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「日本に彼らのようなワールドクラスは…」韓国人選手のビッグクラブ入りに見る“脱アジア”の可能性

  • 2023.7.23

来シーズンからは、欧州サッカーの中心であるロンドン、ミュンヘン、パリで韓国を代表する選手たちのプレーを見られる。

今夏の移籍市場最大のイシューは、韓国代表DFキム・ミンジェ(26)とMFイ・ガンイン(22)のビッグクラブ移籍だ。

キム・ミンジェはドイツ・ブンデスリーガの名門バイエルン・ミュンヘン、イ・ガンインはフランス・リーグ・アンの絶対強者パリ・サンジェルマン(以下、PSG)のユニホームを着た。

バイエルンとPSGの共通点は多い。

まず、両チームとも各リーグで圧倒的な存在であることだ。バイエルンは現在リーグ11連覇中で、通算優勝回数も驚異の33回に上る。

PSGも2012-2013シーズンから2022-2023シーズンまでの間に9回優勝している。20世紀までは決して絶対強者ではなかったものの、2011年のカタール資本投入以降からフランスを代表するクラブへと飛躍した。

それまではリーグ優勝わずか2回のチームに過ぎなかったが、今やフランス王者として絶対的な地位を築いているのがPSGだ。

欧州クラブランキングではバイエルンが2位、PSGが6位。経済紙『フォーブス』が今年5月に発表した「世界で最も価値あるサッカークラブ」のランキングでは、バイエルンが5位、PSGが7位にランクインした。

両チームは国内リーグにとどまらず、毎シーズンでUEFAチャンピオンズリーグ(CL)優勝に挑んでいる。リーグ優勝よりもCL制覇が最大の目標だ。

韓国はすでにFWソン・フンミン(31、トッテナム)という唯一無二のスーパースターを保有している。

ソン・フンミンは2021-2022シーズンのイングランド・プレミアリーグで得点王に輝いたワールドクラスのスターだ。昨季は負傷に悩まされ苦しんだ部分もあったが、現在も欧州で認められている選手であることは間違いない。

もっとも、トッテナムの場合は“ビッグクラブ”のカテゴリと見るには曖昧な部分がある。

プレミアリーグでの優勝歴はなく、CLでも準優勝が最高成績だ。それでも、トッテナムは前出した『フォーブス』のランキングで9位に上がるほど、世界的な名声が認められている。

左からソン・フンミン、キム・ミンジェ、イ・ガンイン

韓国は今や前線、中盤、守備の各ポジションにアジア最高峰の選手を保有していると言っても過言ではない。

移籍専門サイト『トランスファーマルクト』によると、キム・ミンジェの市場価値は6000万ユーロ(約94億円)に達し、ソン・フンミンは5000万ユーロ(約78億円)、イ・ガンインは2200万ユーロ(約34億円)だという。3人の合計額は1億3200万ユーロ(約207億円)だ。

彼ら以外にも、FWファン・ヒチャン(27、ウォルヴァーハンプトン)やMFホン・ヒョンソク(24、KAAヘント)、FWファン・ウィジョ(30、ノッティンガム・フォレスト)、MFファン・インボム(26、オリンピアコス)、MFイ・ジェソン(30、マインツ)、FWチョ・ギュソン(25、ミッティラン)など、多くの選手が欧州でプレーしている。

文字通り、黄金世代の歩みが現在進行形で進められていることは間違いない。

選手の顔ぶれだけ見れば、“宿命のライバル”である日本にも劣らない。

日本にもFW三笘薫(26、ブライトン)をはじめ、MF鎌田大地(26)、MF久保建英(22、レアル・ソシエダ)、DF冨安健洋(24、アーセナル)、FW堂安律(25、フライブルク)など、欧州で技量を認められた選手が多くそろっている。

日本の欧州組の数は韓国よりはるかに多い。だが、ソン・フンミンやキム・ミンジェのようなワールドクラス級と評価される選手がいないというのが惜しい。冨安を除けばビッグクラブ所属の選手もいない。

それでも、日本は韓国よりはるかに先進的なシステムを打ち出して“脱アジア”を叫んでいる。

21世紀以降に開催されたアジアカップで通算3度の優勝を果たしている日本は、アジアを越えて世界の舞台で競争することを目標にしている。

年々勢いを増す隣国に対し、韓国は1960年以降、アジアカップのトップに立つことができていない。アジアの王者にもなれていないのに、“脱アジア”を叫ぶには無理がある。

韓国は2024年に行われるアジアカップで優勝を目指している。現在の黄金世代を見れば、優勝に最も近い戦力と見なければならない。今後はソン・フンミンも30代中盤に差し掛かり、技量が下落傾向に入る可能性が高い。

多くの主力が全盛期を過ごす今こそ、チャンピオンになれる絶好のチャンスというわけだ。

アジアを征服できれば、韓国も日本のように“脱アジア”を叫び、次のワールドカップに向けて希望に満ちた原動力を得られるはずだ。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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