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小池栄子のお悩み相談室 /第12回:「リアクションが下手で、笑顔が引きつっている時も…。どうしたら小池さんのように素敵なリアクションができる?」 (30歳・編集、ライター)

  • 2023.8.2

仕事、プライベート、家庭生活含め、日々頑張っている人ほど悩みは尽きず、誰かに聞いてもらいたい、いいアドバイスが欲しい…そう思っている女性たちの声がHanako編集部に寄せられています。そこで、女優としてひときわ存在感を放ち、かついつもスパッと気持ちのいい発言をされている小池栄子さんに、人生の先輩としてアドバイスをしていただくこととなりました!隔週更新でお届けします。

――表に出る側として小池さんは、リアクションや上手い返しをサラッとやっていらっしゃるように見えますが、そこに行き着くまでに、どのような努力をされたのでしょうか。

本日のお悩み

人と話しているとき、リアクションや返事が下手で、いつも帰りの電車や入浴中に「あの言い方はよくなかったかな…」とか考えてしまい、一人反省会をしてしまいます。聞いた話によると、自分では笑っているつもりが、引きつった笑顔のときがあるそうで…(泣)。どうしたら、小池さんのように素敵なリアクションや返しができるようになりますか?(30歳・編集、ライター)

――自分のリアクションをあとで反省することって、誰にでもあるような気がしますが、小池さんはいかがでしょうか。

私も、できているかわからないですよ。自分ではうまく笑っているつもりでも、相手から見たら引きつって見えるかもしれないし…。それこそリアクションだって、あ、いま違ったかも…相手がちょっとムッとしてるなとか気になることもあれば、「ですよね」のタイミング違ったかな、とか思うこともあるし。

――いやいや、我々一般人からすれば、本当にいつも素敵なリアクションや相槌をテンポよく打たれているように見えます。そういうのって、ご自身で研究されたのでしょうか。

改まって研究したことはないんですが、いろんな仕事が重なってすごく忙しい時に、面白くないときでも、何でも笑っていた時期あったんです。そしてある時ふと、これってただのマシーンだな、って感じて。そこから、自分のリアクションについて客観的に考えるようになり、変わったかもしれません。嘘っぽい反応って、自分はごまかせていると思っていても相手に伝わっているし、それならば、うまくリアクションできないとしても、「素直な気持ちを伝える」ことを怖がらなくていいんじゃないかと思うようになりました。

――なるほど、「素直」がキーワードですね。また、この相談者のように、あとから、あのリアクションよくなかったかも…と思ったことはありますか? そしてその場合はどうされたのでしょうか。

さっきの言い方よくなかったかな、と思うことは、私にもしょっちゅうありますよ。でもそう思った時はあとから連絡して、「ごめんね、あの時の言い方イヤだったよね」とか「イライラしちゃって、いつもよりも強い口調になってたかも」などと伝えるようにしています。こういうのって、なるべく時間を空けずに言うこともポイントのような気がします。

――時間を空けてしまうと、どんどん言いづらくなるし、向こうも今さらなに? っておおげさに捉えてしまうかもしれませんしね。

そうそう。もし同じ職場の人とか、しょっちゅう会う人なら、翌日までに言うとかね。やっぱり素直に伝えるのが一番いい気がします。そもそも家で一人で、ああ思われたかな…どうしようって考えていても、一切答えは出ないし、何も前進しないですから。すぐにリアクション上手になることは難しくても、してしまったことを謝ることは今日からでもできる。とにかく相手に何かイヤなことをしてしまったと思った時は、まず、どんな形にせよ相手と接点を持つことが大事だと思います。

――接点とは、例えばどんなふうにですか?

「今日ランチ行きません?」とか「このドリンクもらいすぎちゃったので飲みませんか?」と話しかけてみて、その流れから「いやぁ、この前すみません。恥ずかしいこと言っちゃって」って、探り探り近づいてみる。そうすれば「ホントだよ!」って言われるかもしれないし、「え? なんの話だっけ?」って意外と忘れているかもしれない。相手があって悩んでいることは、自分だけで悩んでいても解決しないこと。とにかく、悩んでいたことの答えが、相手に話しかけて初めてわかると思うんですよね。

――おっしゃる通りですね。相手がどう思っているかを知って初めて、答えが出せるというか。それを続けていると、だんだんリアクションや返しが上手くなっていくものなのでしょうか。小池さんの場合は、いかがですか?

私の場合は、コミュニケーションの取り方をいろいろ試してみるようにしています。例えばほぼ初対面の先輩相手に緊張しているとしたら、「意外と二人だけになったことがないから、いま緊張しているんですけどどうしましょう」、「沈黙しちゃって恥ずかしいです」、なんて素直に言ってみたり。そうすれば相手は「緊張しなくていよ」とか「無理して話さなくてもいいから」って言ってくれる場合もありますし。とにかく素直に言葉にしちゃう。

――なるほど〜。いろいろ試してみるのはもちろん、「うまくコミュニケーションが取れないかもしれない」ということまで素直に口にするんですね。

だって相手によって正解は違いますもん。無理に話しかけようと気を遣ったり、上手なリアクションをしようと頑張ったりしたところで、本当はそっとしておいて欲しい人もいるだろうし。素直な気持ちをベースに持ちつつ、いろいろ試しながら失敗することで、学んでいけると思います。

人とのコミュニケーションは怖いことじゃないから、楽しんだほうがいい。

――以前からお話を聞いていて思うのですが、小池さんは、相手に緊張させないようにとか、リラックスしてもらうことを心がけているように見えます。

そうしているつもりなんですが、あとから後輩に「初対面のとき、実は怖かったです」とか、みんなでご飯行こうって時に「説教されそう…(笑)」なんて言われたこともありますよ。はっきりしていて、強い印象があるんでしょうね。この前も、私のだらしない一面を他の人に話していたら、それを聞いていた後輩から「え、安心しました。私も自分のことを話しても、叱られないんだって楽になりました」って言われて、結構ショックで(笑)。

――そう思われていたことがですか?

はい。さっき、コミュニケーション方法を色々試してみると言ったんですが、後輩と2人になった場合「気まずい? 緊張しちゃう?」とかって聞いたりして、自分では気を遣いつつ、心地よい距離を探っていたつもりだったんですけど、後輩には伝わってないことがあるんだな…って思ったんですよね。

――小池さんにも、そんなことがあるんですね。でも、普段のコミュニケーションで、いましくじったな…と思ったとしても、たった一回の失敗で縁を切られるなんてことはそんなにないですよね。

そう思います。リアクションを上手に取れるようになるには、失敗しながら色々試す以外ない気がします。相手と接点を作って探ってみるとか、素直に謝ったりしつつ、今後同じことを繰り返さないように気をつける以外ないんじゃなかな。
人間関係の構築とかコミュニケーションって怖いことじゃないし、失敗しても全然やり直しはきくと思うんです。それなら、楽しんだ方がいい。相手との相性もあるし、なんなら、上手く行くほうが珍しいと思うぐらいのスタンスで、いろいろなやり方を試してみるといいと思いますよ。

こいけ・えいこ/1980年11月20日生まれ、東京都出身。舞台、映画、TV、CMなど幅広く活躍。近年出演した主な作品は、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、ドラマ『競争の番人』ほか多数。一方で、現在放送中のテレビ番組『カンブリア宮殿』(テレビ東京)、『クレイジージャーニー』(TBS)、『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)にレギュラー出演中。また、7月4日からは主演ドラマ「ラフな生活のススメ」(NHK総合 毎週火曜23:00〜)が放送開始予定。

Photo : Syu Yamamoto text : Aya Wakayama

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