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TikTokで話題のポジティブ思考トレンド「ラッキーガール症候群」は本当に効果があるの?

  • 2023.8.2

「私はとてもラッキーで、すべてがいつも私のためにうまくいく」もしあなたがまだこの流行りのマントラを聞いたことがないのなら、あなたは岩の下で暮らしているといるのでは? あるいは、スマホをスクロールするより生産的なことをしているのかもしれない。いずれにせよ、TikTokのみんなが夢の人生を実現するために使っている「ラッキーガール症候群」を見逃していることになる。やり方はもちろんだけど、やっぱり気になるのは、その効き目。探ってみたところ、どうやら効果の有無はあなた次第ということになりそう。

ラッキーガール症候群とは?

ラッキーガール症候群は、コンテンツクリエイターでインフルエンサーのローラ・ガレベによる造語で、楽観主義的な考えを中心とするもの。“幸運な女性にはチャンスが訪れる。何かが思い通りにいかなくても、その先にはもっといいことが待っていると知っている。なぜなら、人生とはそうやってうまくいくものだと信じているから”、といった考えを提唱している。これは、別名プロノイアと呼ばれ、パラノイアの正反対である。プロノイアとは、すべてが自分に味方してくれると信じている心の状態のことだ。

このラッキーガール症候群は、マニフェステーションの基本的なメカニズムに従っている。

「私はとてもラッキーで、すべてがいつも私のためにうまくいく」、あるいは「物事はいつも、どの時点でどう見えても、私のためにうまくいく」というようなフレーズを唱えるといったシンプルなものだ。

宇宙に語りかけるというメタな概念や、思い込みの複雑な法則を論じるよりも、よりシンプルで試しやすいということで、ラッキーガール症候群に親しみを持つ人が多いよう。

TikTokでは、スポーツで勝ったり、家を買ったり、昇給した理由としてラッキーガール症候群を挙げる人も続出。占星術師の中にはラッキーガール症候群を出生図と結びつけたり、あるいは幸運な一日を過ごすために自分自身に言い聞かせるポジティブなマントラを共有している人なども。つまり、多くの人が今ラッキーガール症候群に罹っているということだ。

楽観主義とマントラですべてが解決するわけではない?

Women's Health

よりポジティブなマインドセットで思考をリフレーミングして楽観主義を実践することは、レジリエンスを高め、個々の健康が増進することなどが研究で示されている。また、マントラは、幸福感を向上させることが示されている。あるいは、こうした”セルフトーク”は、運動中の疲労を軽減し、パフォーマンスの向上につながるんだとか。結論として、ポジティブでいることで損することはないということはお分かりいただけるだろう。

一方で、長い目で見た時にそれが必ずしも効果を発揮するかどうかについては、疑問の余地が残っている。ニューヨーク大学の心理学教授、ガブリエレ・オエッティンゲン氏の研究によると、空想は気分を高揚させ一時的に満足させることができるが、最終的に目標を追求するエネルギーにはならないということを示唆している。

要するに、いくらポジティブな言葉を口にしたところで、それ“だけ”が解決の糸口になるわけではない。努力しなければ運も味方になってくれないということは、忘れてはいけないだろう。

ラッキーガール症候群をどうやって活用する?

Women's Health

もちろん「私には出来っこない」「私なんてどうせツイていないし……」なんて思いながら生きているよりも、「私はラッキー」と思っている方が絶対ベターだとは思わない? 自分の思い通りにいかないことの方が多いかもしれない人生だからこそ、楽観主義的な思考や、私たちが自分に言い聞かせるマントラが、人生をよりポジティブに解釈するための便利なツールになるのではないだろうか。あるいは、ちょっとしたことに幸福感を感じられる幸せな人にだってなれるかもしれない。例えば「今日見た夕日がとってもきれいで私はラッキー」とか。

言葉、とりわけ自分自身の口から発せられる言葉には想像以上のパワーがある。ラッキーガール症候群は、そんな言葉の力を利用して、気分をアゲて生きていく方法を提示してくれているのではないだろうか。

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