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夏の庭に欠かせない名脇役「アキレア」と夏の花の組み合わせ

  • 2023.7.21

数ある植物の中から今、注目の植物をピックアップするシリーズ「Now blooming」。今回ご紹介するのは、ツブツブ状の小さな花がかたまりになって、夏の庭に鮮やかな色彩を添えるアキレア。黄色やオレンジ、ピンク、赤、白などさまざまな色があり、他の花との色合わせも楽しめます。寒さ、暑さ、乾燥にめっぽう強く、育てやすいのも魅力です。

カラフルな色の面として活躍

アキレア
topolov/Shutterstock.com

アキレアは夏に咲く宿根草で、5㎜程度の小さな花が固まって咲き、鮮やかな色の面をつくってくれます。近づいて見るとツブツブ状の花はとても可愛らしく、別名ノコギリソウといわれる所以でもあるギザギザの葉のつくりも繊細ですが、庭風景の中では「色の面」として効率的な配色の役割を担います。草丈は品種にもよりますが、だいたい70㎝前後で、他の花の背景としても効果的。単体でも華麗な風景をつくってくれますが、ちょうどブーケの中のカスミソウ的に、他の花々との組み合わせで活躍する夏の庭に欠かせない名脇役です。

アキレアと夏の花の組み合わせ8例

アキレア
Del Boy/Shutterstock.com

渋い赤色のアキレア‘レッド・ベルベット’とエキナセア・パラドクサの組み合わせ。アキレアのシックな赤とエキナセアの花心の赤茶が、また、アキレアの花の極小の花心の黄色とエキナセアの儚げな黄色の花びらが絶妙にぴったりの組み合わせです。お互いに単体での植栽よりも、共演することでより個々の魅力が引き立っています。

アキレア
InfoFlowersPlants/Shutterstock.com

淡いピンクのアキレアが雲のように咲き広がり、その中からバーベナ・ボナリエンシスが細い茎を伸ばして紫の花を咲かせています。手前の白色が混じる紫の花はスターチス。ややピンクがかったフサフサのグラスはホルデウム・ユバツム。とても優しげな色合いの絵画的な風景ですが、どの植物も「超」がつくほど丈夫なものばかり。大した苦労をせずとも、夏中この景色を維持してくれます。

アキレア
Del Boy/Shutterstock.com

オレンジ色と銅葉の組み合わせが華やかながら、大人っぽい雰囲気の夏の花壇。ルドベキアやダリアなど夏の花々の中で、アキレアが色の面としての効果を発揮しています。アキレアは空間を色で埋めるのに活躍してくれますが、特にこんなグラデーションカラーの品種は全体の調和が取りやすく重宝します。アキレア‘テラコッタ’は咲き始めから終わりまで、黄色やオレンジ、アプリコット、ピンクと、さまざまな色の変化が楽しめる品種です。

アキレア
Del Boy/Shutterstock.com

アキレアを色のベースとし、チョコレートコスモス、オレンジのクロコスミアで色をプラスして、グラス類で繊細さを加えたサークル状の花壇。確実な色帯が欲しいときにも、丈夫なアキレアはいい仕事をしてくれます。

アキレア
Del Boy/Shutterstock.com

黄色と紫の花は反対色で相性抜群。草丈80㎝程度のベロニカとアキレアを合わせると、ちょうど花の高さが同じくらいになり、美しいコントラストが楽しめます。キャンドル状のベロニカと扁平なアキレアは、花形の違いも際立って、印象的なコーナーをつくることができます。

アキレア
Del Boy/Shutterstock.com

風に穂を揺らすイネ科の植物を使ったデザインは、近年のヨーロッパのガーデンデザインの流行です。泡のようなアキレアの咲き方は繊細なグラスの雰囲気を壊さず、空間に色を加えることができます。紫の丸い花はアリウム。

アキレア
JohnatAPW/Shutterstock.com

白いアキレアを背景に咲くのはクロコスミア。やはり夏に長く咲いてくれる宿根草です。フワフワとしたアキレアが、オレンジ色のクロコスミアを優しい雰囲気で演出しています。

アキレアというと、ピンクや黄色の色鮮やかで元気なイメージがありますが、アキレア・プタルミカ‘ペリーズホワイト’のような八重の白花を群生させると、可憐で清楚な雰囲気。夏の庭に目にも涼しげなホワイトガーデンコーナーをつくることができます。

こちらも八重のアキレアで1㎝ほどのポンポンの花をつける‘ノブレッサ’。可愛らしい花ですが、同時に野趣にも溢れ、キキョウやリンドウなど和の花との相性も抜群です。

とにかく丈夫でよく増える!

アキレアの最大の魅力は、とにかく丈夫ということ。寒さにも暑さにも乾燥にも強く、痩せた土地でも日当たりさえよければスクスク育って花を咲かせます。植えどきは秋か春で、その頃、園芸店や通販で苗が出回ります。

地植えの場合は、植栽したての頃は水やりをしますが、多湿にすると茎が倒れやすくなるため、根付いた後は、ほとんど放任でOKです。一度根を張ると、こぼれ種のほかに地下茎でも増えます。数年したら増えすぎに注意して、必要に応じて間引くとよいでしょう。

真夏の庭では、高温時に開花をいったん休止する花もあり、意外に色が寂しくなりがちです。庭の色がちょっと寂しいなと思う方は、いろいろなカラーバリエーションがあり、色のマスとして活躍してくれるアキレアを取り入れてみてはいかがでしょうか。

Credit
写真(表記以外) / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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