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40代女性が「やってみます」と宣言してから、2年経ってもNISAを始めていなかった残念すぎる理由

  • 2023.7.17
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20~30代を中心に投資を始める人が増えている一方で、なかなか始められない人も多い。金融教育家の上原千華子さんは「行動できない本当の原因は自分の心の奥底に隠れていて、『行動しないという行動』を取らせているだけ。まずはその事実に気づいて心の重荷を降ろすところから始めよう」という――。

※本稿は、上原千華子『「お金の不安」をやわらげる科学的な方法 ファイナンシャル・セラピー』(日本能率協会マネジメントセンター)の一部を再編集したものです。

職場でのセミナーに出席するプロの女性のグループ
※写真はイメージです
資産運用を始められない人の心のブレーキ

人生100年時代、物価高騰、政情不安。漠然とお金の不安を抱える人は多いのではないでしょうか。

その解決策のひとつが「資産形成」ですね。

実際、20~30代を中心に投資を始める人が増えています。

一方、資産形成の必要性を分かっていながら、なかなか始められない人が多いのも事実です。

なぜ分かっていながら、なかなか行動に移せないのでしょうか。

「これって私のことかも?」と思った人、安心してください。同じ悩みを抱えている人はたくさんいます。

投資が怖くて、なかなか一歩を踏み出せない

私がよく受ける相談の中から、具体的な理由を見ていきましょう。

私のセミナーには、「投資が怖くて、なかなか一歩を踏み出せない」と悩む方がたくさん参加されます。

その中には、投資が怖い理由がはっきりしている人もいます。

まずは、身近な人から投資の失敗談を聞いた、または目の当たりにしたケースです。

「父が投資に熱をあげて、老後資金の大半をなくしてしまった」
「祖父が高リスク商品に投資しオイルショックで大損失、一家離散寸前となった」

などです。

お話を伺うと、ほとんどの場合は「投資」ではなく「投機」で、短期取引や高リスク商品の取引が原因です。

このように、身近な人が生活の基盤を失うほどの損失を被った場合、トラウマになりやすくなります。

投資に対してだけでなく、お金そのものに恐怖を感じる人もいるでしょう。

むしろ「怖い」と思うことは当然に思えます。

こういう心理状態の人は、投資を躊躇する傾向にあります。

仮に投資を始めたとしても、苦しい気持ちになる、少額しか投資しないなど、消極的な態度になりがちです。

もうひとつのよくある原因は、両親から「投資は危険だから、やってはいけない」と言われて育ったケース。

その中には、投資の失敗談を見聞きした親が、家訓として子どもに伝える場合と、両親が「投資はギャンブルだ」と思い込んで、子どもに伝える場合などがあります。

その他にも、はっきりした理由なく投資に恐怖心を抱いている方もいます。

単に慎重な性格というだけでなく、お金に恐怖を抱くようなイベントが、過去にあったのかもしれません。

そのインパクトが強ければ強いほど、無意識に心の奥底に押し込んでいる可能性があります。

お金に縁がないと思っている

投資に限らず、お金全般に言えることですが、「自分はお金に縁がない」と思っている人は一定数います。

その中には「投資はお金持ちがやるもの」と思っている人もいるでしょう。

苦しい経済状況の中で育った人は、その傾向が強くなります。

実は、私も思い当たる節があります。

パソコンの前で目を抑える女性
※写真はイメージです

私は宮崎県の中流家庭出身です。

銀行員で倹約家の父、専業主婦の母と兄の4人家族の中で、のんびり育ちました。

家庭内では銀行預金の話題が日常的。高金利だった当時、銀行に預ければ利息でお金が増えることや、優遇制度があるといったことも父から教わりました。

小学3年生の時、父から「お兄ちゃんと二人で銀行に行って、お年玉を貯金してきなさい」と言われ、子どもだけで銀行口座を開設したことも。

小学生にして少ないお小遣いをやりくりし、10月生まれの家族3人分の誕生日プレゼント代を捻出するなど、父の質素倹約な考え方を受け継いで、自然とお金や経済に興味を持つようになりました。

その頃までは、私のお金との関係性はとても健全でした。

「お金に縁がない」と思うなら、その理由を考えてみる

しかし、大学入学直後に父が病気で突然他界し、大学中退の危機に。大学4年間は経済的にずっと苦しい状況でした。

クラスメイトは富裕層の家庭の子が多く、「私はお金のない家の子」として見られ、惨めな大学生活でした。

自分はこの先ずっと、お金に縁がない人生かもしれないと思ったこともあります。

振り返ると、質素ながら毎日3食食べていたし、電気も水道もある生活でした。誰もが憐れむ極貧生活だった訳でもありません。

ただ、周りの裕福なクラスメイトから「突然お父さんが亡くなって、貧乏になったかわいそうな人」として見られ、経済的に余裕のない状況が、「私はお金に縁がない」という思い込みを作っていったのだと思います。

まずは、なぜお金に縁がないと思っているのか、理由に気づけば、フラットな気持ちでお金と付き合えるようになります。

お金を増やすことにも目を向けられるようになるでしょう。

始められない人は「やらない理由」を探し続けている

私のセミナーに来られる方は、講座で学んだことを素直に実践される方が多いのですが、残念ながら全員がそうとは限りません。

中にはまったく行動に移さない方もいました。

2年間のうちに3回も私のセミナーに参加した40代の女性は、とても真面目で、情報へのアンテナが高く、投資の始め方や金融についての情報を懸命に収集していました。

セミナー中も真剣に話を聞いてメモをとり、質問していたので、印象に残っています。

そして、「つみたてNISAをやってみます!」と目を輝かせて帰っていきました。

ところが、2年後にひょっこり私のセミナーに現れたのです。そして、まだつみたてNISAを始めていないとのことでした。

詳しくお話を伺うと、情報収集していたら友達に「FPの資格を取るのが一番いい」と言われたそうです。

そこで新たな悩みが出てきて、「いろんなセミナーに参加するより、FPの資格を取った方がいいのでしょうか」と質問してきたのです。

他人の意見に流されず判断できるようになることが大事

どうしてそう思ったのか、質問を続けると、

「AさんはFPの資格取得が近道だって言うし、金融機関に勤めているBさんは、つみたてNISAよりiDeCoだよって言うし、何がなんだか分からなくなってきて」

とのこと。

私は、「正解は人によって違うんですよ。一番大切なのは、他人の意見に流されずにお金の判断を自分でできるようになること。私のセミナーでは、中立公正な立場で判断基準をお伝えしています」

と言いました。

彼女は、「そうなんですね。分かりました。またいろいろと調べて考えてみます」と答え、再び情報収集の旅へ出かけていきました。

彼女自身は、自分が行動できないのは「友達が○○と言ったから」のように、外部に原因があると思っています。

深層心理に何かが引っ掛かっている人の特徴

しかし投資に限らず、いつまでも行動しない場合、本当の原因は自分の心の中にあります。

特に、行動できないのは自分以外のせいだと主張する人ほど、深層心理に何かが引っかかっているのです。

上原千華子『「お金の不安」をやわらげる科学的な方法 ファイナンシャル・セラピー』(日本能率協会マネジメントセンター)
上原千華子『「お金の不安」をやわらげる科学的な方法 ファイナンシャル・セラピー』(日本能率協会マネジメントセンター)

ひょっとしたら過去に、誰にも言いたくないお金のトラブルがあったのかもしれないし、自分の判断に自信が持てなくなる出来事があったのかもしれません。

人は誰でも、外部要因で心を揺さぶられる生き物。判断に迷ったり、落ち込んだりします。

しかし、そういう自分を「ダメだな」なんて責めないでください。

行動できない本当の原因は自分の心の奥底に隠れていて、「行動しないという行動」を取らせているだけなのです。

この事実に気づいて、心の重荷を降ろしましょう。

上原 千華子(うえはら・ちかこ)
金融教育家
金融教育家。欧米投資銀行勤務歴17年、個人投資家歴26年。証券外務員一種、最新の心理学NLPを使ったマネークリニック®認定トレーナー。2018年、ウェルス・マインド・アプローチ創業。資産運用講座を実施し、2022年より「3ヶ月マネー実践講座」を提供開始。ライフプランから資産運用までマンツーマン指導。

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