念です」という気持ちをにじませる

帰省できない理由を伝える時には、「申し訳ないのですが」「本当は行きたいのですが」など残念さを伝える「クッション言葉」を挟むと、断りの印象が緩和されます。

また、お断りをするときには「行けません」ではなく「行けないのですがいいですか」と疑問形にするのもポイントです。「いいですか?」と聞かれたら、さすがに「ダメ」とはいいにくいものです。

もうひとつ肝心なのは、「またの機会に伺います」「今回は行けないけどお正月は帰省します。いいですか?」等、必ず気遣いの一言を添えるのも忘れずに。与える印象が変わります。

「実は、私、どうしても仕事を休めなくて、お盆に帰省できないのですが、○○(こどもの名前)はすごくおじいちゃん、おばあちゃんに会いたがっているので、もしよければなんですが、子どもと夫で帰ってもいいですか? 私は、また別の機会にお顏を見にいきます」

義父母が嫌でなければ、帰省の代案として旅行に誘う手も

お盆の時期に夫の実家で過ごすのが、気が重くなる理由であれば、顏を合わせる場所と時期を変えてみてはいかがでしょうか。もし、お盆の時期の帰省で何日もいるのは嫌だけど時期をずらして1泊ぐらいなら一緒に過ごしてもいい場合や、親戚の集まりが苦手、実家にいると家事の手伝いをしなければならず疲れるというのが帰省したくない理由なら、代替案として旅行に誘ってみるのもいいでしょう。

時期を外せば宿泊費が安くなるところもありますし、現地集合、現地解散で部屋を別にすれば、ご飯の時間だけ顏を合わせれば済みます。また、数時間観光で一緒に過ごす程度なら、生活や子育てに深く干渉するような会話にもなりにくいでしょう。

まずは、夫に「家族でお盆シーズンに帰省するより時期をずらした温泉旅行のほうがリーズナブルで楽しい」と提案をしてみましょう。もし理解が得られたら、義母に「いつもお疲れになっているので、今年は温泉でゆっくりしてもらいたいと思って……。早割の宿を見つけたので予約したいんですがいいですか?」などと伝えてはいかがでしょうか。

義理の両親に無理して合わせる必要はないが関係は良好に

離れて暮らしているからこそ、誕生日や父の日・母の日などに贈り物をしたり、イベントごとに子どもの成長を写真や動画で見せたりというコミュニケーションは大切にしたいものです。帰省を断り、会える機会が減る分、意識をして「大切に思っている」ことを伝えてよい関係を保ちましょう。

いかがでしょうか。いくら帰省は気が重いからといって、「帰省したくない」とストレートに伝えるわけにもいきません。もちろん、私の周りには仲の良い義母と嫁もいます。ただ、こればかりは相性というものがあると思いますので、無理に合わせるとストレスが溜まってしまうという方は、上手な断り方を探ってください。いずれにしても、帰省を楽しみにしている義父母に断るのであれば、全く角が立たない断りは難しいと思いますので、どうぞご家族と相談をした上で、なるべく気分を害さない伝え方をしてみましょう。

阿隅 和美(あすみ・かずみ)
WACHIKAコミュニケーションズ代表
青山学院大学経営学部卒業。中部日本放送アナウンサーを経て、NHK衛星放送キャスターとして、株式市況、世界のトップニュースを10年担当。20年にわたり、スポーツ、経済、情報番組に関わる。アナウンサー名は瓶子和美。現在は、TV現場で培った技術を活かし、ビジネス現場でコミュニケーション力を発揮し、成果を出す人材を育成する研修、講座、講演を行っている他、経営層・管理職、エグゼクティブリーダー向けプレゼン・スピーチのパーソナルトレーニングやコンサルティングなどを実施している。著書に『心をつかみ思わず聴きたくなる話のつくり方』(日本能率協会マネジメントセンター)、『仕事ができる人の話し方』(青春出版社)があり台湾でも翻訳されている。ホームページ

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