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【竹橋】ガウディとサグラダ・ファミリア展@東京国立近代美術館 ガウディとサグラダ・ファミリア聖堂の魅力に迫る!

  • 2023.8.2

東京国立近代美術館1F企画展ギャラリーでは「ガウディとサグラダ・ファミリア展」が9月10日(日)まで開催されています。

出典:リビング東京Web

スペインのバルセロナにあるサグラダ・ファミリアは140年を超える壮大な聖堂建設プロジェクト、ガウディ没後100周年にあたる2026年には、イエスの塔が完成予定と言われています。

※第3章については、一部を除いて撮影が可能です。撮影は会場の指示に従って下さい。

これまでのガウディ展との違い

本展覧会ではサグラダ・ファミリア聖堂を中心に捉えてガウディの建築思想、創造の源泉に着目しています。さらにはこの壮大なサグラダ・ファミリア聖堂のプロジェクトが持っていた社会的意義にフォーカスした内容となっています。

ユニークで独創的とも云われるガウディとサクラダ・ファミリアの魅力に迫り100点を超える図面、模型、写真、資料に最新のドローン撮影の映像もまじえながらガウディ建築の世界観に迫る展覧会です。

アントニ・ガウディ(1852-1926)

スペイン、カタルーニャ地方出身の建築家。19世紀から20世紀にかけてのモデルニスモ期のバルセロナを中心に活動しました。サグラダ・ファミリア、グエル公園、カサ・ミラをはじめとしたその建築作品はアントニ・ガウディの建築群として2005年ユネスコの世界遺産に登録されています。

出典:リビング東京Web

展示風景 ジュアン・マタマラ 《ガウディ(デスマスク)》1926年以降 サクラダ・ファミリア聖堂

ガウディとその時代

ガウディが建築家を志してバルセロナ建築学校で学んだ19世紀の後半は、産業革命の時代でヨーロッパの都市が大きく変貌を遂げた時代でした。また、科学技術の発展、文化交流が活発となり万国博覧会が競うように開催された「万博の時代」でもありました。

スペインでいち早く産業革命を達成したバルセロナでは、中世的な城壁を壊して都市の規模を拡張するなど近代化が推し進められ、芸術文化の領域でも前衛的なムーブメントが花開きます。

出典:リビング東京Web

展示風景 左: 鳥居徳敏(復元) 《アントニ・ガウディ:アフリカ・カトリック・ミッション、タンジール計画案 1892-93年、復元設計縦断面図1981-82年》復元者(鳥居徳敏氏)蔵

グエルとの運命的な出会いとなった作品

バルセロナで有名な革手袋店の経営者クメーリャから依頼されガウディが1878年のパリ万博に出品した手袋店のために作成したショーケースのデザイン画です。

この作品を通じて繊維会社を経営する富豪アウゼビ・グエルはガウディの才能を認め、その後40年あまりの間パトロンとしてガウディを支援しました。ガウディが世に認められるきっかけとなった作品です(名刺サイズで小さいですがとても重要な作品です)。

出典:リビング東京Web

アントニ・ガウディ《クメーリャ革手袋店ショーケース、パリ万国博覧会のためのスケッチ》1878年 レウス市博物館

ガウディの創造の源泉

ガウディのユニークで独創的な建築デザインはどのように生まれたのでしょうか。彼は古今東西の建築や自然を丹念に研究し、徹底した自然観察から造形の原理を引き出し、有機的なフォルムの建築や什器をデザインする他、自然の中に潜む幾何学に注目し、それを建築造形へと応用していきました。

カサ・ビセンスでは、敷地内によく茂った棕櫚(シュロ)の樹があったことから、その葉をかたどって鋳型を作り、連続するパターンをもとに門扉をデザインしています。「自然は私の師だ」とガウディは語っています。

出典:リビング東京Web

アントニ・ガウディ《カサ・ビセンス、鉄柵の棕櫚の模型》1886年頃 サクラダ・ファミリア聖堂

こちらの展示スペースでは「歴史」「自然」「幾何学」の3つのポイントから、ガウディ独自の建築様式の源泉とその展開についても説明されています。

出典:リビング東京Web

アントニ・ガウディ《グエル公園、破砕タイル被覆ピース》1904年頃 制作:ジャウマ・プジョールの息子 ガウディ記念講座、ETSAB(バルセロナ・デザイン美術館寄託)

サクラダ・ファミリアのミニ模型のように見えますがこちらの建物は1908年にサグラダ・ファミリア聖堂を訪れたアメリカ人が依頼したとされるニューヨークの巨大ホテルです。いくつもの回転放物面が連結しています。300mを超える超高層ホテル計画案だったそうです。こちらの建築模型もユニークなデザインですね。

出典:リビング東京Web

《ニューヨーク大ホテル計画案模型(ジュアン・マタマラのドローイングに基づく)》1985年制作:群馬県左官組合 伊豆の長八美術館

サグラダ・ファミリアの軌跡

サグラダ・ファミリアは、民間カトリック団体「サン・ホセ教会」が贖罪教会(信者の喜捨により建設する教会)として計画し、初代建築家フランシスコ・デ・パウラ・ビリャールが無償で設計を引き受けました。1882年3月19日に着工しましたが、意見の対立から翌年にビリャールは辞任しました。

その後1983年に引き継いで2代目建築家に就任したのが、当時は無名であったアントニ・ガウディでした。

出典:リビング東京Web

展示風景

アントニ・ガウディは1926年に亡くなるまでサクラダ・ファミリアの設計と建設に心血を注ぎました。ガウディは図面だけではなく膨大な数の模型を作りそれに修正を加えながら外観や内部構造を練り上げていきました。

出典:リビング東京Web

《サグラダ・ファミリア聖堂,身廊部模型》2001-02年 制作:サグラダ・ファミリア聖堂模型室 西部文理大学

サクラダ・ファミリアの彫像群構成

サグラダ・ファミリアの外観の彫刻の資料の展示です。サグラダ・ファミリアの正面玄関であり、そのほとんどはガウディの監督の下で完成しました。

出典:リビング東京Web

展示風景「降誕の正面」彫刻マップ展示パネル

出典:リビング東京Web

展示風景 手前:アントニ・ガウディが手掛けた塑像断片、奥は外尾悦郎氏が制作した《歌う天使たち》

2019年に旅行でバルセロナを訪れた時は、このような外観で完成まであと少し…と云った感じでした。

出典:リビング東京Web

2019年10月 バルセロナにて撮影

内装の柱も完成しており自然光が入る素晴らしい建築です。聖堂の柱はヤシの木がモチーフとなっており植物からイメージしたデザインとなっています。

出典:リビング東京Web

2019年10月 バルセロナにて撮影

聖堂内にステンドグラスから差し込む光が柔らかで温かい雰囲気が感じられました。

出典:リビング東京Web

2019年10月 バルセロナにて撮影

現代建築とガウディ

ガウディのDNAを引き継いだ建築の一覧の写真が展示されています。日本国内で代表的な建物の一つとして新宿にあるモード学園コクーンタワーがあります。

出典:リビング東京Web

展示風景

展覧会特設ミュージアムショップ

展覧会特設ミュージアムショップではサクラダ・ファミリアのお洒落なクリアファイルが販売されています。

出典:リビング東京Web

スペインのお菓子、小物等魅力的なグッズも販売されています。

出典:リビング東京Web

図録の表紙はサクラダ・ファミリアの建築風景の写真です。

出典:リビング東京Web

サクラダ・ファミリアは1882年の着工以来スペイン内戦、第二次世界大戦で建物に損傷を受けたり、ガウディ直筆の図面が消失したりと数々の難局を乗り越えてきました。 最近では新型コロナウイルスの流行から観光客の減少で完成時期が危ぶまれてもいました。

「未完の聖堂」と言われているサクラダ・ファミリアですが、ガウディの独創性は西欧のゴシック建築、スペインのイスラム建築やカタルーニャ地方の歴史風土と云った様々なエッセンスが凝縮されています。会場では現地のドローン映像も鑑賞できますのでガウディとサクラダ・ファミリアの魅力がよりいっそう感じられる展覧会です。

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