数の表し方は様々な方法があります。その中でも分数・小数は日常生活でもよく見かけます。
そして、「分数を小数に直す」というのは、小学校で習うので、多くの方は覚えているのではないでしょうか。
例えば、2/5=2÷5=0.4という割り算をすることで、分数を小数にすることができました。
では、その逆「小数を分数に直す」というのは、可能なのでしょうか。
問題
次の小数のうち、分数の形で表すことができるものを選びなさい。
(a) π(円周率3.141592・・・)
(b) 0.19
(c) 0.191919・・・
(d) √2(1.41421356・・・)
ここで言う「分数の形」というのは、「整数/整数」のことです。
数学が得意な方は、「分数の形」になるものを、分数にするとどうなるのかまでを考えてみてください。
さて、今回の答え、「分数の形」で表すことができるのは以下の通りです。
(b) 0.19
(c) 0.191919・・・
きちんと選ぶことができたでしょうか。
解説
実は小数には2種類があります。「分数に直せる小数」と「分数に直せない小数」です。
まず「分数に直せない小数」は、無理数と言います。無理数の代表例が、今回の問題にもなっている円周率πやルート(√)がついている数です。
小学校では「およそ3.14」として計算をする円周率ですが、実際には小数点以下に無限に数字が並びます。
そして、その小数点以下の数字の並びは、規則性がなくランダムになっています。(√2も同様に、規則性のない数字の並びが無限に続きます)
そのため、この無理数と呼ばれる数は、分数の形で表すことができないのです。
一方「分数に直せる小数」は、有理数といいます。
まず(b) 0.19は、簡単に分数で表せそうですね。0.19=19/100 です。
では、(c) 0.191919・・・というのはどうでしょうか。この数は、小数点以下が無限に続きます。
しかし、円周率や√2と違うのは、「19」が繰り返すという規則性のある点です。
無限に続く小数であっても、規則性があれば分数に直すことが可能なのです。
0.191919・・・と、無限に続く小数を分数に直すと、実は19/99になります。
本当に合っているの?と思われる方は、電卓で「19÷99」をやってみましょう。「0.191919・・・」となるはずです。
まとめ
さて、今回は「分数に直せる小数(有理数)」と「分数に直せない小数(無理数)」についての問題でした。
無限に続く小数であっても、規則性がある並びであれば、分数に直すことができるんですね。
どのような計算によって分数にすることができるかは、現在のカリキュラムでは中学3年生で学習をします。気になる方はぜひ調べてみてください。
文・監修:SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。
編集:TRILLニュース