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ブレイク前のガガとの秘話も!洋楽界のレジェンド、マイケル・ボルトンが語る50年以上『現役』でいつづける秘訣【インタビュー】

  • 2023.7.15

全世界で6,500万枚以上のレコード売り上げを誇り、グラミー賞の受賞歴も持つ大御所シンガーであるマイケル・ボルトンがニューアルバム『Spark of Light(スパーク・オブ・ライト)』をリリース。フロントロウ編集部ではマイケルにインタビューを実施し、若手アーティストや若手ソングライターたちと組んだ同作について訊きながら、過去にはブレイク前のレディー・ガガと共演したこともある現在70歳の彼に、50年以上にわたって現役のミュージシャンとして活躍し続けられる秘訣を訊いてみた。

50年以上にわたって活動してきたマイケル・ボルトン

「自分が成し遂げたことで最も誇りに思うのは、ついに成功を収めることができるまで、いかに長きにわたって努力を続けてきたかということです」。50年以上にわたってミュージシャンとして活動してきたマイケル・ボルトンに、“キャリアを通じて最も誇りに感じている功績は何でしょう?”と訊いてみると、そう返ってきた。

画像1: 50年以上にわたって活動してきたマイケル・ボルトン

「アルバムをリリースして、ヒットを出せるようになるまでに20年近くかかり、それまでには何度も失敗を重ねてきましたから。なので、究極的には、辞めなかったこと、諦めなかったことが誇りです」とマイケルは続けた。

初期の頃の苦労を経て、共にグラミー賞の最優秀男性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞を受賞した「How Am I Supposed to Live Without You」や「男が女を愛する時(When a Man Loves a Woman)」で大ブレイクし、ディズニー映画『ヘラクレス』のテーマ曲「Go the Distance」を担当したことでも知られるマイケルは、現在までに全世界で6,500万枚以上のレコードを売り上げるなど、ミュージシャンとして大きな成功を収めた。

米Amazonプライムビデオの『ザ・マスクド・シンガー』に出演するなど、セレブリティとしてお茶の間にも愛されている存在であるマイケルに“ショービジネスの世界において現役でいつづけるコツはあるのでしょうか?”と訊いてみると、「柔軟であること」だと教えてくれた。

画像2: 50年以上にわたって活動してきたマイケル・ボルトン

そんな彼の柔軟さは、7月14日にリリースされたニューアルバム『Spark of Light(スパーク・オブ・ライト)』にも表れている。彼が若手ソングライターや若手プロデューサーたちのアイディアを積極的に取り入れた同作には、ウォーク・ザ・ムーンのフロントマンであるニコラス・ペトリッカや、カイゴとのコラボでも知られるシンガーのジャスティン・ジェッソ、アメリカン・オーサーズのザック・バーネットら、多くの若手コラボレーターが参加している。

マイケル・ボルトンが語る『Spark of Light』

画像1: avex.lnk.to
avex.lnk.to

アルバム『Spark of Light』のコンセプトについて

マイケル・ボルトン:このアルバムのコンセプトは、私たちが地球全体としてパンデミックに直面してきたなかで、私たちが必要としている光をもたらしたいというものです。光についての曲を書いたり、閃光(spark of light)が持つ意味を描写したりするプロセスのなかで、私たちが連絡をとったあらゆる人たちが、パンデミックによってもたらされた疲労や憂うつ感に同じレベルで苦しんでいることを知りました。それで、そのときに書いていた楽曲たちが、ふさわしい方向を向いているように思えました。

私が一緒に仕事をした若いプロデューサーや若いソングライター、若いアーティストたちも皆、今は私たちが必要としているポジティブなエネルギーに焦点を当てるべきだということに賛成してくれました。そしてそれが、パンデミックを乗り越え、ポジティブになることや近づくこと、存在すること、仲間の人類を抱きしめることを選択することについての、人生に対する見方を考えるという最重要テーマとなっていきました。パンデミックを乗り越え、ポジティブなエネルギーを繁栄させるというものです。

ジャスティン・ジェッソとコラボした「Beautiful World」について

マイケル:面白いエピソードがあって、今回の共演は彼のマネージャーからの連絡で実現したものなのですが、実は私とジャスティン・ジェッソの出会いは15年〜20年前に遡るんです。当時、ご両親とロサンゼルスで食事をしていた彼が、同じお店で私が食事しているのを見つけて、挨拶に来てくれたことがありました。そのときに、彼から「アーティストを目指しています。アドバイスをいただけませんか」と言われたので、私は彼にアドバイスをしました。

そういう過去があったので、15年〜20年が経った今、こうしてニューアルバムのために一緒に曲が書けたことは本当に嬉しいです。当時のことについて、「フレンドリーだったらよかったのだけれど。私は役に立ったかな?」と彼に訊いてみたのですが、「すごくポジティブでしたよ」と言ってくれました。嬉しかったですね。あのとき、食事中に彼が話しかけてくれて本当によかった。何年も経った今、Zoom越しやスタジオで一緒に作業できたのですから。この曲はアルバムのなかでもお気に入りの1曲になっています。彼は素晴らしいシンガーですよ。将来的にまた一緒に何かできたら嬉しいですね。

アメリカン・オーサーズのザック・バーネットとコラボした「Just the Beginning」について

マイケル:「Just The Beginning」は、探し求めていた人はずっと側にいたということに気がついたときの心情を歌ったラブソングです。祝祭的なラブソングで、流れるような素晴らしいメロディに彩られています。心地の良い体験ができるような楽曲になっています。

アルバムを締め括る「Out Of the Ashes」について

マイケル:私たち人類は多くの理由から、様々な困難に直面することがあります。人生は私たちの前に多くの試練をもたらして、人生の通り道におけるそうした困難との戦いに本当に勝利を収めたいのかということを、私たちに問いかけてきます。どんな試練に直面しようと、私たちはそこから立ち上がれるような立場に身を置くことができるというのが、(この楽曲における)私の視点です。これは力強い音楽的な声明であると同時に、個人的な声明でもあります。友人や仲間、ヒーローたちには、不死鳥のように灰の中から(out of ashes)蘇り、より偉大で力強くなって、大きな成果をもたらしてほしいと願うものですが、まさしくそういうメッセージになっています。

アルバムでは幅広いアーティストとコラボしています。彼らからはどのようなインスピレーションを受けましたか?

マイケル:若いアーティストたちとの作曲やプロデュースを通じて、そのアレンジや彼らの手法からインスピレーションを受けました。私としては、そこによりクラシックなアレンジやメロディ、歌詞を加えたいと思っています。時間を超えて、何年にもわたって力強いメッセージを持ち続けられるようなものを。

コラボレーターたちには新鮮なものを持ち込んでもらうことを望んでいます。彼らは日頃から、最先端のソングライターやアーティストたちと仕事をして、最先端のアレンジや楽曲、作品に触れているわけですから。とはいえ、彼らはそのようにフレッシュなものを探し求めているわけですが、(私の作品に)フィットするものでなくてはなりません。単に“新しさ”と“古さ”を組み合わせただけのものになってはいけません。曲として整っていて、大衆にアピールできるものである必要があるのです。今作ではそれがかなりうまくいきました。多くのライターたちと、チームとしてすごくうまく機能したのです。

コラボレーションといえば、2010年に「Murder My Heart」でブレイク直前だったレディー・ガガとコラボしたこともありました。この時のことで今でも印象に残っている思い出などはありますか?

マイケル:レディー・ガガのことは大好きです。彼女と出会ったのは、私たちが一緒に楽曲に取り組む直前のことでした。彼女は素晴らしいシンガーやアーティストであるだけでなく、仕事に対する姿勢も業界屈指の素晴らしいものを持っています。創作作業においても、レコーディグにおいても、プロモーションにおいても、彼女はものすごく献身的に向き合うのです。もしも一緒に仕事してきたなかで完璧だったアーティストを一人挙げてほしいと訊かれたら、彼女を挙げるでしょうね。彼女に時間とスタジオさえ与えれば、素晴らしいアルバムとレコーディング、パフォーマンス、歌唱が生まれますよ。それから、彼女はプロモーションや数え切れない人たちとのインタビューに進んで臨んだだけでなく、それがいかに大切なことかを理解していました。音楽のキャリアを追求する上で、サポートしてくれる友人や仲間を作ることの大切さを理解していたのです。メンターや教師として、私が彼女に教えるべきことは何一つありませんでした。私が話すすべてのことを、彼女は既に知っていたのですから。

私たちは一緒に「Murder My Heart」という曲を書いたのですが、あの作業はとても楽しかったですね。当時の私は、彼女にはソロアーティストとして、これからいかにハードワークしなければいけないかを知っておいてほしいと思っていました。彼女はまだアルバムを出していませんでしたから。それでも、私は彼女がビッグになることを確信していました。そこで私はただ、彼女に将来の計画を訊いて、プロモーションについてや、世界中のラジオ局を飛び回ること、音楽で成功するためにはかなりの仕事が必要になること、何百万人もの人々に聴いてもらうことの大変さについて、どう思うかということを訊いてみることにしました。すると、彼女は言うまでもなく、そうした試練に臨む準備ができていたのです。レディー・ガガは私が出会ったなかで大好きなアーティストの1人です。

エンターテイメントの世界で50年以上にわたって活躍されていますが、キャリアを通じて最も誇りに感じている功績は何でしょう?

マイケル:自分が成し遂げたことで最も誇りに思うのは、ついに成功を収めることができるまで、いかに長きにわたって努力を続けてきたかということです。アルバムをリリースして、ヒットを出せるようになるまでに20年近くかかり、それまでには何度も失敗を重ねてきましたから。なので、究極的には、辞めなかったこと、諦めなかったことが誇りです。本当に苦労しました。試練に直面しながらも、仕事をこなすということを続けました。

画像: エンターテイメントの世界で50年以上にわたって活躍されていますが、キャリアを通じて最も誇りに感じている功績は何でしょう?

大きな規模で成功を収めたと言えることとしては、最も影響を受けたシンガーの1人であるレイ・チャールズと共演できたことも誇りですね。たしか、レイ・チャールズとは3度、「Georgia On My Mind」を一緒にパフォーマンスする機会がありました。トニー・ベネットもそうですが、私の両親が聴いていたような世代のアーティストたちと実際に会い、仕事ができたことも誇りです。

グラミー賞で最優秀男性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞を受賞したことは、特に重要なことでした。おかげで私がやってきたことが明瞭になりました。同業者たちや、同世代の成功を収めてきたアーティストたち、より長きにわたって活躍してきたアーティストたちのなかで、際立っていたと認めてもらえたのです。グラミー賞というのは私たちにとってのアカデミー賞で、厳しく、センスがよく、耳の肥えた関係者たちによって選ばれます。「How Am I Supposed to Live Without You」で初めて受賞者として自分の名前が呼ばれたときは、現実とは思えませんでした。それからその2年後にも、「男が女を愛する時(When a Man Loves a Woman)」で2度目のグラミー賞を受賞しました。音楽知識が豊富な方々から受け入れられ、認めてもらえた気がしましたね。他には、ボブ・ディランと一緒に曲を書いたことも私にとっては大きな体験になりましたし、ルチアーノ・パヴァロッティと一緒にイタリア語で歌ったことも忘れられない体験です。

成功から得られるものというのはたくさんあります。大きなレベルでの成功を収めることができれば、扉は開かれ、その後何年も感謝することになる人たちに出会うこともできます。私は、「歌い続け、書き続けなさい。きっと成功できるよ」と励ましてくれた人たちに出会うことができました。なかなか身を結ばないときには、周囲の人たちが伝えてくれる優しい言葉を信じられないこともありますが、振り返ってみると、音楽でキャリアを築こうと努力していたときにそういう人たちが示してくれた優しさやサポートに、私はとても感謝しています。プロのシンガーソングライターになるということは、幼少期の頃からずっと目指していたことでしたから。

最後に日本のファンにメッセージをお願いします!

マイケル:こんにちは、皆さん。マイケル・ボルトンです。『Spark of Light』を聴いてもらえるのを楽しみにしています。近いうちにツアーで日本に行くことができる日を楽しみにしています。それまではぜひ、アルバムを楽しんでください。また東京に戻り、日本で素晴らしい時間を過ごせたら嬉しいです。皆さんが元気でいてくれることを願っています。また会いましょう。すぐにではなくとも、できれば来年には。それでは!

<リリース情報>
マイケル・ボルトン
『Spark of Light(スパーク・オブ・ライト)』
配信中
ストリーミングやダウンロードはコチラ。

画像2: avex.lnk.to
avex.lnk.to

トラックリスト
1. Spark of Light
2. Running Out of Ways
3. Eyes on You
4. Beautiful World(feat. Justin Jesso)
5. Whatever She Wants
6. Just the Beginning
7. Safe
8. Home
9. We Could Be Something
10. Out of the Ashes

マイケル・ボルトンのSNSはこちら。
tiktok.com/@michaelbolton
instagram.com/michaelbolton/
facebook.com/michaelbolton
twitter.com/mbsings

Photo:ゲッティイメージズ

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