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「日本にこんないいものがあるんだ」手に触れる感覚、音…”癒やし”をくれる身近な伝統

  • 2023.8.7

伝統工芸の1つ、和紙によるものづくりを続けるアーティストに密着しました。

HBC「今日ドキッ!」の、カメラマン発の企画。
指先から届く音に耳をすませながら、こだわりの映像をお楽しみください。

”ORITO”

札幌市の住宅街にたたずむアトリエ。

Sitakke

名前は、「ORITO(オリト)」。『折る人』を意味する造語です。

Sitakke

アクセサリーなど、精巧に作られた作品。素材はすべて、和紙です。

Sitakke

品田美里さん。和紙と向き合い、10年になります。

Sitakke

「紙が手に触れて、折ったときの触感が好き」

品田さんが折るたびに、和紙をなでる音が心地よく響きます。

Sitakke

「うん、いいと思います」

Sitakke

完成したのは、光を広げるランプシェード。

Sitakke

創作に、決まった折り方はありません。

「直感的に、その瞬間瞬間に折りたいと思う方に折っていったら、形が目の前に現れる」

紙を折ることに惹かれたのは…

札幌出身の品田さん。美術を学校などで専門的に学んだ経験はなく、”折り”は独学で始めました。

きっかけは10年前、札幌の冬景色に「ハッと感動して、こんな美しいんだ、きれいって思った」こと。
当時、「20代をひとりで踏ん張ってきて、いいものも悪いものも自分の中にため込んで、ドロドロしたものが溜まっていた」という品田さんは、美しい景色に心動かされ、「きれいなものを表現したい」と思ったといいます。

Sitakke

そんなとき、ふと手にしたのが紙でした。
「手を動かしたときに、真っ先に手が伸びたのが紙で、7時間でも8時間でも平気で折れた。自分でも集中できる体験が初めてで、ハッと我に帰ったら、目の前に作品が生まれていたような経験をしたのが最初でした」

伝統をつなぐ

和紙を折ることは、日本の文化に触れること。日本にこんないいものがあるんだ、すばらしいものがあるんだと気軽に体験できる」

Sitakke

伝統工芸品の一つである、和紙。
つないでいきたい想いがあります。

「和紙職人さんがどんどん廃業していく中で、それをどうにかしたい。和紙を守りたい、そのために自分の‟折り”を提供したい

紙を折る魅力を伝える、ワークショップも開いています。

Sitakke

「裏もきれい」と、和紙に見惚れる参加者も。「肌ざわりがいいので、すごく折っていても癒されます」と話していました。

品田さんは、「和紙に触れて幸せになる人たちを見ているから、これを残していけたらいいなと思って」と話します。

Sitakke

「紙ってものを作る身近なものだと思うんですよ。アートとか敷居が高いものじゃなくて、誰でもアーティストになれる。絵を描くことは苦手でも、紙を折ることは楽しいかもしれないし、表現する楽しさを体験するきっかけを作れたらなと思います」

折ることで癒され、幸せになる。きょうもその一折りに、想いを込めます。

撮影:谷内翔哉
音声:高野篤丸

文:HBC報道部、Sitakke編集部IKU

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2023年7月20日)の情報に基づきます。

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