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定番アイス「白くま」快進撃 20年間で売上3倍に迫る、人気の理由をメーカーに聞いた

  • 2023.7.27

鹿児島の発祥、フルーツたくさんのかき氷

大手コンビニ各社もPB商品を展開する人気アイス「白くま」
大手コンビニ各社もPB商品を展開する人気アイス「白くま」

夏といえばアイス、アイスの定番商品の一つとして「白くま」を挙げる人は少なくないのではないでしょうか。

「白くま」は鹿児島県で誕生し、鹿児島県の公式サイトでは「愛されてきた郷土の味」として、「かき氷に練乳をかけ、バナナ、メロン、スイカ、サクランボといった果物や甘納豆などを飾り付けて食べる」ものと紹介されています。

人気を裏付けるように大手コンビニ各社もプライベートブランド(PB)の「白くま」を発売しており、それらの多くは製造元が、1933(昭和8)年創業の老舗「丸永製菓」(福岡県久留米市)になっています。

同社の「白くま」シリーズは、1972(昭和47)年に発売され半世紀を過ぎたロングセラー商品。さらに、過去20年間で総売上が3倍近くにまで伸長したと言います。人気の理由を、同社常務取締役の永渕寛司さんに聞きました。

「白熊」「白くま」「しろくま」の違いとは?

1986年当時の「白熊」アイス
1986年当時の「白熊」アイス

Q.丸永製菓が初めて発売した「白くま」は、何年のどのような商品ですか。

永渕さん「1972年に初めて発売したのは『白熊』という漢字の商品名の、練乳シロップを混ぜたカキ氷のカップアイスでした。今でもその後継品は販売していて、同じく『白熊』という商品名で販売しています。発売当初の画像はありませんが1986年の画像が今も残っています」

Q.丸永製菓では現在、何種類の「白くま」商品を製造しているのですか。

永渕さん「カップ商品は『白熊』『白くまパフェバニラいちごソース』『白くまデザート(3フレーバー)』などの計9種類。バー商品は『白くまバー』『白くまバー(6本入り)』『白くまトロピカル(6本入り、春夏限定)』などの計4種類です。発売当時から続いているものも、途中で発売した商品もあります」

Q.「白くま」シリーズの売り上げは、近年どのように推移していますか。

永渕さん「年間売上は公表していませんが、調べられる範囲では、2003(平成15)年の『白くま』シリーズの総売上と比較して、昨年2022年のシリーズ総売上は2.9倍強にまで伸長しています。数年間停滞したり、前年割れしたりした年もありますが、大まかな傾向では過去20年間、伸び調子だと言えます」

Q.20年間で3倍近くまで売り上げが伸びた理由は何だったと考えますか。

永渕さん「当社が白くまシリーズを全国展開し始めたのが、今からおよそ30年前です。その間徐々に知名度や販路が広がり、またメディアに取り上げられる機会も増えたことで、売り上げを伸ばしてきました。

また先述の通り、新商品を適宜発売していて、定番商品に育った商品もあります。それらもシリーズの売り上げ拡大に貢献しています。例えば、2016年に新発売した『白くまデザート』という3フレーバーの商品は、リニューアルを重ねながら順調に売り上げを伸ばしていて、今ではシリーズの中でも上位に入る商品に成長しました」

消費者のニーズに合わせて変化

消費者のニーズに合わせて変化してきた「白くま」
消費者のニーズに合わせて変化してきた「白くま」

Q.「白くま」の人気の理由は、何だと分析していますか。

永渕さん「発売した1972年当時は『冷たくて甘い、おいしい』と評価されていましたが、現代のニーズは多様化しており、『見た目が華やか、最後まで飽きない』、『食感が良く口どけの良い』といった商品が好評を得ています。

例えば『白熊』は、以前よりも濃厚な練乳シロップをたっぷり掛けていて、満足感の高い商品にしています。また『白くまデザート 練乳』は、練乳かき氷だけでなくバニラアイスもたっぷり添えていて、さらにトッピングも色鮮やかで、最後まで飽きずにお楽しみいただけます。

『しろくま』は、練乳シロップを混ぜたカキ氷を、さらに空気を混ぜながら冷却することで、ガリッガリッとした食感ではなく、サクサクッとした上品な食感に仕上げています。スプーンでかき氷部分をスーッと差せる感覚が心地いい商品です」

Q.漢字の「白熊」と、平仮名の「しろくま」、漢字・平仮名交じりの「白くま」は、何が違うのですか。

永渕さん「昔の話になりますが、もともと『白熊』として販売していたところ、ワンハンドで食べたいといったニーズがお客さまからあり、それに応えるために『白くま(バー)』を開発しました。それから、春夏だけでなく秋冬にもおいしく食べたいとの要望があり、かき氷ではなくクリームタイプの『白くまパフェ』を開発し……、という具合にシリーズ化していったのが理由です。

いろいろな商品が増えて、注文する際に商品名を間違えてしまう、という声があったので『白熊』『白くま』『しろくま』と区別していたのですが、それが今でもそのまま名残として続いています」

Q.今後、また別の新商品が登場する予定はあるのでしょうか。

永渕さん「『白くま』は、お客さまの期待に応えて商品化することで成長してきたブランドです。今後も新しい『白くま』の商品を企画開発していきますので、ぜひご期待ください」

(LASISA編集部)

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