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花切り鋏や剪定鋏など、5種類の園芸用ハサミの選び方とお手入れ方法

  • 2023.8.5

たっぷり実った果実の収穫や、花殻摘み、剪定など、ガーデンシーンに園芸鋏は欠かせません。ちょっと庭に出る時にも、鋏はポケットに入れていく方が多いのではないでしょうか。今回は、そんなガーデニングの相棒、鋏について、種類や手入れの方法などをおさらいしてみましょう。

園芸用ハサミの種類

園芸用ハサミを購入するときは、ぜひ切れ味のよいものを選んでください。生きている植物を切る園芸鋏は、植物にとっては手術のときに使うメスと同じ。切れ味のよいハサミでスパッと切ると、組織に余計な傷がつかないので回復も早く、植物への負担が軽くなります。それに、よく切れるハサミが一本あると、ハサミを使った作業がとっても気持ちよく進められるようになります。剪定時など、ハサミの切れ味を体感したいがために、ついつい切りすぎてしまうほどです。

さて、一口に園芸用ハサミと言っても、その種類はさまざま。用途に合わせて刃の形やハンドルなどが、最適な形に調整されています。ここでは、タイプごとにハサミの違いをご紹介します。

クラフト鋏

一つあると便利な軽くて万能なハサミ。花がら摘みや収穫、細い小枝の剪定にまで幅広く使えます。もちろん、麻紐を切ったり、ラベルを外したりといったクラフト的な用途もお任せ。持ち手はプラスチック製で千円前後とリーズナブルなので、切れ味が悪くなったら新しいものと交換するくらい気軽に使いましょう。

植木鋏

ガーデニング作業全般に使える植木鋏。特に、やや細めの枝の剪定や生花を切る時などに向きます。植木鋏もクラフト鋏同様、万能バサミとして利用できます。写真は、弧を描くように丸みを帯びたハンドルが手に馴染む、伝統的な大久保鋏。自分の手の大きさと同じ長さの鋏を選ぶと扱いやすいです。

芽切り鋏

枝葉が込み入った場所などで、細かい葉や枝を切る時に活躍するのが芽切り鋏。隙間に差し込んで使える細長くて小ぶりなハサミなので、周囲を傷つけずに狙った枝だけを切ることができます。太い枝を切ることはできませんが、手が入りにくい場所がある小さな鉢植えや盆栽の手入れなどにぴったりです。

ハーブ鋏

まるで手芸用の糸切り鋏のような、手の中にすっぽり収まる可愛らしいハンディな形。持ち運びに便利で、必要な時だけ取り出して使える機動性のよさが魅力です。コンパクトな刃は細い茎を切るのに向いているので、ハーブの収穫や、カッティングガーデンでの花摘みなどに。

剪定鋏

カーブを描く大きな刃と、反り返った受け刃が特徴的な剪定鋏。とても切れ味がよく、力を入れやすい構造なので直径1cmを超える太めの枝も切ることができます。使わない時は刃が開かないようにロックを掛けておくと安心。バラや樹木の剪定に、一つあるとガーデニングの楽しみがぐっと広がります。大きな刃が上になるように持ちます。

心地よい切れ味を保つためのハサミのお手入れ

生きている植物を切る園芸用ハサミは、ヤニやさびが付きやすいもの。毎回使った後にヤニなどを拭きとってはいても、次第に汚れて切れにくくなってしまいます。切れ味の落ちたハサミは、植物にとっても負担ですし、使いにくくてガーデニング作業が億劫になります。そうなる前に、ちょっと刃が汚れてきたなと思ったら、簡単にお手入れをして切れ味を復活させましょう。

準備するもの
  • オイル(オリーブオイルや椿油など家にある植物油でOK。石油やベビーオイルなどの鉱物油はNG)
  • サンドペーパー(目の細かい耐水性のもの)
  • ふき取り用の布(ウエス)

*油の中には乾くとベタつき、換気扇汚れのように固形化するものがありますが、椿油とオリーブオイルはいつまでもサラサラと液状です。特に椿油は非常に酸化しにくくおすすめ。

汚れたハサミの刃にオイルをつけ、サンドペーパーで軽くこすって磨いていきます。力を入れすぎると手を切ってしまったり、刃のかみ合わせがずれたりすることがあるので気を付けましょう。刃の両面を磨いて汚れが落ちたら、布で油と汚れを拭きとっておしまいです。

お手入れ前
お手入れ後

ほんの数分で、黒ずんでいた刃がピカピカに。刃を動かしても引っかかりがなく、切れ味も復活。ストレスなく使えるので、ガーデニング作業がよりスムーズに進みます。使った後に汚れを拭きとることに加え、時々こうしてお手入れをしてやることで長く使うことができます。剪定鋏など、専門の刃物屋で購入したハサミがこの方法では切れ味が悪いままと感じたら、研ぎ直しに出すことをおすすめします。

愛着ある庭道具でガーデニングをもっと楽しく

今回は、家庭用のコンパクトなタイプのハサミをご紹介しましたが、育てる植物が多岐に渡れば、生け垣などを一度に刈り込める大きな刈込鋏や、太い枝を剪定する剪定鋸なども必要になってきます。栽培経験に合わせて、少しずつ道具が増えていくのもガーデニングの楽しみです。お手入れをした切れ味のよいハサミを使えば、ガーデンの花々への負担も軽くなりますし、何より使い心地のよい道具には愛着も湧いて、作業がとても楽しくなります。庭道具にこだわりが出てきたら、ガーデニングの腕がどんどん上がりますよ。

Credit
写真&文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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