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使い捨て箸を再利用するSDGsなスタートアップ?バンクーバーの〈チョップヴァリュー〉

  • 2023.8.8
バンクーバーの〈チョップヴァリュー〉

3つのポイント

  1. 1億本の箸をアップサイクルし家具や雑貨に。
  2. 9ヵ国92ヵ所でフランチャイズ工場を展開。
  3. 家具や雑貨、住宅のリノベーション素材にも。

カナダ発!使い捨て箸を再利用するSDGsなスタートアップ

使い捨ての箸に第2の命を吹き込む企業がカナダにある。創業者のフェリックス・べックは、大学および大学院で木工学を学び、ドイツの総合化学メーカー〈BASF〉にて竹ベースの繊維複合材の研究開発者として勤務した経歴の持ち主。アジアのフード文化を敬愛し、自らの体験の中で“箸の矛盾”に気づいた。

「使い捨て箸は数分の用途のために製造破棄される一方、夫婦箸や幸せの橋(箸)渡しのような特別な意味を持つ。もともと同じ資源なら、捨てられた箸も特別な製品に再生できる」と踏んだのだ。その後、竹の構造学でブリティッシュ・コロンビア大学の博士号を取り、2016年に〈CHOPVALUE〉をたった1人で起業した。

「SMILE Shelf」
「SMILE Shelf」(269CAD〜)は人気商品。

世界9ヵ国、92ヵ所でフランチャイズ工場「マイクロファクトリー」を展開。輸送エネルギー削減のため、箸の調達、製造、販売まで現地で行う業務形態をとる。ライフスタイル雑貨からオフィス家具、店舗や住宅用の素材まで、デザインから一貫して生産している。現在は40人の本社社員がおり、工場で働くスタッフの数を合わせると100人以上の規模にまで成長した。

大量の回収された割り箸
バンクーバーだけで1日35万本の箸を回収。
油圧プレスされた割り箸
6時間高温で油圧プレス。
チョップヴァリューCEOのべック
CEOのべック
割り箸によって作られた階段
階段も施工可能。1段に1,867本の箸が。
〈Natural Pod〉と制作したキャビネット378CAD
〈Natural Pod〉と制作したキャビネット378CAD。
割り箸で作られたテーブル
テーブルは〈Tim Hortons〉でも採用される。
割り箸で作られたスタンド
スマホ用(15CAD)やPC用(67CAD)のスタンドも。
割り箸を利用したリノベーション
個人宅の壁のリノベーション例。

製品はカナダを代表する小売企業〈Hudson's Bay〉でも取り扱いがあり、各主要都市で実際に手に取ることができる。創業以来、製品化してきた箸の数は、なんと1億本余り。年間140億膳の使い捨て箸を消費する“割り箸大国ニッポン”は、彼らが目指す最大のゴールだという。

Information

チョップヴァリュー

CHOPVALUE(チョップヴァリュー)

公式サイトにてオンライン購入可能。国際配送も対応するが、地産地消を目指し世界各都市で拠点の設置を進めている。
住所:358 East Kent Ave S #102 Vancouver
Instagram:@chopvalue

*1カナダ・ドル=102.74円(2023年6月1日現在)

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