ライオンのようなしなやかな美しさを持つ新作「プジョー408」

セダンの品格とクーペの美しさにSUVの快適性を融合させたファストバックスタイルの新型「プジョー408」が発売された。モータージャーナリストの佐藤久実と、フロントロウの大柳葵理絵編集長の女性2人で、新型「プジョー408」に試乗し、そのインプレッションを対談形式でお届け！

ライオンのようなしなやかな美しさを持つ新作「プジョー408」

「解き放たれた新種」というキーワードのもと、流麗なスタイリングが最大の特徴である「プジョー408」。直列3気筒1.2lターボエンジン搭載のガソリン車と、直列4気筒1.6lターボのハイブリッドモデルをラインナップする。

女性に勧めたい、独特なスタイリングと洗練されたデザイン

佐藤久実：まず「プジョー408」を見た第一印象はいかがですか? このクルマの特徴は、独特なスタイリングと、デザインの美しさだと思います。

大柳葵理絵：はじめて見た印象は、とにかく近未来的でクールなデザインと思いました。まずはプジョーといえば、ロゴにあるライオン。2021年にライオンロゴを新たに変更したけれど、たてがみをなびかせたライオンの横顔になりよりエレガントに変更され、その新生ライオンエンブレムがクルマに反映されたようなデザインだと思いました。

クルマのスタイリングは、全体のバランスが良い。彫が深くクールな印象がプジョーらしくてカッコ良い。大胆なブレスラインや曲線美も美しいし、珍しいユニークなデザインですね。

ライオンをイメージしたライトのデザインにも注目

佐藤：以前より逞しいロゴデザインになりましたよね。フロントには、ライオンの牙をモチーフにした「LED デイタイムランニングライト」、リヤにはライオンの爪をイメージした鋭い3本の「LEDランプ」がデザイン的なポイントとなっています。

大柳：私、クルマのライトのデザインって好きなんです。運転していて渋滞の時とか、他のクルマのライトを観察するのも何だか楽しい。「プジョー408」のライトは鋭く特長的なデザインで、思わず目を引くものでした。あと、ルーフアンテナもライオンのたてがみをイメージしているとか！ 確かにシャープでボディにマッチしたデザインでした。

大柳：乗っている人もおしゃれに見えてしまう洗練されたデザインで、女性が乗ってもカッコ良い。特にこのオブセッションブルーのボディカラーが素敵。グリーンとブルーが混ざったようなカラーで他にはない色。光の加減によっても彫が深いから、角度によって様々なカラーに見えるのもファッショナブルなのはさすがフランス車ですね。

従来のセグメントやカテゴリーを超越した斬新さ

佐藤：ルーフからリヤになだらかに繋がるファストバックと、クロスオーバーを融合させた流麗なスタイリング。そして、セダン、ステーションワゴン、SUVの特性を持つという、何とも欲張りなクルマなのに、美しくまとまっているのがさすがプジョーですね。

大柳：最初に見た時には、このクルマはどのカテゴリーなんだろう？って思ってしまいました。SUVのように車高が少し高く、ボディはクーペのようにスタイリッシュなのが特徴ですよね。良いとこ取りという感じでしょうか？

佐藤：同感です。「解き放たれた新種」というキーワードで、従来のセグメントやカテゴリーを超越した斬新さです。ぱっと見、気づかないようなディテールまで凝っているのに感心します。

大柳：ホイールも未来的なデザインで、力強いライオン感が出ていてスタイリッシュにまとまっている。決してごついイメージではなく、美しくデザイン性が高いと思いました。

佐藤：ホイールに「ライオン感」て、何か独特で素敵な表現(笑) ところで、インテリアの印象はいかがですか?

大柳：まず座ってみると、シートはワイドな感じがしました。クッションは厚くて、座り心地がとっても良い。リヤシートも同じく居心地が良かった。フランスは大柄な人も多いですから、男の人が乗っても余裕がありますね。プジョーのシートは評判が高いですよね？

佐藤：そうですね。昔から、フランス車のシートは定評があります。

スタイリッシュなステッチや細部まで凝ったインテリアにも個性が光る

大柳：後部座席の足元スペースもしっかりと余裕が確保されています。リヤシートも、アップライトな姿勢じゃなくて、ゆったりとくつろいで座れますね。インテリアは、ブラックでまとまっていてオシャレ。ライトグリーンのステッチが施されたシートなど、細部まで凝っているのにもフランスらしさを感じました。

佐藤：ブラック基調でシックなのに、遊び心がある。そこがプジョーらしいです。

大柳：標準であの色使いは素敵すぎます。

佐藤：なかなか日本車には見られない配色ですね！ そして、3D表示のメーターや10インチタッチスクリーンなどドライバーを取り囲むセンターコンソールと一体化したレイアウトの「Peugeot i-Cockpit」もインパクトがあります。立体的な表示で、デザイン性だけじゃなく、視認性、機能性の高さもあります。

大柳：カーナビもワイドで、色々な機能がついていましたね。「OK PEUGEOT」と話しかければ、ナビの行き先や車内温度、シートヒーターの温度まで簡単に操作することができ、スムーズでした。「HEY SIRI」的なスマホ感覚ですね。

佐藤：スマホ感覚は、直感的に使えて便利です。最近のプジョーはインフォテインメントシステムが格段に便利になりました。

大柳：急いでいる時や、運転に疲れた時は特に助かりますね。タクシーとかにも搭載してほしい。カーナビ入れる時間って結構かかりますからね。また久実さんは実際に運転してみてどうでしたか？ 「プジョー408」のパワートレーンは、ガリソン車とプラグインハイプリッド車(PHEV)の2種類の設定で、久実さんが乗ったのはガソリン車でしたよね。

佐藤：はい、ガソリンエンジンは、1.2リッター3気筒ターボエンジンで、数値的にはちょっと非力なのでは、という印象を受けましたが、実際に走ってみると滑らかで必要十分なパワーもありました。そして、静かで乗り心地も快適！

大柳：私はプラグインハイプリッド車(PHEV)を運転しましたが、エンジンをかけた時は驚きました。エンジンがかかったことに気が付かないほどの静かなスタートで、モーターとエンジンの切り替わりもソフト。エンジン音もとても静かでした。加速もカーブを曲がる性能もスムーズで、とても運転しやすい。見た目はやや大きいですが、女性でも運転しやすいと思います。

佐藤：運転のしやすさって、必ずしもボディサイズだけじゃないんですよね。ちょっと目線が高いだけでも視界が広がるし、思い通りに動いてくれるとか安定しているという、クルマから受ける安心感とか。そういう、いろんな要素を含めて「運転しやすい」って感じるのだと思います。このクルマ、どんな方にオススメしたいですか？

大柳：プジョーに乗っている人は、こだわりを持ったおしゃれな人が多いイメージです。なので、人とはちょっと違ったデザインが好きな方にもオススメしたいです。スタイリッシュなデザインと機能性も確かで安心して運転できるので、ぜひ女性ドライバーが増えてほしいですね。

佐藤：ファッションと同じで、クルマも自己アピールのひとつの手段だと思います。特にこのクルマは、何かクルマ欲しいな、じゃなくて、プジョー408が欲しい！って積極的に選ばれるクルマだと思います。

撮影： Yasui Hiromitsu

佐藤久実 Profile
モータージャーナリスト/レーシングドライバー
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
日本モータージャーナリスト協会会員