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「有象無象」とはどんな意味?動物の「象」とはなにも関連はない!?

  • 2023.8.4

世にたくさんあるものを意味する「有象無象」。 「象」という漢字から、鼻の長い動物のゾウとの関連性を考えてしまいますが、両者には特段結びつきはありません。

そこでここでは、この「有象無象」がどのような言葉なのか、その意味や由来、類義語について解説します。

「有象無象」とは

 

まずここでは、「有象無象」がどのような意味の語句なのか、どのように用いるのか見ていきましょう。

「有象無象」の意味

有象無象は、主にネガティブな意味合いもあります。

世にたくさんあるもの、という意味と表現すればフラットな意味合いにも思われますが、実際に用いる際にはネガティブな要素が強くでます。 数こそ多いものの雑多でくだらないもの、群がっているだけで取るに足りない存在、またはろくでもない人々といった意味で用いられることもあります。

「有象無象」の用い方

有象無象は、取るに足らないくだらない連中という意味なので、聞き手に向けて用いるには失礼な言葉となります。 そのため、ビジネスの場で取引先や上司といった目上の人に対して用いる語句ではありません。 もちろん、蔑みの表現となるので後輩や部下に対しても人として使用しないほうがいいでしょう。

「有象無象」の由来

 

今ではネガティブな表現のひとつとされる「有象無象」ですが、もともとはそのような語句ではなかったのだとか。 そこでここでは、「有象無象」の成り立ちについて見ていきましょう。

原型は「有相無相」

有象無象は、仏教用語から来た言葉とされています。 あらゆる存在をあらわす「有相無相」が転じて生まれたとされるのです。 この「有相無相」の「有相」は姿形あるものを、「無相」は姿形のないものを表しています。

「象」があらわすもの

「有象無象」の「象」は、動物のゾウのことではありません。 ここでいう「象」は、ものの形のことです。 音読みはゾウやショウですが、訓読みは意味そのまま「かたち」「かたどる」となっています。

「有象無象」の類義語

 

有象無象の類義語としては、「烏合の衆」や「森羅万象」などがあげられます。 それぞれどのような言葉となるのかを見ていきましょう。

烏合の衆

ただ数ばかり多い群衆で、まとまりも統率もないことを「烏合の衆」と言います。 たくさんのカラスが集まって騒いでいる様子から生まれたともされています。 寄せ集めの集団という意味で用いられることもあります。

森羅万象

森羅万象、その意味は「この世界に存在するすべての物事や現象のこと」です。 森羅は樹木がどこまでも無数に広がる様子を、万象が形のあるものすべての物事や現象をそれぞれあらわしています。

この言葉は、日常用語で用いられる頻度はあまりないですが、政治家が時折使用する言葉となっています。

有象無象の類義語というよりも、原型となった「有相無相」の類義語といったほうが正しいかもしれません。

まとめ

「有象無象」は、非常にネガティブな意味合いの言葉です。 群がっているだけの取るに足りない存在やろくでもない連中という意味で用いられます。

その由来は以外にも仏教用語で、あらゆる存在を意味する「有相無相」が転じた言葉とされています。

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