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『コクドゥの季節』でキム・ジョンヒョンとイム・スヒャンに共感できる世界観とは?

  • 2023.7.29
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ドラマが傑作になるには複合的な要因が重なり合う。ただ一つではないのだ。

「脚本の秀逸さ」「監督の作家性」「映像のセンス」「製作者の深い読み」「俳優陣の演技力」などを要因として取り上げたいのだが、中でも重要なファクターとして強調したいのが「主役2人のケミストリー」である。相性がどこまでいいのか……それが連続ドラマを最後まで見てもらうための生命線になっている。

そういう観点から『コクドゥの季節』を視聴すると、主役2人からどんなインスピレーションが出てくるだろうか。

最初に「主役はキム・ジョンヒョンとイム・スヒャン」と聞いたときは「予定調和で終わらない意外性のあるドラマ」と思えた。

「陰のある役が似合いそうなキム・ジョンヒョン」×「はじけるような明るさのイム・スヒャン」=「先の展開が読めない面白さ」という印象が生まれた。果たして、それはどう変化したのか。

ドラマ『コクドゥの季節』(写真提供=NBCユニバーサル・エンターテイメント/©2023MBC)

結局、『コクドゥの季節』を終始リードしたのは、第1話冒頭の悲恋のエピソードだ。

1000年前、武士オ・ヒョン(キム・ジョンヒョン)と令嬢ソリ(イム・スヒャン)の愛は、ソリに運命づけられた政略結婚によって悲恋に終わる。オ・ヒョンは無念の死を遂げ、後を追ってソリも自害する……これほど哀しくも究極的な愛はない。この崇高な愛がドラマの出発点であり、ストーリーの肝(きも)であった。

ドラマ『コクドゥの季節』(写真提供=NBCユニバーサル・エンターテイメント/©2023MBC)

とはいえ、このわずかな場面で見せたキム・ジョンヒョンとイム・スヒャンのケミストリーは、見る人に沁みとおるような哀感を残したのではないだろうか。

本来は「月」のようなイメージを持ったキム・ジョンヒョンが周囲を焦がすような情熱を見せ、「太陽」であるはずのイム・スヒャンが月明りに照らされた雪のような陰影を残していた。

そこで展開されたイメージは、ドラマを見ているときにずっと頭から離れなかった。つまり、こういうことではないか……「キム・ジョンヒョンとイム・スヒャンが冒頭で見せてくれた2人の世界観が持続するエネルギーとなってドラマの変遷を導いていった」と。

そういう意味でも、主役2人が最初に見せた演技力はドラマ全体を牽引する「説得力」になった。

物語が「転生編」とも呼べる現代版になると、主役2人の俳優としての多様性がいかんなく発揮されていた。

イム・スヒャンが演じる女医のハン・ケジョルは、不遇な環境をそのまま嘆かず、それをバネにして自分を奮い立たせていった。明るくて、へこたれない。だからこそ、応援したくなるのだ。

一方、キム・ジョンヒョンが扮する死神のコクドゥは、愛した人の生まれ変わりから愛のメッセージを受け取らないと自分が消滅してしまう。それゆえ、「この人!」と見込んだハン・ケジョルのことを必死に守っていく。

ドラマ『コクドゥの季節』(写真提供=NBCユニバーサル・エンターテイメント/©2023MBC)

このように、立場が鮮明な2人が周囲を巻き込みながら「スリリングな愛のせめぎあい」を繰り広げるのが、『コクドゥの季節』の現代版のメインストーリーなのである。

その中で、キム・ジョンヒョンとイム・スヒャンは自分の持ち味を十分に出しながら、時に意表を突く表現力を見せてくれた。それがスパイスになってドラマがさらに面白くなっていった。

象徴的な名場面には本当に胸をくすぐられた。たとえば、ケジョルに翻弄されながら彼女を支えるコクドゥの奮闘ぶり、前世の高貴なお方が現世では陽気なケジョルに転生している可笑しさ……コメディとロマンスの境界線を果敢に乗り越えていく奔放さが、『コクドゥの季節』が持つ「痛快さ」に結びついていた。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

☆ドラマ情報
『コクドゥの季節』
演出:ペク・スチャン/キム・ジフン
脚本:カン・イホン/ホ・ジュンウ
出演:キム・ジョンヒョン、イム・スヒャン、アン・ウヨン、キム・ダソム、キム・イングォン、チャ・ヨンファなど。

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