1. トップ
  2. レシピ
  3. 【和のハーブ】夏にぴったり! 赤ジソの活用法と土用干し

【和のハーブ】夏にぴったり! 赤ジソの活用法と土用干し

  • 2023.7.28
  • 1561 views

日本人にはなじみ深い和のハーブ、シソ。赤ジソ、青ジソともに爽やかな風味で栄養価も高く、夏に積極的に取り入れたい食材です。ハーバルセラピストの資格を持ち、ペットのための自然療法も学ぶ海野美規さんが今回レポートするのは、赤ジソで色づけした梅の土用干しと、赤ジソを使った自家製ゆかり風ふりかけの作り方。ゆかり風ふりかけは愛犬も楽しめるよう、塩味を付けない犬用の作り方もご紹介します。

和のハーブ、赤ジソ

シソ

シソは日本に古くからあるハーブです。私たちにとっては、数あるハーブの中でも一番と言っていいほど馴染みがあるのではないでしょうか。

シソには、青ジソと赤ジソがあります。赤ジソは、濃い赤紫色の葉。色素成分シソニン(ポリフェノールの一種)などを含み、梅干しの色付けや柴漬け、ゆかり、シソジュースなどに使われます。

赤ジソに含まれるシソニンは、高い抗酸化作用と抗菌・防腐解毒作用が期待できるそうです。研究結果によれば、赤ジソに含まれる「α-リノレン酸」「ロズマリン酸」には、アレルギー症状を緩和するといわれています。血流をよくして動脈硬化や血栓を防いだり、活性酸素を除去するポリフェノールと抗酸化力の強いアントシアニンも豊富で、暑さの厳しいこの時期に取り入れたいハーブです。

青ジソ

シソ

青ジソは赤ジソの変種で、緑色の葉。

大葉や青しそとも呼ばれ、刺身のつまやてんぷら、薬味、ドレッシングなど幅広い料理に活用されます。赤ジソとは違い、一年中スーパーにあるのが嬉しいですね。青ジソは赤紫色の色素成分シソニンをほとんど含まないのですが、赤ジソよりもβカロテンが豊富で栄養価が高いといわれています。香りがよいのも青ジソのほうです。

青ジソは、こぼれ種で毎年どんどん増えていきます。庭にあると、夕飯にすぐに使えて便利ですね。

赤ジソを梅の色付けに

赤ジソ

赤ジソは、梅干しを漬ける6~8月頃が旬で、梅の実が店頭に並ぶ頃に一緒に登場します。この赤ジソで、梅干しを着色してみましょう。

梅干しに入れるには、まず水洗いをして2時間ほど干します。乾いたら、葉っぱだけを摘んでボールなどに入れます。

赤ジソ

1回目、塩少々を入れて葉っぱを揉みます。軽く絞って、水分とアクは捨てます。

2回目、梅酢(梅を塩漬けした時に出る水分)を入れて揉みます。

出来上がった赤ジソを梅干しの上にのせます。

梅干し作り

土用干し

梅の土用干し

塩揉みした赤ジソで梅に色がついたら、いよいよ梅干しの最終仕上げ「土用干し」をしていきましょう。ちょうどその頃は梅雨も明ける時期。天気予報で調べてお天気のよい日を選びます。

土用干しの「土用」とは、四季それぞれの季節にある立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間のこと。梅は、立秋の前の土用に干すことから、土用干しと言われるようになりました。

立秋前の土用は、一番日差しが強く、晴天が続きます。まさに、うなぎの蒲焼を食べたくなるような陽気です。梅を干すのにもいいのですね。「三日三晩干す」とされていますが、夜中に雨が降るかもしれないと心配になりますので、毎年梅干しを付けている母は、日中だけ干しています。

土用干しをするメリットは、太陽の強い熱で直接殺菌することで保存力がアップすることと、余分な水分を蒸発させて、皮が適度に固くなり、果肉はねっとりと柔らかい食感になることです。

一つひとつ丁寧に、隣り合わせがくっつかないようにしたり、裏表ひっくり返して満遍なく日に当てて、手間をかけて干すことで、風味豊かな美味しい梅干しが出来上がっていきます。

自家製梅干し

愛犬用の「ゆかり」作り

自家製ゆかり

梅干しの色付けに使った赤ジソは、スライスした新生姜を漬けたり、定番のふりかけ「ゆかり」を作ったり、余すところなく使えます。

自家製ゆかりは、梅干しの色付けをした後、天日干しをして、フードプロセッサーなどで細かくふりかけ状にします。塩と梅酢で揉んであるので、程よい塩気と酸味がおいしく、夏のおにぎりに欠かせませんね。

そして塩揉みなしで、犬用の自家製ゆかりも作りましょう。天日干し、または電子レンジで、そのままの赤ジソの葉を乾燥させます。レンジでしたら、様子を見ながら、1〜2分でOK。

自家製ゆかり作り
自家製ゆかり

カリカリの状態になったら、すり鉢などで細かく砕きます。

自家製ゆかり作り

こうして作った犬用の自家製ゆかりは、野菜と煮た鶏胸肉などに少量トッピングするなど、ふりかけのようにして使います。少しずつ様子を見ながら与えてください。

自家製ゆかり

愛犬あんのごはんにひとふり。香りが強くないので、気にせず食べてくれます。葉の軸など堅いところがないように気をつけましょう。

自家製ゆかり
Credit
写真&文 / 海野美規 - フラワー&フォトスタイリスト -

うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。

元記事で読む
の記事をもっとみる