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勘違いされやすい?「ぞっとしない」の本来の意味は、怖くない事ではないんです!!その本来の意味とは

  • 2023.7.24
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「ぞっとしない」は、身の毛がよだつほどの恐ろしさをあらわす「ぞっとする」の反対の表現ということで怖くないという意味で用いられることがあります。 ところが、本来の「ぞっとしない」には、その意味合いはありません。 「ぞっとする」と「ぞっとしない」の間には、直接のつながりはないのです。

そこでここでは、「ぞっとしない」はどのような意味があるのか、どのようにして生まれた言葉なのかを解説します。

「ぞっとしない」とは

 

「ぞっとしない」には、どのような意味があるのか、どのような用い方をするのかを見ていきましょう。

「ぞっとしない」の意味

本来の「ぞっとしない」は、面白くないことや感心するほどではないことをあらわす語句です。 そして、感心しないという意味でも用いられます。

「ぞっとしない」の用い方・例文

・最近話題の映画を見たが、ぞっとしなかった。 この用い方は、映画がつまらなかったもしくは肩透かしだったことをあらわしています。

・連絡もまともにせずにドタキャンするだなんて、ぞっとしないね。 これは、ドタキャンした人物の行動に感心しないという非難を向ける他、呆れてしまったというニュアンスが込められています。

「ぞっとしない」の成り立ち

 

ではなぜ、「ぞっとする」の否定形ではないのか、「ぞっとしない」という言葉の成り立ちについて見ていきましょう。 これは、ぞっとするの「ぞっと」にはどのような意味があるのかを確認することで解決します。

「ぞっと」の意味①:怖い

「ぞっとしない」の「ぞっと」には、怖いという意味があります。 怖いという意味で日常用語としても用いられる「ぞっとする」は、この意味から来ています。

このように「ぞっと」単体であれば、身の毛がよだつ恐ろしさという意味になります。 また、極度の恐怖から震え上がるという意味合いで使用されることもあります。

「ぞっと」の意味②:強い感動

「ぞっと」は、感動が全身を駆け抜ける様子をあらわす際にも用いられます。 そして、「ぞっとしない」はこの意味から来ている表現となります。

「怖いの否定形」ではなく「感動の否定形」という事になります。 ですから、「怖くない」とはならず「感動しない」事をあらわす語句となりました。 そして、動する要素がないので「面白くない」であったり「感心しない」といった意味となったのです。

「ぞっとしない」は勘違いされやすい?

 

「ぞっとしない」は、勘違いされやすい語句だという調査結果も出ています。

半数以上が「恐ろしくない」と認識している?

文化庁が2016(平成28)年度に発表した「国語に関する世論調査」の中で、「ぞっとしない」の意味が面白くないと恐ろしくないどちらの意味かというアンケートが取られました。 すると、恐ろしくないという回答が56.1%という結果になりました。

面白くないの意味だという回答は22.8%でしたので、過半数の人、しかも本来の意味と認識している人の倍以上が意味を勘違いしているということになります。

「ぞっとしない」の勘違いされやすい要素

「ぞっとしない」の意味が勘違いされる要素としては、やはり「ぞっとする」にあるといえるでしょう。 身の毛がよだつほどのおそろしさをあらわす言葉なので、その否定形と勘違いしてしまっているわけです。

さらに、「ぞっとしない」自体が余り普及していない言葉という問題もあります。 語句自体が知られていない言葉なので、意味も知られておらず、結果的に初めて聞いたときなどに知っている「ぞっとする」と関連付けてしまう。 そのため、「ぞっとしない」が恐ろしくないという意味だと思われてしまうのかもしれません。

まとめ

「ぞっとしない」という言葉は、面白くないや感心しないという意味の語句です。 しかし、文化庁が行った世論調査では、過半数の人が恐ろしくないという意味だと勘違いしているという結果が出ています。

この「ぞっとしない」は、「ぞっと」の恐ろしいの意味ではなく、もうひとつの全身を感動が駆け抜ける様子という意味から来ています。

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