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俳優・稲葉友さん「もし自分が幽霊になったら、会いに行きたい相手は…」【映画公開記念スペシャルインタビュー】

  • 2023.8.5

存在感のある演技で活躍の場を広げる俳優・稲葉 友さん。橋本 淳さんとW主演を務めた映画『よっす、おまたせ、じゃあまたね。』が、本日6月16日(金)より公開!劇中で“自称幽霊”という難しい役どころを演じた稲葉さんに、役作りや作品に込めた想いを伺いました。

「死」を特別意識せず、役と向き合いました

『よっす、おまたせ、じゃあまたね。』は、引き籠りの男・ちばしん(橋本 淳)の元に、かつての親友・ながちん(稲葉 友)が「俺、死んでるから死体を見つけに行って欲しい」と、突拍子もない相談をすることから始まる。

−−自称“幽霊”という役どころを演じるにあたり、どのような役作りや準備をされましたか?

もう死んでいるという設定は映画の中で重要な要素なので、いろいろと考えたんですけど……結果、とくにそこを意識しなくていいのかなという結論に達しました。逆説的ですけど、日常生活をするうえで「今、生きているな」と意識して生きているわけじゃない。何かを考えたり行動したりするときも、「生きているから…」という思考でスタートするわけではない。なので、特別“死んでいる”というフィルターをかけずに、ながちんというキャラクターを捉えました。

−−撮影期間は1週間ほどだったそうですが、橋本淳さん演じる“ちばしん”との親友らしい、テンポのよい掛け合いはどのようにして生まれたのでしょう。

とにかく2人の会話シーンが多かったので、大事なポイントについては話し合いましたし、時間さえ合えば常にどこかの台詞をブツブツと言い合っていました。それから、演じる中でふと疑問に思ったことは、すぐ橋本くんにぶつけて意見を聞いていましたね。橋本くんとは、10年ほど前に舞台でご一緒させてもらったことがあって。それ以外でもお互いの作品を観に行ったりと、ずっと仲良くさせてもらっている先輩であり、尊敬する俳優さんです。なので、壁を感じることなく、僕が甘えさせてもらった感じでした。

親友との忘れられない思い出は、江ノ島にドライブへ行ったこと

−−作品では、時を経ても変わらない2人の友情が印象的でした。稲葉さんは、久しぶりに再会する友達とも昔と同じテンションで会えるタイプですか?それともちょっと距離が生まれる?

一度濃い時間を共にした相手であれば、いつ会っても変わらないかな。この作品に参加するにあたって、「自分だったら、ちばしんに当たる人は誰なんだろう」と考えたときに、地元の友達が頭に浮かびました。実家が近くて、幼稚園から中学校まで一緒だったヤツなんですけど、別に2人でどこかへ出かけたりするわけではないのに、ずっと仲がいいんです。正月に帰省したときはなんとなく会いますし、最悪本人は不在でも、そいつの実家には顔を出すみたいな(笑)。そんなテンションですね。

−−親友との“忘れられない思い出”というと何が思い浮かびますか?

忘れられない思い出だらけですよ(笑)。でも強いて挙げるなら……僕、神奈川出身なんですけど、地元のツレの誰かが運転免許を取ったら、とりあえずみんなで江ノ島までドライブに行くのが恒例行事で。とくに目的とか何も無いし、ただただ車の中で喋っているだけなんです(笑)。でもそういう時間が、この作品に映っている空気感と似ているのかなって思います。この仕事をさせてもらうようになってから、出会う人の数は格段に増えましたけど、“友達”や“親友”になれる人ってそう多くはない。そう思うと、何気ない時間を共有できる人って貴重だし、大切ですよね。

しばらく会っていない大切な人を思い出すきっかけになってほしい

−−ながちんは思いやりの気持ちを秘めながらも、表面では自分勝手で無鉄砲なキャラクターでした。稲葉さんとの共通点は?

うーん、あんまりない(笑)。僕は、ながちんほど人を巻き込みながら生きられないし、彼ほどカリスマ性や吸引力を持ちあわせていない気がします。自分ならこんな風には振る舞えないな……と思いながら演じていましたけど、全く違う人になりきれるのは俳優業の醍醐味ですよね。

−−作品を通して、どのようなことを伝えたいですか?

例えしばらく会っていなくても、死ぬ間際や、死を悟ったときに思い出す人っていると思うんです。この映画は、そんな大切な人のことを思い出させてくれる、温かくて優しい作品です。CLASSY.読者の方は僕と同世代の方が多いので、「学校を卒業してから10年会っていないな」とか「最後に会ったのは成人式だったな」とか、ふと懐古しやすいタイミングだと思います。きっと大切な誰かに思いを馳せるきっかけになるはずなので、ぜひ観ていただけたら嬉しいです。

映画『よっす、おまたせ、じゃあまたね。』

橋本 淳 & 稲葉 友のW主演!引きこもりの男“ちばしん”を自称幽霊の“ながちん”が連れ出して始まる、可笑しくも切ないロードムービー。
6月16日(金)〜渋谷シネクイントにて1週間限定レイトショー。
6月23日(金)〜アップリンク吉祥寺、kino cinema立川髙島屋S.C館ほか全国順次公開予定


フォトギャラリー(全5枚)

衣装詳細:ジャケット¥63,800(スティーフ/スティーフショールーム 03-6721-0549)シャツ¥13,200(ヌワールファブリック/ジーンズ ファクトリー 卸団地本店 088-861-5100)パンツ¥35,200(ハビィー/ハビィー 03-6555-5451)シューズ¥16,500(ヴァリジスタ グローバル スタジオ/アースマーケティング 03-5638-9771)

撮影/木村 敦 ヘアメーク/永瀬多壱 スタイリング/添田和宏 取材・文/伊藤綾香 編集/平賀鈴菜(CLASSY.ONLINE編集室)

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